
○引き続き、フランスのクラリネット奏者、ユリス・ドレクリューズの録音を取り上げようと思います。彼は1925~1948にギャルド・レピュブリケーヌのソリストを務めた、と先回書きました。1929年録音のウェーバーの小協奏曲(clarinet classics)はギャルドをバックに複数のクラリネットがでソロを吹きますが、このうちの一人がドレクリューズだったかもしれません。
○ドレクリューズが遺したモーツァルトの録音は、私の知る限り、2種類です。
すなわち、KV622の協奏曲とKV452のピアノ5重奏です。KV581を録音したという話を彼に限っては聞いたことがありません。不思議な事です。
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①Les Rarissimes de Fernand Oubradous / 仏EMI 2CD / 1952rec / mono
Concerto pour clarinette K.622 (Mozart)
・Ulysse Delecluse(cl) / Fernand Oubradous(cond)
・パリ室内楽協会付室内交響楽団(←私の適当訳)
LP時代、仏pathe社から発売された録音。クラリネットはLPの音と比べるとやや薄手に聴こえるものの、堂々とした演奏。ドレクリューズは1951年、この協奏曲を吹くためにザルツブルク音楽祭に招かれますが、翌年のこの録音では彼の、冴えた技巧が味わえます。私の感想で言うと、エティエンヌの同曲の演奏と似た雰囲気を持っていると思います。エティエンヌの、時にやりすぎになるのも辞さないようなフォルテと比べて、ドレクリューズにはより洗練があるように思います。終楽章の「ラドソドファドミド…」のパッセージをこれ程の確信を持って一弓で吹ききった演奏を私は他に知りません。
※ちなみにこの2枚組の1枚目は兵士の物語なのですが、兵士役の声優の名前が「Michel Auclair」(!)誤植かと思いましたが、かのヴィオリニストとは同名のフランスの俳優だそうです。(クラリネットはピエール・ルフェヴュール)
※その他の併録は、ルシアン・テヴェのホルン協奏曲3番、ピエール・デル・ヴェスコヴォのホルン協奏曲2番(共にモーツァルト)、ランパルのフルート協奏曲(グレトリ)。
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②"Dans un bois solitaire…" / 仏Alpha800 / 1948rec / mono
Quintette pour piano, hautbois, clarinette, cor&basson KV.452 (Mozart)
・Pierre Pierlot(hb)
・Ulysse Delecluse(cl)
・Jean Devemy(cor)
・Maurice Allard(bs)
・Yvette Grimaud(p)
このピアノ5重奏曲はモーツァルトの自信作だったようです。この演奏は、管楽器に第一流のソリストたちを集めていますが、おれがおれが式の演奏には陥っていません。彼らの緊密なアンサンブルは、精巧さを誇るだけでなく、それを超えて有機的な錬成を見せているように感じます。ピアノのイヴェット・グリモーのピアノの美しさは特筆すべきもので、管楽器群を統率しながら、その中に自然に溶け込んでいます。この曲のクラリネットは、オーボエに主役を譲りますが、その中でクラリネットがパッとメロディーを持つところなど、ドレクリューズは本当に美しく吹いており、2楽章のオーボエと対話しながら旋律線を歌っていくところのレガートなど、息が止まってしまいそうです。
併録は、ピエルロ、ルフェヴュール、ドゥヴェミ、アラールの協奏交響曲(Mozart)
ピエルロ / コンセール・ラムルーのオーボエ協奏曲(Mozart)、そしてあの大ヨアヒムの孫娘、イレーネ・ヨアヒムが歌うモーツァルトの歌曲3つ。ピエルロの協奏曲は後年のパイヤール盤よりも更に軽やかな素晴らしい演奏です。
ちなみに、ライナーノーツによりますと、Alphaのヒストリカルシリーズである"Pecheurs de perle"は「ギャルドの名奏者達」という企画を用意しているらしく、これはそろそろ発売されるのではないかと思われます。これに何が収録されるのか、ドレクリューズファンには楽しみな一枚です。
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ドレクリューズその③では、ブラームスの5重奏曲、大変珍しいプロコフィエフの5重奏曲を取り上げたいと思います。
○ドレクリューズが遺したモーツァルトの録音は、私の知る限り、2種類です。
すなわち、KV622の協奏曲とKV452のピアノ5重奏です。KV581を録音したという話を彼に限っては聞いたことがありません。不思議な事です。
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①Les Rarissimes de Fernand Oubradous / 仏EMI 2CD / 1952rec / mono
Concerto pour clarinette K.622 (Mozart)
・Ulysse Delecluse(cl) / Fernand Oubradous(cond)
・パリ室内楽協会付室内交響楽団(←私の適当訳)
LP時代、仏pathe社から発売された録音。クラリネットはLPの音と比べるとやや薄手に聴こえるものの、堂々とした演奏。ドレクリューズは1951年、この協奏曲を吹くためにザルツブルク音楽祭に招かれますが、翌年のこの録音では彼の、冴えた技巧が味わえます。私の感想で言うと、エティエンヌの同曲の演奏と似た雰囲気を持っていると思います。エティエンヌの、時にやりすぎになるのも辞さないようなフォルテと比べて、ドレクリューズにはより洗練があるように思います。終楽章の「ラドソドファドミド…」のパッセージをこれ程の確信を持って一弓で吹ききった演奏を私は他に知りません。
※ちなみにこの2枚組の1枚目は兵士の物語なのですが、兵士役の声優の名前が「Michel Auclair」(!)誤植かと思いましたが、かのヴィオリニストとは同名のフランスの俳優だそうです。(クラリネットはピエール・ルフェヴュール)
※その他の併録は、ルシアン・テヴェのホルン協奏曲3番、ピエール・デル・ヴェスコヴォのホルン協奏曲2番(共にモーツァルト)、ランパルのフルート協奏曲(グレトリ)。
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②"Dans un bois solitaire…" / 仏Alpha800 / 1948rec / mono
Quintette pour piano, hautbois, clarinette, cor&basson KV.452 (Mozart)
・Pierre Pierlot(hb)
・Ulysse Delecluse(cl)
・Jean Devemy(cor)
・Maurice Allard(bs)
・Yvette Grimaud(p)
このピアノ5重奏曲はモーツァルトの自信作だったようです。この演奏は、管楽器に第一流のソリストたちを集めていますが、おれがおれが式の演奏には陥っていません。彼らの緊密なアンサンブルは、精巧さを誇るだけでなく、それを超えて有機的な錬成を見せているように感じます。ピアノのイヴェット・グリモーのピアノの美しさは特筆すべきもので、管楽器群を統率しながら、その中に自然に溶け込んでいます。この曲のクラリネットは、オーボエに主役を譲りますが、その中でクラリネットがパッとメロディーを持つところなど、ドレクリューズは本当に美しく吹いており、2楽章のオーボエと対話しながら旋律線を歌っていくところのレガートなど、息が止まってしまいそうです。
併録は、ピエルロ、ルフェヴュール、ドゥヴェミ、アラールの協奏交響曲(Mozart)
ピエルロ / コンセール・ラムルーのオーボエ協奏曲(Mozart)、そしてあの大ヨアヒムの孫娘、イレーネ・ヨアヒムが歌うモーツァルトの歌曲3つ。ピエルロの協奏曲は後年のパイヤール盤よりも更に軽やかな素晴らしい演奏です。
ちなみに、ライナーノーツによりますと、Alphaのヒストリカルシリーズである"Pecheurs de perle"は「ギャルドの名奏者達」という企画を用意しているらしく、これはそろそろ発売されるのではないかと思われます。これに何が収録されるのか、ドレクリューズファンには楽しみな一枚です。
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ドレクリューズその③では、ブラームスの5重奏曲、大変珍しいプロコフィエフの5重奏曲を取り上げたいと思います。
ドレクリューズについて書かれたブログがあるなんて大興奮です。しかも、カユザックやペリエの名前まで挙がっていて、幸せなことこの上ありません。これからも素晴らしい記事をアップし続けてられることを楽しみにしています。
こちらこそ、コメントを頂き、大興奮です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。