goo blog サービス終了のお知らせ 
見出し画像

💠幸せ時間💠

❁この広い胸に抱かれて 12

アニーは午前中、エルロイから厳しい花嫁修行を受けた。
今日はビジネス界の社交の場でのマナーを学んだ。
アニーは心あらずといった感じで、エルロイに時々叱られた。

昼食を摂った後、すぐキャンディの部屋を訪れた。

キャンディは目を覚ましていた。メイドが体を拭いた後、ネグリジェに着替えさせている所だった。

胸元にレースの装飾が控えめにある水色のネグリジェだった。

その間、アニーは温かいスープをもらいに自ら厨房へ行った。

それを持ち運んだ後、キャンディに飲ませた。

「厨房でね、ジョーっていう見習いの男の子がキャンディのことを心配していたわよ」

キャンディは苦笑いした。

何か言いたげな目で見つめるアニーに気付き、「どうかしたの?」とキャンディは尋ねた。

意を決してアニーは口を開いた。

「うん、あのね。この間アルバートさんとパティが一緒にいる所を見たわ。キャンディも見たんじゃないかと思って…」

キャンディはしばらく黙っていたが、昔から感が鋭いアニーには隠し通せないと思った。

「ええ。見たわ。休日出勤から帰って、客間の近くを通った時ドアが開いていたの。
アルバートさんとパティは何か話していて、「愛しています。これからもずっと」と言うパティの声がして、アルバートさんはパティを抱きしめたの」

キャンディは下を向きながら言った。

「ええっ?パティがアルバートさんに告白!? それで、アルバートさんが抱きしめたってことは…やっぱり、そういうことなのね!

アニーは驚くと同時に、疑惑は本当だったと思った。

アニーの表情は険しくなり、そして興奮ぎみに続けて言った。

「アルバートさんはキャンディに甘すぎるくらい優しかったじゃない。だから、てっきり愛しているんだと思っていたわ。
このミントグリーンのお部屋を作って、キャンディにここで暮らすように言われたわね。
ポニーの家の子どもたちやシスターたちを、この家に招待してくれたこともあった。私も本当に嬉しかったわ。
それに……そうそう、馬を2頭も買い戻してくれたわね。キャンディの友達のシーザーとクレオパトラだったかしら?
もう、やり過ぎなくらい。

「養女だから…じゃない?」
キャンディは力なくそう呟いた。


続く

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「二次小説」カテゴリーもっと見る