Yuumi Sounds and Stories

シンギング・リン®️セラピスト「藍ゆうみ」のブログ。日々の覚え書き、童話も時々書いています💝

お話妖精ルーモと風さんペルー㉘

2020-04-22 14:51:17 | 童話 ルーモと風さんのお話
8月28日(日)有明月の夜 ペルー

メキシコと同じように、ペルーもその昔栄えた都市がありました。
インカ帝国といいます。やはりピラミッドに似た石でできた神殿があり、今でも多くの不思議な話があります。

ペルーの人は伝統的な服を着て帽子をかぶります。
高い山の中腹に住んでいて、浅黒い肌に赤い頬をしています。
一見無口ですが、とても優しく心の温かい人ばかりです。

今夜はそんなペルー人らしいおばあさんの話を聞くことができました。
おばあさんが語るお話はペルーの神話です。

~ペルーの神話にパリアカカという神様がいる。

この話は、パリアカカの成長物語というものかのぉ。

コンドルコトの山頂に5つの大きな卵が現れた。やがて卵は、5羽の鷹となった。4羽は立派な姿の男、最後の1羽は弱々しく醜い男に生まれた。 それがパリアカカだ。

パリアカカは、いつも立派な兄弟と比べられ寂しくて悔しかった。だが、自分の持つ力に自信があり、いつか、ワリャリョ・カルウィンチョという火の神と戦いに勝てば、本物の勇者になれると信じていた。青年になったパリアカカはワリャリョ・カルウィンチョを探しに、旅立った。

旅の始めに、ワガイウサという村にさしかかると、ちょうど祭のさなかであった。村人は弱々しく醜い姿のパリアカカを見下し冷たくあしらった。食べ物も飲み物もよこさなかった。

彼は怒りをこらえて黙っていたが、1人の少女だけがパリアカカにチチャというトウモロコシの酒を勧めた。パリアカカは喜び少女の優しさに感動した。

パリアカカには、この村がこれから5日後、豪雨と暴風で洪水が起こり滅びることを知っていた。村人の冷たさにがっかりしたパリアカカは、娘にだけ逃げるように勧め、他の者へは話さないよう口止めした。

5日後、村人は洪水により全員が死に、あの少女だけが助かった。パリアカカはそのまま村を立ち去った。


次にパリアカカが通りかかったのは、後にサン・ロレンソと呼ばれるコパラのアイリュだ。道端でチョゲ・スソという女が泣いている。理由を聞いたところ、日照りのために畑のトウモロコシが枯れていることを嘆いていた。

彼女の美しさを気に入ったパリアカカは、助けるから妻になってくれと言った。彼女は自分の畑だけでなく村中の畑も助けてくれと頼んだ。その優しさと賢さにパリアカカはさらに心惹かれた。

村では近くのシエナカカ山の泉から水を引いていたが、コカチャリャの谷からなら、ここまで十分な水が引けるとパリアカカは考えた。 パリアカカは神の力で動物を呼び集め、水道を作り始めた。できあがった水門からは豊かな川の水が畑に流れ込み、トウモロコシはみるみる元気になっていった。

村人は皆、この成果に感心した。

パリアカカとチョゲ・スソは結婚し、ヤナカカの岩で暮らし始めた。村人はパリアカカに感謝し、とても大切にした。二人は仲良く幸せに過ごしたが、チョゲ・スソが病で死んだ。死ぬ前に、「死後もここにいたい」との願いを聞き入れ、パリアカカは、死んだ彼女を岩に変えて残したという。

そして、パリアカカは最初の望みであったワリャリョ・カルウィンチョとの戦いに向かった。

ワリャリョ・カルウィンチョのいる山は海に沿った高く雄々しい山だった。 水や嵐などを武器とするパリアカカ。炎を武器とするワリャリョ・カルウィンチョ。二人は三日三晩激しく戦った。力はどちらも互角で、最後に二人の力は溶け合い融合し、そのエネルギーは天まで達した。とうとう、パリアカカは雪山パリアカカとなり、ワリャリョ・カルウィンチョは火山になった。

お話はこれでおしまい~

ルーモは、ふと前に聞いた日本の神話を思い出しました。
スサノオノミコト・・・。
そういえば、日本の神様にもパリアカカみたいな勇猛果敢が神さまがいたわ。とても、似ている、と思いました。

日本の神話など知らないおばあさんに教えたくなりました。