ニュートン別冊 現体と病気の科学知識 新装版

40人の医師・専門家が教える

　私たちの体内では，さまざまな臓器が日々はたらいています。しかし，そのシステムがときに不調をきたし，思わぬ病気になることもあります。また，夜更かしや食べ過ぎなどの不摂生によって，体の調子が悪くなることは，だれにでもあることでしょう。こうした不調がつづくと，重い病気につながるおそれがあります。
　本書は多くの人が悩むさまざまな病気や不調のしくみと，その治療法を解説した，Newton別冊『体と病気の科学知識』の新装版です。血行とアンチエイジング，抗生物質の正しい知識など，新たな話題を収録し，それ以外のテーマについても，研究の進展にもとづき大幅に内容をアップデートしています。
　本書が，病気とのかしこいつきあい方を知る一助となれば幸いです。


CONTENTS
１　臓器のしくみと病気
心臓のしくみ
主な心臓の病気
心臓病の治療法
胃腸のしくみ
主な胃腸の病気
胃がんの治療法
肝臓のしくみ
主な肝臓の病気
肝臓の病気の治療法
肺のしくみ
主な肺の病気
肺の病気の治療法
免疫のしくみ
主な免疫の病気
免疫の病気の治療法
脳のしくみ
主な脳の病気
脳の病気の治療法

２　身近な病気
アレルギーの正体
　アレルギーのメカニズム
　衛生仮説
　アレルギーと腸内環境
　アレルギーと自己免疫疾患
体を脅かすウイルスたち
　インフルエンザウイルス
　ノロウイルス
　ＨＩＶ/ＨＴＬＶ-１
　ウイルスへの“反撃”

抗生物質の正しい知識
頭痛に悩んでいませんか?
あなたの胃腸は大丈夫?
歯周病が全身を脅かす
知っておきたい腰痛の知識

３　日頃の不調
血行の科学知識
　動脈血と静脈血
　心拍と血圧
　血管年齢
　毛細血管
　脳血流
　老化・若返りと血管
痛みのサイエンス
疲れに悩んでいませんか？
体内時計が睡眠を左右する
日本人は肥満にご用心
薬の危険な飲み合わせ

４　がんと最新医療
「がん細胞」とはどんな細胞か？
痛みやつらさを克服する最先端治療
分子をデザインしてがんにいどむ
がん免疫療法とは何か
科学的に有効な「がん検診」とは?
アルツハイマー病最新研究
遺伝子のON/OFFを操る新医療

ニュートン別冊 死とは何か

死ぬとき，私たちの体に何が起きているのか
死とは何か

　この世に生まれてきたものがみな，さけられない宿命が「死」です。そして，死にいたる過程に「老化」があります。
　年をとると，外見，健康，体力，記憶力などさまざまなところに変化があらわれてきます。いったい，このような老化現象は，なぜ生じるのでしょう。老化現象とうまくつきあう方法はあるのでしょうか。
　老化の先にある死は，生きている人間がだれも経験したことがない未知の世界です。生から死へとうつりかわるとき，体や意識には，いったいどのような変化が訪れるのでしょうか。
　本書は，人類の永遠のテーマともいえる「老化」，「死」，「寿命」について，徹底紹介した一冊です。ぜひご一読ください。


CONTENTS
１　老化のしくみ
脳の老化
体の動きの老化
視力の老化
筋肉の老化
骨の老化
皮膚の老化
髪の老化
体型の老化
生殖の老化
細胞の老化

２　生と死の境界線
生と死
心停止
植物状態
閉じこめ症候群
脳死
神経細胞の死
臓器・細胞の死
臨終直前の回復
臨死体験
最後の脳信号
生死の境
生と死のちがい
コラム　一切の生命活動を停止できる生物「クマムシ」の秘密とは？
３　寿命の不思議
細胞の２種類の死
細胞の自殺
がんと細胞死
アルツハイマー病と細胞死
無性生殖と有性生殖
死と性
原始的な死
植物と死
ＤＮＡの傷
進化
寿命の長さ
寿命の限界

エピローグ
インタビュー 養老孟司 博士
死は科学で定義できない，社会に存在するものだ
インタビュー 島薗 進 教授
現代社会は，「生と死」についての考え方をどうかえていったのか