間もなく12月。ふと街中で足を止めると、さまざまなイルミネーションが街を彩っていることに気が付かされるますが、キラキラした光を写真に残しておこうとカメラを向けても、意外に、その“キラキラ感”が残せないものです。
【拡大写真や他の紹介写真】
今日から始めるデジカメ撮影術では「イルミネーションと人物」を掲載しましたが、デジカメ「超」基礎解説では番外編として、風景としてのイルミネーションを「キラキラ」に撮ることを考えたいと思います。
まずカメラを何も考えずにオートモードでイルミネーションへ向けてみましょう。最近のカメラはシーン認識機能を搭載してる製品が多く、暗い場所では明るく、ブレを発生させないようにカメラが自動的に設定を行ってくれます。具体的にはISO感度を上げ、シャッタースピードを稼ぐ――裏面照射CMOSを搭載した製品ならば連写と合成による暗部ノイズ低減を行う製品もあるでしょう――のですが、そうなると、写真の手ブレは抑えられますが、キラキラした感じには乏しくなりがちです。
シャッタースピードをある程度まで落として露光時間を延ばせば(コンパクトデジカメならマニュアル露出で。手持ちの撮影で手ブレしないで撮れるのはだいたい1/30秒ぐらいでしょうか)、イルミネーションの光源がほわんと柔らかい感じになります。オートでの撮影に比べると雰囲気のある写真になりますが、それでも肉眼で感じる、“キラキラ”した感じにはちょっと違う仕上がりになります。
そこで活用したいのが被写体ボケです。アングルが限定されてしまいますが、街路樹やベンチなどを手前にしてそれらにピントを合わせ、その後ろにイルミネーションという構図で撮影すると、後ボケがイルミネーションのきらびやかさを作り出してくれます。
前述したようアングルが限られるほか、被写体深度の深い(ピントのあって見える範囲が広い)コンパクトデジカメではそもそも利用できないことも多いのでほぼデジタル一眼での撮影テクニックと言えますが、単純にカメラを向けてオート撮影するよりも手軽にキラキラ感を作り出せます(被写体深度とボケについてはデジカメ「超」基礎解説:絞りとシャッタースピードの関係を理解するをご覧ください)。
ちなみに、このように点光源をボケさせる際には、絞りを開ければボケが大きくなり、閉じれば小さくなることを覚えておきましょう。
三脚と(できればレリーズも)用意して長時間露光を行えばさらに雰囲気のある写真を撮ることが可能となりますが、もっと手軽に華やかさが欲しいときに導入を検討したいのが「クロスフィルター」です。これはレンズ前面に取り付けるフィルターで、表面に細い溝が刻まれており、光源に向けると光源を中心とした光筋が表れます。光が4方向に伸びるもののほか、6方向あるいは8方向に伸びるもの、光の伸びる角度を調整できるものもあります。
レンズ前面に装着するというアイテムのため、ほぼデジタル一眼での利用に限られてしまいますが、その効果は非常に高く、カメラを向けるだけですべての光がキラキラした写りに早変わりします。ややもすると効果が強すぎるために使いどころを選ぶアイテムとも言えますが、いわゆる標準ズームレンズ用ならば1000~3000円程度と手ごろな値段で販売されているので、これからの時期、1枚持っておくといいかもしれません。
(デジカメプラス)
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まずカメラを何も考えずにオートモードでイルミネーションへ向けてみましょう。最近のカメラはシーン認識機能を搭載してる製品が多く、暗い場所では明るく、ブレを発生させないようにカメラが自動的に設定を行ってくれます。具体的にはISO感度を上げ、シャッタースピードを稼ぐ――裏面照射CMOSを搭載した製品ならば連写と合成による暗部ノイズ低減を行う製品もあるでしょう――のですが、そうなると、写真の手ブレは抑えられますが、キラキラした感じには乏しくなりがちです。
シャッタースピードをある程度まで落として露光時間を延ばせば(コンパクトデジカメならマニュアル露出で。手持ちの撮影で手ブレしないで撮れるのはだいたい1/30秒ぐらいでしょうか)、イルミネーションの光源がほわんと柔らかい感じになります。オートでの撮影に比べると雰囲気のある写真になりますが、それでも肉眼で感じる、“キラキラ”した感じにはちょっと違う仕上がりになります。
そこで活用したいのが被写体ボケです。アングルが限定されてしまいますが、街路樹やベンチなどを手前にしてそれらにピントを合わせ、その後ろにイルミネーションという構図で撮影すると、後ボケがイルミネーションのきらびやかさを作り出してくれます。
前述したようアングルが限られるほか、被写体深度の深い(ピントのあって見える範囲が広い)コンパクトデジカメではそもそも利用できないことも多いのでほぼデジタル一眼での撮影テクニックと言えますが、単純にカメラを向けてオート撮影するよりも手軽にキラキラ感を作り出せます(被写体深度とボケについてはデジカメ「超」基礎解説:絞りとシャッタースピードの関係を理解するをご覧ください)。
ちなみに、このように点光源をボケさせる際には、絞りを開ければボケが大きくなり、閉じれば小さくなることを覚えておきましょう。
三脚と(できればレリーズも)用意して長時間露光を行えばさらに雰囲気のある写真を撮ることが可能となりますが、もっと手軽に華やかさが欲しいときに導入を検討したいのが「クロスフィルター」です。これはレンズ前面に取り付けるフィルターで、表面に細い溝が刻まれており、光源に向けると光源を中心とした光筋が表れます。光が4方向に伸びるもののほか、6方向あるいは8方向に伸びるもの、光の伸びる角度を調整できるものもあります。
レンズ前面に装着するというアイテムのため、ほぼデジタル一眼での利用に限られてしまいますが、その効果は非常に高く、カメラを向けるだけですべての光がキラキラした写りに早変わりします。ややもすると効果が強すぎるために使いどころを選ぶアイテムとも言えますが、いわゆる標準ズームレンズ用ならば1000~3000円程度と手ごろな値段で販売されているので、これからの時期、1枚持っておくといいかもしれません。
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