8月9日(火)弓張り月の夜 ネパール
風さんは台風に巻き込まれたせいでしょうか、今までよりも一回り大きな風に成長していました。もう小さな風ではありません。力もスピードも強くなっています。そして、今日はルーモをネパールという国の世界一高い山エベレストに連れていきました。
雪に覆われた山の中腹には、山登りの人たちの休憩所であるテントがいくつもありました。テントに入るとの中の人たちにはルーモが見えました。みんなとても歓迎してくれました。ルーモを見ることができる人は心に深い悲しみと寂しさを心に持った人、オーストラリアで出逢った時空を飛び越えられるような人だけですが、もうこの世にはいない人たちにも見ることができました。
このテントの中には、山登りの最中に亡くなってしまった人たちが集まっていました。彼らは、山が大好きで、エベレストが大好きで、今でも山を登ったり、テントで生活したりしているのです。その人たちは全然悲しくも寂しくもなく、逆にとても楽しそうでとても元気で、生きていいる人と何も変わりません。
その一人が、ルーモにエベレストに住む雪男の話をしてくれました。
~この山には確かに雪男がいるんだ。オレも生きてるときに足跡を見つけたことがあったし、死んでからは友達になって今ではおれの一番の仲良しだ。雪男は生きてる人と死んだオレたちのいる世界、両方を行き来しているんだ。だから、生きてる人たちが、雪男を見つけようと必死に探しても足跡しか見つからないってわけさ。~
ルーモは尋ねました。
「死んでからの世界ってどんななの?」
~会いたいものにはいつでも思っただけで会える。行きたいところには思っただけで行ける。便利なところだよ。心のままにいられるんだ。だから、心が大切なのさ。大きな心を持った人は死んだ後も大きな恵みが得られる。小さな心の人は小さな恵みさ。みんなそれぞれだ。それぞれの恵みの中で喜んで暮らしている。だけど、より大きな心になるために、人は何度も生まれ変わって地上に降りていくのさ。大きな心になるためには地上で心を耕すしかないんだ~
「天国には神様がいる?」
~生きてるときはオレも神を崇めて、拝んで、憧れた。神は生きる支えだった。死んでやっと気づいた。神ってのは、いつでもどこでもいるし、外側にいるもんじゃねぇ。おれらの中にちゃーんといる。必ずだ!!~
「私は人間じゃない。妖精よ。私の中にも神さまっているのかな?」
~面白いことを考える妖精だな。これまでもいろんな妖精や妖怪、怪物を見てきた。楽しいやつらが多い。でも、人間と違うところは心を耕すことはしないんだ。人間みたいに死んでまた生まれないから変わらない。もともと心も持たない。何千年、何万年もそのままだ。だから気楽なのさ。
まてよ。でも、どこかで聞いたことがあるぞ。人のために力を尽くした妖精は、人間に生まれ変わることができるって~
ルーモの胸がどきんと鳴りました。
「人のために力を尽くした妖精は人間になれる・・・。私もなれるだろうか?」
ルーモははっきりと「人間になりたい」という自分の気持ちに気づきました。
テントの外でその話を聞いていた風さんもぶるっと震えました。
エベレストの冷気のせいでしょうか?
風さんはそれを打ち消すようにビューンとエベレストの山肌を走り、大きく息を吐きました。
エベレストの頂上には、無数の星々が煌いていました。
風さんは台風に巻き込まれたせいでしょうか、今までよりも一回り大きな風に成長していました。もう小さな風ではありません。力もスピードも強くなっています。そして、今日はルーモをネパールという国の世界一高い山エベレストに連れていきました。
雪に覆われた山の中腹には、山登りの人たちの休憩所であるテントがいくつもありました。テントに入るとの中の人たちにはルーモが見えました。みんなとても歓迎してくれました。ルーモを見ることができる人は心に深い悲しみと寂しさを心に持った人、オーストラリアで出逢った時空を飛び越えられるような人だけですが、もうこの世にはいない人たちにも見ることができました。
このテントの中には、山登りの最中に亡くなってしまった人たちが集まっていました。彼らは、山が大好きで、エベレストが大好きで、今でも山を登ったり、テントで生活したりしているのです。その人たちは全然悲しくも寂しくもなく、逆にとても楽しそうでとても元気で、生きていいる人と何も変わりません。
その一人が、ルーモにエベレストに住む雪男の話をしてくれました。
~この山には確かに雪男がいるんだ。オレも生きてるときに足跡を見つけたことがあったし、死んでからは友達になって今ではおれの一番の仲良しだ。雪男は生きてる人と死んだオレたちのいる世界、両方を行き来しているんだ。だから、生きてる人たちが、雪男を見つけようと必死に探しても足跡しか見つからないってわけさ。~
ルーモは尋ねました。
「死んでからの世界ってどんななの?」
~会いたいものにはいつでも思っただけで会える。行きたいところには思っただけで行ける。便利なところだよ。心のままにいられるんだ。だから、心が大切なのさ。大きな心を持った人は死んだ後も大きな恵みが得られる。小さな心の人は小さな恵みさ。みんなそれぞれだ。それぞれの恵みの中で喜んで暮らしている。だけど、より大きな心になるために、人は何度も生まれ変わって地上に降りていくのさ。大きな心になるためには地上で心を耕すしかないんだ~
「天国には神様がいる?」
~生きてるときはオレも神を崇めて、拝んで、憧れた。神は生きる支えだった。死んでやっと気づいた。神ってのは、いつでもどこでもいるし、外側にいるもんじゃねぇ。おれらの中にちゃーんといる。必ずだ!!~
「私は人間じゃない。妖精よ。私の中にも神さまっているのかな?」
~面白いことを考える妖精だな。これまでもいろんな妖精や妖怪、怪物を見てきた。楽しいやつらが多い。でも、人間と違うところは心を耕すことはしないんだ。人間みたいに死んでまた生まれないから変わらない。もともと心も持たない。何千年、何万年もそのままだ。だから気楽なのさ。
まてよ。でも、どこかで聞いたことがあるぞ。人のために力を尽くした妖精は、人間に生まれ変わることができるって~
ルーモの胸がどきんと鳴りました。
「人のために力を尽くした妖精は人間になれる・・・。私もなれるだろうか?」
ルーモははっきりと「人間になりたい」という自分の気持ちに気づきました。
テントの外でその話を聞いていた風さんもぶるっと震えました。
エベレストの冷気のせいでしょうか?
風さんはそれを打ち消すようにビューンとエベレストの山肌を走り、大きく息を吐きました。
エベレストの頂上には、無数の星々が煌いていました。
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