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セラミックフォーラム株式会社 ブログ 硝子溶融、SiC、 太陽電池

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11月9日 景気討論会 

2014-11-09 18:43:07 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

10月30日の日経・CSISシンポジウムに続いて、31日は日経定例の景気討論会に出席した。 出来る限りこの討論会には出席しているが、これも人気は高く、抽選に外れるケースが多いが、今回はOKだった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS31H42_R31C14A0EA2000/


講師は下記の写真の4名で司会は日経東京本社の近藤編集局長。

<4名の講師>

 

左から木下智夫野村証券チーフエコノミスト、志賀俊之日産自動車副会長、武田洋子三菱総研チーフエコノミスト、岩田一政日本経済研究センター理事長 

彼ら4名の意見、GDP成長率、為替、日経平均からも分かるように殆ど相違がない。

 

14年度の実質

経済成長率

15年度の実質

経済成長率

14年度の円相場(対US$)

14年末の日経

平均株価

木下智夫

0.2%

1.8%

114円

17,000

志賀俊之

0%

1%

17,000-18,000

武田洋子

0.1%

1.2%

110円

岩田一政

0.2%

1.2%

110円

16,000

2014年度0.1-0.2%と予想以上に低かったのは台風などによる被害、4月の増税の悪影響とのこと。 2015年度は株高、円安による企業収益改善⇒設備投資⇒賃金上昇でかなりの改善が見込まれると予測。 円安による収支は大企業にはプラスだが、中小企業にはマイナス。 はたして、彼らの予測通りに行くか?不明。 その上、この4方とも来年度の消費税upには積極的。 そうした議論の途中に司会者が突然、《先ほど、日銀が大幅な追加金融緩和を発表しました。 株価上昇、円安加速が進みつつあります》と緊急アナウンスをした。 会場、パネラーも一様に驚きの声、表情が見られた。 アメリカが店じまいをしたと言うのに、逆張りの札束増刷してどうするのか?バカバカしい。

<黒田バカズカー砲>

 

頭を冷やすため、帰りの書店で水野和夫著“資本主義の終焉と歴史の危機”を購入、一挙に読んだ。 自分が何となく感じていた危機感をうまく歴史的な観点から説明してくれており、共感する事しきり。 この黒田バカズーカー砲とは真逆。 

<水野和夫著“資本主義の終焉と歴史の危機”>

 

金融危機、アベノミクスに表される米国発のgreedy資本主義を何とか終焉させる方策をもっと勉強しなければと思った。 その為もあり、11月7日~28日の毎週金曜日開催の専修大学大学院公開講座“日本経済の展望;アベノミクス後のステージ”、11月8日開催の専修大学大学院政策科学シンポジウム“TPPと日本農業の行方”、11月5日~12月13日の毎週土曜日開催の関東学院大学公開講座“経済理論で読み解く経済ニュース”と参加予定。

最終的には水野和夫氏が教授をしている日本大学国際関係学部水野研究室の聴講生になりたいものだ。

以上


11月5日 第11回日経・CSISシンポジウム 

2014-11-05 06:00:00 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。


第11回日経・CSISシンポジウムは10月30日午前に開催され、その内容は10月30日の日経夕刊、10月31日の日経朝刊に連続掲載された。 本シンポジウムは日経と米戦略国際問題研究所(CSIS)が共同で毎年開催しているおり人気がある。 応募しても外れることが多いが、今回は、帝国ホテル孔雀の間で朝8時半~13時15分と早朝の時間だったせいか?抽選に当たった。

 

<第11回 日経・CSISシンポジウムの米側参加者>

 

今回のタイトルは“第二次安倍改造内閣と日米同盟の新展開”で以下のプログラム;

8:30~8:35           主催者挨拶 喜多 恒雄(日本経済新聞社 社長 兼CEO

8:40~9:10           講演「戦略的旋回の意義」ミシェル・フロノイ(元米国防次官政策担当)

9:15~11:10         パネル討論「集団的自衛権行使の意義と日米同盟の新展開」

 “パネリスト”                           

              米側:    カート・キャンベル           前米国務次官補(東アジア・太平洋担当)

                          ジェームズ・スタインバーグ           前米国務副長官

              日本側:小野寺 五典         前防衛大臣(自民党政務調査会会長代理)

                         北岡 伸一            国際大学学長 東京大学名誉教授

 “司会”             マイケル・グリーン           元米国家安全保障担当大統領特別補佐官

                            (CSIS上級副所長)

11:30~11:50       基調講演「第二次安倍改造内閣の課題」菅 義偉 内閣官房長官

11:55~13:05       特別鼎談:アーミテージ・ナイvol.4

 “パネリスト”

             リチャード・アーミテージ              元米国務副長官(CSIS理事)

                           ジョセフ・ナイ    ハーバード大学特別功労教授(CSIS理事)

 “進行役”       春原 剛  日本経済新聞社編集局長付編集委員(日本経済研究センター日米プロジェクト事務総長)

13:05~13:15       総括 ジョン・ハムレ元米国防副長官(CSIS所長兼CEO

 

米国側のキャンベル、グリーン、ナイ、アミテージ、ハレムなどは常連、日本側は政府要人特に外務省、防衛省関係のトップ、常連の北岡教授が講演やパネル討論に参加している。 彼らは日米軍事マフィアとも呼ばれている。 民主党時代のシンポジウムに出席したことがあるが、自民党より右と言われている前原外務大臣、長島防衛政務官が参加していたことを思い出す。 講演内容、パネルの内容は民主党時代の第7回、第8回、第9回と変わらないが、今回、気になったことは以下;

 

①軍事強化

憲法9条改正と集団自衛権が前面に議論され、特に北岡教授の軍拡を含めた主張は突出していた。 むしろ、米国側、日本政府側の見解が控えめに見えた。 北岡教授は危ない人。 尖閣に中国海軍が入ったら躊躇なく自衛隊を投入すると明言、戦後生まれの戦争を知らない知識人の典型。 彼の話を聞いていて、今春、読んだペーパーバックLarry Bond著“Shattered Trident”に登場する駒村東大教授を思い起こした。 

<Larry Bondの“Shattered Trident”

 

Larry Bondは、膨張する中国に対する米国の軍事行動をシリーズ化した未来政治軍事小説を書いている。 この“Shattered Trident”では2016年8月のベトナムと中国の衝突を皮切りに、米国の消極的なアジア政策に不安を持つ政治学者駒村教授が日本政府・防衛省を動かし、ベトナム、台湾、韓国、フィリピン、インドネシア、インドなどと対中国秘密同盟を結んだ。 この同盟軍は極秘裏に中国タンカーやエネルギー基地を攻撃し、中国のエネルギー供給網を壊滅させたが、中国の核兵器による反撃を受け同盟諸国は大打撃を受けた。 その後、硬直状態になり米国の仲介で和平に到達した。 駒村教授は自ら戦略が物的、人的に悲惨な結果を生んだことに責任を感じ自殺した。 北岡教授はこの駒村教授のように腹を切れる人とは思えないが、どう責任を取るのだろうか?

②普通の国論

憲法9条改定と集団自衛権行使により、やっと日本は普通の国になったとの歓迎の議論が日米両側から発せられた。 この“普通の国論”を嫌悪する。 武力行使を制限した日本国憲法をノーベル賞に推薦しようとする動きがあったが、この普通でない理想論を私自身、誇りに思っている。 武器3原則のなし崩しが進められているのも不安。 北岡教授が声を大に“武力なき平和は空論”と言うが、何かあれば直ぐに血を流し虐殺が行われている世界の現状を根本からひっくり返す考えや実践があっても良い。 経済を活性化する試みの一つに、周辺とは違う概念の“経済特区”を作り、そこを核に少しずつ改革していく考えがある。 中国深圳の経済特区、日本でのアベノミクスで謳われている国家戦略特区と同様。 世界で日本が平和特区として“武力なき平和”を追求することはあっても良い。 

パネル討論で司会のグリーンが、近い将来、スタインンバーグ大統領、小野寺首相が登場する前提で、その際、隣のキャンベル氏が大統領補佐官、北岡教授が首相補佐官になったとして、“尖閣に中国海軍が突入したとの緊急ニュースがあった時、キャンベル大統領補佐官、北岡首相補佐官はボスにどういう助言をしますか?”と言う際どい質問をした。 キャンベラが色々な外交交渉の必要性をくどくどと言うのに比べ、北岡補佐官は“躊躇なく海上自衛隊の出動を助言する”と述べたのには驚いた。

また、小野寺前防衛大臣が“米国の中国を通じて北朝鮮に圧力をかける対北朝鮮政策”に対し、”北朝鮮が恐れているのは米国なのだ!米国は中国を頼りにするのでなく直接的圧力をかけるべきだ!”と明言していたのにも驚いた。 また、米国側がウクライナ問題でロシアを抑え過ぎ、中国-ロシア関係を強化させるのは愚策と述べ、安倍政権のロシア戦略を支持していたのに3度ビックリだった。

支持する?支持しない?にかかわらず、日本の政治家が明確に意見を述べる姿には感心したが、不安も感ずる。 ビジネスの世界では明確な意思表示は大切だが、生きるか?死ぬか?の政治軍事の世界で、それが良いのだろうか?と考え込んでしまう。

いずれにしろ面白かったし、新聞報道だけでは得られないニュアンスを感ずることが出来た。

以上


11月3日 倒産する企業、100年以上続く企業、金融工学のインチキ性(その3) 

2014-11-03 06:22:17 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

10月29日午前中、板橋区立郷土資料館で“幕末動乱”という展示会、午後は新宿区立歴史博物館の“高須4兄弟”展を楽しんだ後、下記の横浜国大経済学部の公開講座第3回に出席した。 さすがに疲れたが充実した1日だった。

 

第1回 2014年10月15日(水) 18:00~19:30

「世界金融危機の発生と波紋」                     西川輝 准教授

2008年9月に発生したリーマンショックは世界的な金融危機・同時不況へと発展しました。この発生と波及のメカニズムについて解説します。

第2回 2014年10月22日(水) 18:00~19:30

「金融派生商品の功罪」                                西出勝正 准教授

先物契約などの比較的簡単な金融派生商品の仕組みを理解することでその役割や問題点について、2008年の世界的金融危機にも触れながら議論します。

第3回 2014年10月29日(水) 18:00~19:30

「日本の金融危機」                                       奥村綱雄 教授

日本が1980年代以降に経験した、バルブ経済とその崩壊、その後の長期不況と金融危機、

そしてその間の経済政策について議論します。


第1回、第2回はグローバルな世界金融危機を論じたが、第3回は日本のバブル発生と崩壊を主に扱った。 すなわち、1980年の株価7,000円台が1989年36,000円に跳ねあがったが、1992年にかけて急激に下がった。 しかし、その後、2002年(9,000円)~2008年(17,000円)までは“いざなみ景気”と言われた。(景気は上昇したが庶民への実感はない穏やかな景気回復という意味から“いざなみ”) 2008年のリーマンショックで再度、8,000円に下落した。 その後、2012年頃からアベノミクスで15,000円台に回復している。

<株価とバブル崩壊>

このように、日本の経済の流れを株価、為替レート、土地価格で説明があった。 1980年代の輸入超過と円高を冷やすべく、1986年以降日銀は貨幣供給を増やし/金利を下げ、円安へかじを切った。 過剰資金は民間銀行に流れ、銀行は土地神話に惑わされ不動産業に融資した。⇒日本のバブルは異常な地価上昇。(リーマンショックは異常な住宅価格上昇)

 

銀行が何故こうした不動産バブルに巻き込まれたか?に関し、下記の点が奥村教授から指摘された。

              ・土地神話で土地を担保とした貸し付けに安心感を持った

              ・バブル後期に不動産関係有志の不良債権化が分かってからも追い貸しをした(不良債権の隠匿、先送り)

              ・いざとなれば国が助けてくれるとの安心感

結論的に言えば、厳正な信用調査、取引条件を履行しているか?の監視など、銀行の本来の役割を放棄した。⇒銀行のモラルハザード

この説明に対し、当時、不動産業界の渦中に居たことのある聴講生から“不動産業界も危ないと分かっていながら、土地価格はボトムから反転するとの組織的、意図的なキャンペーンをした”とのコメントが出された。

こうして1997年、金融危機の頂点として北海道拓殖銀行、山一證券、日本長期信用銀行などが破たんした。 その後、2002年以降、竹中プランによる金融再生プログラムがstartし、銀行の不良債権の厳格査定など情報開示に大きな一歩を踏み出した。⇒2002年~2008年の“いざなみ景気”に貢献した面はある。

問題先進国としての日本が味わったバブル⇒金融危機(1998年)から、10年後に起こった米のリーマンショック(2008年)は、非常に似た現象であったが、以下の2点で違いがあった。

              ・欧米の多くの銀行が毒入りまんじゅうの米住宅債権を購入していたが、日本の銀行は10年前の土地バブルに懲りていたので購入を控えていた。⇒さりとて、これら毒まんじゅうを食べた欧米の銀行危機が欧米の経済危機を引き起こし、結果的に日本経済も引きずられた。

              ・米当局は日本での逐次緩和政策が長い不況を招いたとの教訓を基に、一気呵成に大型金融緩和を実施した。⇒多くの国が引きずられ、札の印刷合戦を引き起こした。民間の金融危機が国の財政危機を誘発している。

<バブルの歴史>

こうしたバブルを予知する方法はないか?のテーマに対し、奥村研究室の2014年卒業生の論文の結論を開示してくれた。 これは最近のバブルを解析した結果とのことで中々面白い;

“どうして人類はバブル経済を繰り返すのか?~バブル経済早期警報システムを作る~”

              ①物価や地価の上昇率がGDP成長率の2倍以上になり始める

              ②地価上昇率が株価上昇率より大きい

              ③中央銀行による低金利政策

              ④神話の存在(株価・地価の上昇の信念)

              ⑤金利市場に新しい風(金融商品など)

              ⑥金融機関同士の競争の激化

現在のアベノミクスがこれに該当するか?どうか?聞き洩らしたが、危ない、危ない!!

以上


10月30日 倒産する企業、100年以上続く企業、金融工学のインチキ性(その2) 

2014-10-30 05:53:56 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

10月22日横浜市大の長寿企業の公開講座を聞いて、雨の中、直ぐに京急金沢八景駅から特急に飛び乗り横浜駅に到着、西口からバスで横浜国大前岡沢町下車、会場の経済学部まで徒歩10分、開始の18時にぎりぎり到着。

今回は下記の第2回。

第1回 2014年10月15日(水) 18:00~19:30

「世界金融危機の発生と波紋」                     西川輝 准教授

2008年9月に発生したリーマンショックは世界的な金融危機・同時不況へと発展しました。この発生と波及のメカニズムについて解説します。

第2回 2014年10月22日(水) 18:00~19:30

「金融派生商品の功罪」                                西出勝正 准教授

先物契約などの比較的簡単な金融派生商品の仕組みを理解することでその役割や問題点について、2008年の世界的金融危機にも触れながら議論します。

第3回 2014年10月29日(水) 18:00~19:30

「日本の金融危機」                                       奥村綱雄 教授

日本が1980年代以降に経験した、バルブ経済とその崩壊、その後の長期不況と金融危機、

そしてその間の経済政策について議論します。

 

西出准教授は金融工学の新進気鋭の先生。

 

<金融商品とは?>

最初に金融派生商品(デリバティブ)とは?ということで、その商品例として先物契約の一種である為替予約が出た。 これはCFで輸入予約をするのでお馴染み、良く理解できた。 輸入品の代金(ドルやユーロ)を3か月先に支払うために為替予約するわけだが、これは博打でない。 3ヶ月先に支払うべき商品価値が変動するリスク(100万EURの商品;現状100円/EURで1億円の価値)をヘッジするわけだが、将来120円/EURの円高になると12,000万円になり、送金100万EURを買うのに2,000万円余分に必要。⇒マイナスの利得 それをヘッジするには同時に120円になると得する商品を購入しておく。 それがユーロ購入。 100万EURを3か月先に購入する約束をする。 必ずA(輸入)、B(為替予約)の2つのビジネスをやり、A+Bの損得をゼロにするのがリスクヘッジ。 FXは一つのビジネス(B)しかしないので博打になる。 輸入為替予約をしない輸入(A)も博打。 降雪デリバティブも同じ、雪が降ると得をするビジネス(例えばスキー場経営)と損するビジネス(例えば雪国にある生産工場)がお互いに保険を入りあう。 

<金融危機におけるデリバティブの役割>

サブプライムローンの考え自体は合理的。 危険な投資には高いリターン。 そのリスク評価と伴う対価を金融工学が計算するだけなら問題なかったが、そのリスクを隠ぺいするかのように複雑な金融計算をやり証券化した。 さらにその証券をリスクヘッジする信用派生証券(CDS)を金融工学で提案した。 こうしてリスクヘッジを積み重ね、本来の単純なリスクヘッジを結果的に隠ぺいした。 

<デリバティブの問題点と金融危機への対策>

先生は角付け会社の改革、中央清算機関の強化、証拠金の増額などを提案した。 また、リスク評価のための審理できる数理的評価手法の開発などを自らの任務と説明した。

 

質問時間になったが、怒りにも似た多くの質問が出た。 

1)金融工学を駆使したデリバティブは結局ごまかす手段でしかない。 Simple is best!

2)悪意を持った金融業者に対し合理的な数理的評価手法なんてありえないのでないか? 

 

私も下記の質問をしたかったが、余りに質問が多かったせいでチャンスが無かった。

“加藤の質問”

講義中、先生は、証券化のように、質の悪い商品を質の高い商品にすることは金融工学の醍醐味と話していたが、数字遊びで複雑怪奇にして素人をだますのが、金融工学と言っておられるに等しいのでないか?

 

私の13年のCFビジネスで学んだ経済の原則は“ハイリスク、ハイリターン”、絶対正しい。 さらに消極的だが、“入りを量りて出ずるを制す”が私自身の経営原則。 基本は騙される人間も悪い。 “自分が理解できない事に手を出すべきでない”がCF13年で得た教訓。

以上


10月26日 神奈川県立歴史博物館を楽しむ 

2014-10-26 12:14:46 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

10月21日、東京国立博物館で国宝展を鑑賞した。 正倉院の宝物など盛り沢山でいささか疲れた。 こうしたビッグのメジャーも良いが、翌日の神奈川県立歴史美術館のほうが、at homeで楽しめた。

    <国宝展>          <白絵展>

10月22日雨の中、横浜馬車道通りにある県立歴史博物館を訪ね、特別展“白絵(しろえ)”を楽しんだ。 白絵は余り知られていない。 Wikipediaにもない。 しかも、大辞林では白絵(しらえ)となっており下記の説明だが、どうも、今回の白絵(しろえ)とは別物のような気がする。 

《彩色・ぼかしなどを施さず,墨の線だけで描いた絵。中国の白画(はくが)に相当し,平安時代の大和絵の技法として用いられた。》

 

この“しろえ”は、白い生地に白の絵を描くというより特殊な手法である。 この“しろえ”の持つ意味を文化史的にとらえ、今回の企画にもっていったのは、この博物館の若き学芸員とのことで、その発想、実行力に感心した。 すなわち、古来、この絵画を主体とした白絵の造形は出産、結婚、死去といった人間生活の要に用いられており、安産、家庭円満、安穏の死を願ったと理解できる。 こうした視点から時代的には平安時代から、地域的には北から南まで日本中から“しろえ”を集めた。 産着であり、結婚衣装であり、死装束などである。

一貫性のある展示は分かりやすく心地よいものがあった。 展示物の面白さもあったが、特に感銘を受けたのはボランティア学芸員による展示説明であった。 午前11時~お昼前まで、2名の熟年ボランティアから説明を受けた。 これらボランティアの方は、この県立歴史博物館だけでも老齢者を中心に100名近い方がおられ、交代で説明をされているという。 日当なし、しかも交通費も自前との事。 頭が下がる。 最近、”少子高齢化”といかにも高齢者を邪魔者扱いする風潮が気になるが、年金で競馬、競輪、パチンコにうつつを抜かす高齢者は論外だが、こうした熟年ボランティアこそ日本の底力。

常設展の神奈川、横浜の歴史も期待以上だった。 各ゾーンに居られる立ち会いのボランティアの方も、控えめに私の愚問に答えてくれた。 まさに“おもてなし”。 2020年のオリンピックでは多く外国人がここ横浜に来られるだろうが、なまじの名所旧跡よりも、こうしたボランティアの方がもてなす歴史館、博物館を楽しんでもらうことこそ大きな国際交流。

以上 


10月23日 倒産する企業、100年以上続く企業、金融工学のインチキ性(その1) 

2014-10-23 10:31:36 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。


10月21日、22日は肌寒い、雨模様の日々。 その中、ガンバって以下の公開講座を楽しんだ。 つい数週間前までの会社経営と直接関係するテーマだけに思い当たることが多々あり、先生方への質問も熱が入った。

1)倒産する企業は『ここ』で分かる~倒産の仕組みと危ない会社の見分け方~ 

 岡部潤中小企業診断士(帝国データバンク)

2)長寿企業の秘けつ~100年以上持続、発展するための条件~

 青山和正教授(東京富士大学)

3)金融派生商品の功罪

 西出勝正准教授(横浜国大)


本日は(その1)として、横浜市大の公開講座である1)、2)を考えてみる。

 

1)倒産問題

岡部氏によると、日本には資本金1億円以下の中小企業は160万社あるが、毎年10,000社程度が倒産するとのこと。 100社の中小企業と取引があると、毎年1社倒産にあうというから相当の確率。 

ちなみにCFは取引先約50社だが、創業以来国内顧客の倒産は一度もなかったのは幸いなるかな! 欧州のパートナーで1社倒産寸前であるのは心配。 

そもそも倒産の定義は難しい。 多くの場合は不渡りを出し銀行取引の停止による。 CFのように手形や銀行からの借金がない会社の場合、代表取締役が倒産と認める場合が相当する。(将来性がないと自ら見切る)

今回の説明でショッキングなことがあった。 2009年以降、中小企業の倒産率はどんどん減少しているが、平均の自己資本率は2009年11%から2013年▲3%に劣化したとのこと。⇒▲は事実上債務超過、いつ倒産してもおかしくない中小企業が、半分あることになる。 幸いCFは自己資本率60%。

なぜこんな恐ろしい現象が起こっているのか?というと、2009年の民主党時代の亀井金融相による金融円滑化法によるという。 言ってみれば倒産防止のために中小企業が借金し易いように銀行の貸出し条件を甘くさせた法律。 死を迎えて苦痛にあえぐ病人に延命の麻薬を施すようなもので、倒産率(死亡率)は減るが、体の健康度(財務状況)はますます悪化しているようなもの。 自民党政権になってもこの法を廃止にする勇気はなく先送りにしているという。 廃止すると一挙に倒産が増えるのを恐れているわけだ。 政府介入経済の弊害の好例。

最近の企業リスクで大きいのは後継者難。 その為、年々、社長の平均年齢は上がっており、1990年54歳が2013年には58歳とのこと。 先ほどのように自己資本率がマイナスでは息子ですら後継者に成りたがらない訳だ。 

増収増益企業率という統計がある。 社長年齢30歳~40歳では20%近くに上るが、70歳以上の社長の増収増益率は一挙に10%近くまで下がると言う。 従って社長は70歳近くで引退し、30歳~40歳の人間に引き継ぐのが理想的になる。 まさに今回のCFの交代は理想的と自画自賛。

 

2)長寿企業

CFを起業した時、ローリスク・ローリターンの長寿企業を目指した。 某ベンチャーキャピタル(VC)から、CFのような会社はVCから見ると全く面白味のない会社だ!と見離された。 10社投資し、9社倒産しても、1社がIPOで膨大なリターンがあれば十分とのVC特有の考え。

2013年帝国データバンク「COSMOS52」によると収録企業144万社のうち100年企業は26,000社、江戸時代以前が141社(500年企業)とのこと。 世界的にはエノキアン協会という200年以上の企業の団体がある。 現在、40社が加盟しているが、日本からは法師(718年創業)、月桂冠(1637年)、岡谷鋼機(16609年)、赤福(1707年)、虎屋(1530年)の5社がメンバー。 ともかく、日本は世界でも断トツの長寿企業の数を誇る。 業種としては日本酒関連(製造、卸、小売り)、服装関連、旅館、ホテル関係が多く、衣食住が基本。 さらに小企業(売上<10億円、従業員<10名)が多い。

<エノリアン協会>

 

日本に長寿企業が多いのは何故か? 色々な説が言われている。

              《横澤元亜細亜大教授》

               日本特有の家制度

              《後藤日本経済大教授》

               江戸時代に確立された会社システム(複式簿記、丁稚制度など)、石田梅岩の心

               学精神(家業を継続する強い意志)、江戸時代の安定した経済成長率(2%)

              《その他》

               本物志向(なるべく良いものを作りたい、技術を尊重する意志)、庶民レベルま

               で根こそぎ変わることのなかった統治体制、創業家訓の尊重と革新という二律

               背反に基づく行動

こうした解析や説を、じっくりCFに照らし合わせて考えると面白い。 小さくともexcellent company、本物志向、起業理念を守りながらの“時代の変化に絶えず変革”などが肝。 

例として挙げられた㈱あいや、同社は愛知県西尾の古い抹茶製造販売会社。 多くの同業が店仕舞いする中、最近の抹茶クリーム、抹茶菓子など種々な食品への応用を提案し生き残っている。 こうした自社の持ち味をチョットした工夫で差別化する力があるか?ないか?が、生き残るか?倒産するか?の境目。 大きな革新力はいらない、チョットしたアイディアと実行力。

最後に質問したことでもあるが、こうした長寿企業の財務状況は低い成長率と高い自己資本率が特徴。⇒米国のgreedyビジネスとは真逆

今回、倒産と長寿企業の相反する2つのテーマを考える機会を得たわけで、CFの現状と照らし合わせ面白かった。 現役時代の切った張ったの真っ只中では、こうした機会は少ない。 引退した醍醐味と感謝あるのみ。

以上


10月19日 美術館、博物館を楽しむ 

2014-10-19 23:35:43 | 自分のこと

セラミックフォーラムの加藤です。

本日は秋晴れの爽快な日曜日。 午前中、品川歴史館で“品川から世界へサムライ海を渡る 幕末明治の日本と外交使節団”、午後は川崎市市民ミュージアムで“日清・日露戦争とメディア”展示会と関連講演“ビゴーと日清・日露戦争”を楽しんだ。


古いブログの2012年9月8日“下町めぐり”の中で、昔いた台東区と比べ品川区は歴史の深みがないとこぼしたが、今回、初めてこの品川歴史館を訪れ館内の小ぶりながら趣のある庭園と松摘庵という渋い茶室に感銘を受けた。 また、今回の特別展において、品川港から世界に出航した幕末・明治初めの先人たちの分かりやすい展示からも歴史の深みを感じた。 駄目な幕府のイメージがあったが、崩壊寸前に、時間的にもコスト的に大きな負担になるこうした使節団を何回となく送っている事実に、その先見性を見直した。 また、使節団のキチンとした海外出張報告などを見ると我々CFの方がいい加減でないか?と自省する。 常設展の品川の歴史では、3代将軍家光創設の御殿山、沢庵和尚の東海寺などの歴史跡がある上に、その周辺に多くの大名下屋敷があったとの説明にも不明を恥じた。 再度、探索をtryする計画。

大井町で昼食をとり、武蔵小杉にある川崎市市民ミュージアムでの展示会、講演会に急行した。 最近の朝日新聞の従軍慰安婦問題もからみ、政治権力とメディアの“なれあい”や“対決”に関心があった。 当時のメディアがどんな形で報道したか?は、興味津々。

反戦的な動きは全くなかったようで戦意高揚ばかり。 当時の海外メディアが見た日清、日露戦争の解説は面白かったが多くは日本に好意的だった。 その中で日本に住んでいたフランス人ビゴーの風刺画的な報道は日本メディアの戦意高揚とは異なった視線で戦争の被害者などを描写していた。 講演はそのビゴー研究の第一人者と言われている漫画・風刺画研究家の清水勲氏。 ビゴーは1860年フランス生まれで1881年来日、1899年フランスに帰国。 その間、トバエ(風刺画雑誌)を発刊、日清戦争の従軍画家としても活躍。⇒私の“最近、新聞などに政治風刺一コマ絵が無くなったが何故か?”の質問に、“日本で言論の自由が確立したから必要がなくなってきた。”のような回答であったが、チョット違うと思った。

よくよく考えてみると、東京地区は本当に美術館、歴史館、博物館が多い。 これらの展示会に行くたびに他の展示会、セミナーの情報を得ている。 見たい、聞きたいテーマが盛りだくさん。 10月、11月は他の行事で殆ど埋まってしまったが、何とかやりくりして下記の行事に応募予定だが、多すぎて、時間的に難しい。


①流行を作るー三越と鴎外              文京区森鴎外記念館           9月13日~11月24日

②明治に生きた英傑たち                  衆議院憲政記念館              11月5日~28日

③菱田春草展                                   東京国立近代美術館           9月23日~11月3日

④内藤家文書が描く藩領                  明治大学博物館                  10月11日~12月11日

⑤幕末動乱                                       板橋区立郷土資料館           10月4日~11月30日

⑥文字がつなぐ古代の日本と朝鮮    国立歴史民俗博物館           10月15日~12月14日

⑦足利将軍家の至宝                         三井記念美術館                  10月4日~11月24日

⑧高須4兄弟                                   新宿歴史博物館                  9月13日~11月24日

⑨日本国宝展                                   東京国立博物館                  10月15日~12月7日

⑩富沢家と新撰組                            旧富沢家(多摩中央公園)10月25日~11月24日

⑪白絵                                              神奈川県立歴史博物館       10月11日~11月16日

⑫宮中の和歌                                   明治神宮文化館                  10月4日~11月30日

⑬初期伊万里店                                石洞美術館                         7月12日~12月14日

⑭醍醐寺                                          松濤美術館                         10月7日~11月24日     


正直言うと美術にオンチだが、今回、引退したのを機会に退屈でも無理やり見ようと思っている。 美術関係の仕事をしている娘に言わせると“素養のない人でも、数を見れば少しずつ判ってきて楽しくなる”と言う、その言葉を信じ頑張るのみ。

以上


10月16日 横浜国大 公開講座《金融危機の経済学》 

2014-10-16 19:47:51 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

10月15日18時~楽しみにしていた横浜国大公開講座《金融危機の経済学》だった。 

公開講座の要旨;

“授業の目的と内容”

日本のバブル崩壊と失われた20年、アメリカのサブプライムローン問題とリーマンショック、ギリシャ財政問題に端を発するユーロ圏の金融危機、近年世界中で金融危機が瀕末しています。 これらの金融危機はなぜ起こったのか? 経済や生活にどのような影響を及ぼしたのか? 政府、中央銀行、国際機関はどのような経済政策で対応したのか? そして、このような金融危機を防止する手立てはあるのか?などについて、金融とファイナンスの専門家が講義します。

“担当教員”

西川輝                  横浜国大 大学院国際社会科学研究院           准教授

西出勝正              横浜国大 大学院国際社会科学研究院           准教授

奥村綱雄              横浜国大 大学院国際社会科学研究院           教授

“授業概要”

第1回 2014年10月15日(水) 18:00~19:30

「世界金融危機の発生と波紋」                     西川輝 准教授

2008年9月に発生したリーマンショックは世界的な金融危機・同時不況へと発展しました。この発生と波及のメカニズムについて解説します。

第2回 2014年10月22日(水) 18:00~19:30

「金融派生商品の功罪」                                西出勝正 准教授

先物契約などの比較的簡単な金融派生商品の仕組みを理解することでその役割や問題点について、2008年の世界的金融危機にも触れながら議論します。

第3回 2014年10月29日(水) 18:00~19:30

「日本の金融危機」                                       奥村綱雄 教授

日本が1980年代以降に経験した、バルブ経済とその崩壊、その後の長期不況と金融危機、そしてその間の経済政策について議論します。

<横浜国大>                             <西川准教授の著作>

 

定年退職者と思しき老兵が50名近く参加していた。 中身的には、最近、参加している色々な大学公開講座のなかでは一番骨があった。 一生懸命に聴講した余り下記のような、mailを講師の先生に送った。


<10月16日に送付したmail>

奥村先生、西川先生

 

 昨晩、授業を聴講した加藤でございます。 奥村先生の冒頭あいさつにおいて”大学の授業は質問や議論から成り立っている”とのお言葉を受け、授業中質問もさせて頂きました。 アンケート用紙で書きもらした点を含め、質問、意見、コメントを以下述べさせて頂きます。

 時間、構成

約50名以上の主に退職した老年男女が参加しておられましたが、これから寒さが増す季節、年寄りにとって、18時~19時半は遅すぎる気がいたします。 できたら17時~18時半は無理なのでしょうか?

また、第一回の授業から分かるように、質問が非常に多かったですが、時間の取り方をもっとフレキシブルにできないでしょうか? 例えば、授業1時間半、質問30分で、質問がなかったら1時間半で終了する。

 授業の有料化

授業内容は有料化にしても十分価値があると思います。 例えば、一コマ1500円で、今回のように3回ある場合は、計4500円でも参加者はあると思います。 さらにお願いするとすれば、参加人数を20名位に絞り、議論がもっとできる雰囲気にして頂ければと思います。例えば円卓会議形式にするとか?

 西川先生の授業内容へのコメント

-タイトル通り、”世界金融危機の発生と波紋”をきちんと説明されており、さすがと思いました。 但し、我々老人組が本講座に期待するのは、新聞記事、Wikipediaでも分かる事実を整理する事もありますが、それ以上に、それぞれの自らの人生、社会経験から疑問に感じている”金融危機”に関し質問や議論が出来ることだと思います。 授業を聞くだけなら放送大学、インタネット授業(MOOC)でもできます。 

-さらに、我々定年退職者はアベノミクスの異次元金融緩和による札束をジャブジャブ印刷する政策に不安を持ってます。 もっと言えば、世界中の札束印刷競争です。 そうした金融政策は正しいのか? 次なる金融危機を招く先送り策でないか?など、経済学という学問から合理的な説明が欲しいのです。

-先般の御嶽火山噴火で火山噴火予知連絡会の藤井会長は”今回の御嶽の噴火を予知できるほど、本学問は進んでいない”と堂々とお話になっていたが、経済学は金融危機を予知したり、防ぐことができる学問なのか?事後説明の学問なのか?も議論させて頂きたい。

提案

今回のセミナー参加者のなかから、より深い議論をしたい希望者を募って、有料のセミナーをして頂けないでしょうか? 質問者のなかには元金融関係の方もおられたようで、先生方にとっても有益な議論になるのでないか?と思います。

 

ともかく、こうした公開講座は質問、議論できることが肝。 10月、11月は、こうした講座、セミナーが満載だが、講師、参加者などとの交流が第一で世界を広げたい。 

以上


10月14日 中村修二氏のノーベル賞受賞

2014-10-14 06:00:08 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

先週10月8日の青色LEDノーベル賞受賞ニュースから早や1週間、新聞記事からやっと関連ニュースも消えてきた。 セラミックフォーラムのビジネスの一つパワー半導体はこの青色LEDと関連のあるテーマであり、会社設立以来の関心事であった。 また、2012年からポーランドAmmono社代理店として完全単結晶であるアモノサーマル法GaN基板を輸入販売している。 

もともと、CFのパワー半導体用SiCは、会社設立前の日曹商事時代、LED用GaN向けMOCVD基板として関心を持っていた。 1997年、ドイツErlangen大学からSiC基板メーカーSiCrystal社がstart-upしたニュースを聞きつけ総代理店契約を結んだのが、そもそものなれ初めであった。 当時、LED用基板としてSiCを使っていたのはドイツOsram社、米国Cree社だったが、日本では最大手の日亜化学以下、全てサファイア基板だった。 SiCのほうが高熱伝導性、GaNとの格子の整合性も高いのでLEDの高性能化、LDになれば、SiCが本命と信じ一生懸命開発した。 その頃、1999年頃だったか?部下を日亜化学時代の中村博士を訪問させ、何故、SiCを使わないのか?を議論させたこともあった。 丁度、日亜化学を退職されようとしていた時期であったが、中村博士がその部下に《近々、日亜化学を退職してアメリカに行くつもりだが、アメリカではSiCを使ってみようと思う。》と言われた報告を聞いて驚いたことを今でも覚えている。 その後、SiC基板はパワーデバイスとして大きく飛躍し始め、CFとしてもその方向に舵を切ったわけである。

当時、応用物理学会のセミナーなどで中村博士の講演を良く聞いた、また、日亜化学との裁判中の発言など、日本人離れした歯切れのよいお話に何時も感銘を受けた。 2002年に島津の田中博士がノーベル賞を受賞した時、あくまで控えめな会社人間の田中博士と日亜化学を告訴したaggressiveな中村博士が対比して議論された。 当時、多くの日本人は田中博士により好感を持ったようであったが、私はむしろ中村博士に共感を覚えると同時に日本人がドンドン国際的になり多様化していく事実に感銘を受けた。

最近の中村氏へのインタービューで、“研究の持続力”を聞かれ、“怒り”と答えたのに驚くと同時にうれしかった。 通常、人は栄冠を得ると若い頃のナイーブでシャープな感性が鈍り、穏やかになるものだが、我が中村博士は意気軒昂であった。

以上


10月12日 ブログ再開

2014-10-12 19:47:04 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

2012年12月29日の“キンドルを買いました”を最後に、約1年10か月ブログを閉じておりました。 理由は色々ありますが、仕事に追われて、ゆとりが無かった事が大きな理由です。 その間、世の流れ、私生活、会社経営などいろいろ目まぐるしく変遷がありましたが、2014年9月30日、70歳になったのを機にセラミックフォーラム㈱の代表取締役を退任しました。 2001年8月の創立以来13年13期の激務でした。 10月1日からは監査役兼技術顧問として週2日の非常勤勤務としました。 一方そうしたユックリした生活は怠惰に流されやすい、その歯止めとしてブログを再開することを決意した訳です。

既に引退した友人からは《お前のように、仕事しか趣味のない人間が会社辞めて毎日どう過ごすのか?退屈死するよ!》、《70歳は未だ若い、日本の少子高齢化対策のモデルとして死ぬまで働くべきだ!》、《セラミックフォーラムは我々引退組にとっては集まって歓談する良い拠点、貴君が社長で居ないと遊びに行きにくい。》とか色々言われたが、一度、決意すると止まらなくなりました。 それは、妄想のように浮かんでくる楽しい計画のせいです。

退任後、今日で2週間経過した。 実に期待通りのエキサイティングな日々だった。 もともと、引退したら、大学に戻って、経済、歴史、文学、芸術など、現役時代とは異なった世界を学びたいと思っていた。 但し、即、大学入学ともいかず、当面、ソフトランディングとして近くの大学の公開講座、新聞社や各種団体が主催するシンポジウム、美術館、博物館での芸術鑑賞を計画した。 その為、8月頃からインターネットや美術館、博物館でそうした企画の情報を集めた。 今、10月~11月のスケジュールはこれらの計画でいっぱいとなった。 以下は10月1日~11日の実績である。

 

            10月1日             出勤

              10月2日             午前;江戸TOKYO 技とテクノの融合展(東京国際フォーラム)

                                      午後;Business Social Communication Forum 2014 Autumn(ソラシティーホール/御茶ノ水)

              10月3日             午前;社用(たまプラザクリニック)

                                      午後;商社ビジネス最前線/商社とは何か?(東商ホール)

              10月4日             午前;須賀敦子の世界展(神奈川近代文学館)

                                      午後;公開講座(横浜市大/金沢八景)

              10月7日             出勤

              10月8日             午前;国学院大学博物館(渋谷)

                                      午後;社用(CEATEC/幕張メッセ)

              10月9日             出勤

              10月10日           午前;日経スマートシティーシンポジウム(早大大隈講堂)

                                       午後;社用(安全保障貿易情報センター/虎ノ門)

              10月11日            午前;公開講座(関東学院大学/金沢八景)

                                        午後;スイス使節団が見た幕末の日本(横浜開港資料館)

 

上のように東京、横浜を小まめに回っている。 有難いことに70歳以上のお蔭で、横浜市内の敬老特別乗車証を用い市内バス、地下鉄は無料。 また、美術館、博物館も無料もしくは割引が多い。

今後、このブログではこうした引退生活での老人の楽しみを日記代わりに伝えていきたいと思っている。

以上

 


12月29日  キンドルを買いました

2012-12-31 16:31:49 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

先々週12月16日~22日、チェコGlass Service社の営業会議、クリスマスパーティーに出席してきた。 もう10年近く続く恒例の行事。 出張前、何とか電子書籍を持参し、何時も四苦八苦する旅行中の書籍軽量化を図ろうとした。 安いアマゾンのKindle paperwhiteの購入を考え、手続きを進めたが、入荷は来年1月中旬との事。 慌ててチェコで会う連中にmailを送り、チェコでの購入を依頼したが、チェコでも1か月待ちとのこと。 結局、梅原猛著“葬られた王朝”とペーパーバックTom Clancy著“Locked On“を書店で購入すると同時に、来年1月中旬でも仕方がないとアマゾンでKindleの購入手続きを済ませ、成田を発った。 

 

<Tom Clancyの原著”Locked On”と日本語訳”ライアンの代価”>

  

 英和辞典片手の“Locked On”は中々進まなく、帰国後、数日たっても、まだ半分以上残っている。 書店では、もう、日本語訳の文庫本“ライアンの代価”が山積み。 旅行中、意味が分からなかったところを立ち読みして理解が出来た。

そうこうしていると、アマゾンよりKindleが12月27日に届けられるとの連絡が入り、無事、入手。 色々、try-and-errorをし、大体理解したところで、早速、上の“Locked On”をキンドル・ストアでdown-loadした。 価格は600円、その安さに驚いた。 書店で購入した本は約1500円だった。 さらに、現在、書店で並んでいる日本語の文庫本“ライアンの対価”は4巻もあり、1巻当たり620円なので、全部を購入すると約2500円。 なんと4分の一。 もう、書籍の形では買えない。 

<Kindle paperwhite>

 

さらに感激したのは辞書能力、無料でプログレッシブ英和中辞典が入っており、読書中、分からない単語を指で押すと、その日本語訳が直ぐに出てくる。 辞書片手に四苦八苦とはgood-bye、何と楽なことか! その上、軽い。

アマゾンが何故、世界で伸びたか?理解できた。 Face Book、Google、Appleと並ぶIT巨人。 これら全て試したことになるが、このKindleは最も衝撃的だった。 ディスプレーを含め、高性能とは思えないが、安さと便利さなどユーザーニーズをしっかり捕まえている。 アマゾンのビジネスモデルの凄さがやっと理解できた。 日本のメーカーに作らせたらもっと高性能な電子書籍に仕上げるだろうが、今の日本では、この安さと便利さのビジネスモデルを創造は出来ないだろうと、変に納得できた。

今回ではっきりした! 先ず海外書籍輸入業はなくなるだろう。 丸善、紀伊国屋の存在意義はない。 さらに、出版業、本屋も厳しい。 但し、装飾された本に郷愁は感ずるので、しばらくは持つだろうが、段々、ディスプレーで読む習慣がつくと、これも危ない。 アマゾンが出版社として、直接、作家から作品を購入し、電子書籍として販売する形は多くの中間マージン、広告費を節約できる。 中間搾取が減る分、作家にとってはHappyとなるだろう。

この未来像は決して他人事でない。 我々の輸入商社ビジネスも単純な中間搾取型では生きていけない。 存在意義、付加価値を如何つけるか?年末購入したKindleは色々、考えさせてくれた。 


12月2日  インフレ?デフレ?リフレ?

2012-12-02 10:57:59 | 自分のこと

セラミックフォーラム加藤です。

 

安倍のボンボンがインフレターゲットを言ったとたんに、日経平均の上昇、円安に動き始めた。 この発言の為か?どうか?分からないが、市場なんていい加減なもの。 さらに多くのエコノミストは同じ人間か?と思うほど、状況によってコロコロ意見を変える。 

<安倍のボンボンとインフレターゲット>

 

私見だが、日本のデフレはごく自然な現象と考えている。 変な経済対策(特に札の増刷やばら撒き)は、チョットした風邪に大袈裟な手術をしたり、抗生物質を打つようなもの。 時間と金の無駄使いとしか思えない。⇒こうした政策をリフレという

 

最近のシャープ、パナソニック、ソニーの業績悪化からも推定できることだが、彼らの目指した太陽電池、ディスプレ、LEDなどへの大幅投資は決して間違っていなかった。 確実に人類が必要とするもので、それらのマーケットは大幅に成長しているが、何故、彼らは大幅赤字か? 直接的には円高による価格競争力の低下もあるが、中国品など海外低価格品との戦いに敗れたと見る。 現在、それらの企業は生き残りをかけ、低賃金、低コストの海外への移転、リストラを試みている。 すなわち、低価格品への移行(デフレ)、低賃金への移行(デフレ)である。 それらのdriving forceは結局、中国などとの賃金格差、コスト差であり、デフレ現象は、そのギャップを埋める自然の流れ。 企業は生き抜くために、理性的で合理的な行動をとる。

 

問題は政治!! 国民に迎合するかのように、無理やりインフレをねつ造、札束をドンドン刷り、インフレターゲトを政府が決めるなんて全くナンセンス。 碁で言うと、局部戦に目を奪われ、全体布石を忘れ、気が付いたら大負けの典型。 しからば、賢明な施策とは何か?

 

ひとつは、デフレを健全な自然の流れとして、価格低下と年収低下を当然なものとして官民が冷静に、受け止める事だろう。 その過程として、ますます円高になり輸出力は落ち、不況は厳しくなるだろうが、徐々に中国品などとの価格差は解消され、本来、優れた日本製品の競争力は高まり、ある時点から反転すると確信する。 また、この間、つまらない景気刺激策ではなく、日本の潜在的な知的資源である女性、老人パワーが生かせる環境つくりを目指し、優れた日本の技術開発力を世界に発信できるようにglobal人材を育成していくべきだろう。 

 

一つのデフレ社会を想像してみた。 現在、私の事務所のあるお台場のレストランでは昼食に、ワンコインメニュー(500円)が人気。 これより高い店は閑古鳥。 20年前、神田でサラリーマンしていた時は、800円ランチと150円ドトールコーヒーで1,000円近く使うのが普通だった。 現在の為替レート(100円/€)で500円はパリでのランチ5€、同じレベルの食事は取れそうだ。 これが、10年後、デフレが進む日本ではランチが250円になり、欧州では健全な?インフレが進み、パリではランチが10€になったとする。 もし、為替がそのランチ価格を反映すると為替は25円/€と超円高。 その時、多くの生産拠点は海外にあるが、多くの日本人は海外で活躍するだろう。 


11月25日  企業の成長

2012-11-25 11:37:13 | 自分のこと

セラミックフォーラムの加藤です。

小なりといえども、我がセラミックフォーラムも株式会社。 設立11年が過ぎ、現在、12期目の4ヶ月が過ぎようとしている。 新聞をにぎわす成長企業とは縁遠いが、“石橋を叩いても渡らない”主義で微小ながら成長はしている。 特に自己資本率の向上、内部留保の拡大を念頭に入れている。 

 

最近のシャープ、パナソニック、ソニーなどの優等生企業が突然に落ち込む事態に、唖然としているが、あのエクセレントカンパニーが何故?との思いは強い。 株主資本主義のなか、エクセレントカンパニーはGNPの成長率よりも高い成長をする義務がある。 その為、大きく成長する分野に先行投資する必要がある。 特にIT関連の投資は商品ライフが短いだけに、ジェットコースタに乗ったように目まぐるしい変化に付いていかざるを得ない。 日本が得意だった長期経営戦略など吹っ飛んでしまう。 成長ジェットコースターのため、過大な投資をし、自己資本率を下げた上記3社はまさにこの被害者。

<シャープ、パナソニック、ソニー>

 

先日、自分が関係している分野であるが、典型的な衰退産業である日本の煉瓦会社の決算書を見て驚いた。 ほとんどの会社が売上では成長してないが、利益を上げ、自己資本率も70%近い会社が多かった。 

 

日経では200年企業、300年企業などを特集しているが、日本は世界でも突出して長寿命企業が多い。 つまらない成長神話に惑わされることなく堅実に経営している証でないか? 10数年前、付き合ったシリコンバレー半導体ベンチャーの経営者が『加藤信じられるか? 投資家は毎年30%以上の成長を期待しプレッシャーをかけてくる。 とてもやっていられない!』と疲れ切った表情でこぼしていたのが印象で気だった。

 

今回の選挙で自民党安倍氏は、金融緩和、円安誘導で高度成長よ!もう一度を唱えているが、とてもじゃないが、付き合いきれない。 

<安倍ぼんぼん>

 

会社経営で何時も念頭にあるのは、『弊社の存在意義はあるのか?どうか?』である。 成長が目的でない、存在意義のある仕事をしているのか?を常に自問自答しながら、欧州partner、顧客、社員、株主の最大happyを目指すべきと考えている。

 


11月19日  衆議院選挙

2012-11-19 11:18:48 | 自分のこと

セラミックフォーラムの加藤です。

先週14日、野田首相は16日の解散を宣告、そして16日に解散。 その後、維新の会と太陽との野合など話題に事かかない。

 

先週の東洋経済の特集は『解雇・失業』と生々しかった。 考えてみると政治家も今回の解散は『解雇・失業』、サラリーマンより厳しい。 彼らが右往左往するのも十分に理解できる。 

<東洋経済 11月17日号>

 

孤高に生きていく能力もないまま、おだてられ政治家道に踏み込んだのは良いが、4年過ぎると失業。 再度、選挙に当選すべき金を使い悪戦苦闘。 4年なんて直ぐに来る。 高邁な外交、経済なんて言っておれない、何としても4年後の当選を画策しなければならない。 悪い事にも手を染める。 政治家は刑務所の塀を走っている人種と言われるゆえん。

 

二世議員、官僚出身議員が増えるのは仕方がない。 でも、あの連中は平均的国民の実情を知らなさすぎる。 そういった意味では民主党に多い労組出身や農協出身者は、まだましか? 政治に一般人が参画するのは賛成だが、資産がしっかりしていないと金欲しさに不正に手を染めやすいのが実情。 ワタミの渡辺社長のように若い時代苦労し、財を成した人物が政治家になるのが合理的か? 

 

ともかく、12月4日の選挙結果は面白いだろう。 今朝の新聞(11月19日)には、自民25%、民主16&、維新+太陽15%と出ていたが、私のカンでは民主がトップに躍り出るとみている。 やはり、野田首相の“近いうち解散”は意味があったと思う。 また、思い起こすと、民主党らしく幼稚だったが、自民党時代、赤坂の料亭で密かに決められていた事をopenにしたことは評価できる。 


11月11日  ビジネスにおける信頼できる人間

2012-11-11 13:37:26 | 自分のこと

セラミックフォーラムの加藤です。

 

先週たまたま購入した日経ビジネス“Associe”12月号にあったサイバーエージェント藤田社長の『信頼できる人か?どうか?を見極める力をつける』という小文は面白かった。

<Associe 12月号>

 

ビジネスの相手が信頼できるか?できないか?を判断することは非常に重要。 彼によると“騙されやすいモード”に入ると騙されやすいと言う。 そのモードとは、欲が強く働いている時だという。 当たり前と言えば当たりまえ。 詐欺にかかる人は、少しでも儲けようと血眼になっている人。 仕事を大きくしたいと、急いで人材を求めれば食わせ者を雇用してしまう。

 

時間さえあれば相手を見抜くことは可能。 約束を守る人か?時間に遅れる事はないか?話を適当に受け流していないか?など見極めるチャンスはある。 

 

また、藤田社長の話で面白かったのは『裏切らない人を見極める方法』であった。 その肝は、その人に“失いたくないもの”があるか?どうか?を見ることだと言う。 大企業が一流大学出を雇用する理由の一つがこれだと言う。 激しい受験戦争を勝ち抜いて身につけた知識、学力、プライドはそう捨てきれないとのこと。 失うものがない人は怖いという。 面白い見方だ。

<サイバーエージェント㈱藤田社長>

 

私の付き合っているヨーロッパ中小メーカーの営業担当J氏は、一人で世界中を相手に製品を販売している。 彼に言わせると相手が信頼できる会社か?人か?を見極めることは非常に重要という。 何で判断するのか?と聞くと、商談しながら相手の目を見ると言う。 悪意がある人間、誠意のない人間は直ぐに分かるという。 彼と一緒に、国内外のビジンスマンと会うことが多いが、終了後、彼とビールを飲みながら、さっきの人は信頼できるか?否か?を議論するが、彼の意見と私の意見は良く一致する。 

 

彼のように目での即断はできないが、45年間のサラリーマン生活で養ったカンというか?相手の話し方、態度、雰囲気で判断している。

 

幸いなことに仕事上で大きく騙されたことはない。