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オレもどきの俺通信

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さらば石立鉄男

2007-06-08 19:46:13 | 芸能
 石立鉄男さん(64)動脈瘤で死去。

 子供の頃に慣れ親しんだ懐かしい俳優がまた一人いなくなっ
たのであった。
 その訃報に接したとき、やはり一抹の寂しさが去来するので
ある。

 とうとう石立ドラマは復活しないまま本人が亡くなってしま
い、永遠にあの世界は失われたのだった。
 あの、とは松木ひろしの描く今よりもゆるやかに時間が流れ
ていた時代のことである。
 携帯電話はもちろんプッシュホンさえまだ存在しなかった頃
の話だ。

 ところで、石立鉄男と言えば杉田かおるを「チー坊!」と呼ぶ
馬鹿の一つ覚えのようなモノマネが一世を風靡したが(ってそん
な大それたもんじゃないが)、俺的にいえば、「パパと呼ばない
で」はあんまり好みじゃなくて、ほとんど観てなかったことを告
白せねばならない。
 なんか、ちょっと貧乏臭い感じで俺が求めている世界とは違う
のだった。
 そうすると、「水もれ甲介」なんかも雑司が谷とか鬼子母神だ
とか、多少貧乏臭いテイストの町が舞台で、やはり俺的好みには
沿わないのであった。

 その点、俺の中ではいまだにこれを超えるホームコメディはな
いと思う「雑居時代」は世田谷の成城が舞台であり、昨今流行の
セレブなんて軽薄な言葉を嫌悪している俺も、何のことはない、
とんだ俗物じゃないかとこの駄文を綴りながら気がついたりする
のだった。
 突き詰めればお金持ちに憧れるただの小僧のなれの果てがこの
俺なのであった。

 石立鉄男を偲んで何か書こうとしたところが、思いがけない結
論に至ってしまうほど松木ドラマは素晴らしいということをどう
やら俺は言いたかったらしい(嘘だけど)。

 ここで、俺が好きだった石立鉄男という役者の実像に触れなけ
ればならないことは、あまり楽しいことではない。
 不良あがりという話は随分昔にも聞いたことがあるが、撮影に
遅刻した石立を咎めた藤竜也を殴ったりして段々仕事が無くなっ
ていた、とかあんまりいい話は聞こえてこないのである。
 子供の頃、俺の友だちも鬼子母神で水もれ甲介のロケをしてい
た石立にサインをもらおうとしたら、子供はあっちいけとケンも
ほろろに追っ払われたそうで、子供の夢はいとも容易く石立によ
って叩き壊されたのであった。

 まぁ、いろいろ毀誉褒貶はあろうが、役者としては充分魅力的
で、石立鉄男を思うとき俺はとてつもなくノスタルジックな気分
に陥るのである。

 最期は誰も知らないうちに息を引き取っていたということで、
古き良きドラマの舞台裏で主役は寂しく消えていったのであった。

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