マルシェル出品作品、『旅異形#1』についての小話です。
(枠をはずすと、こんなかんじ。)
実は、一点ものの作品の販売というのをほとんどしたことがなく。
作者の手を離れ、ほかの人の手元に届く作品ってどうしたらいいかなあと考えた結果、旅というのをテーマにしたらたのしいんじゃあないかという結論に至りました。
#1、モチーフはミノムシです。
いや、正確には、「ミノムシっぽい何かしら」なんですが。自分の作品に登場するいきものは、ほとんど架空の存在たちです。よくわからないヤツがすきです。
普段は、お仕事含め、デジタルで、PCのなかで制作することが多く、実は物理的な形として存在する作品というのは、あまり数がありません。
ここで考えていかなくてはならないのは、制作の材料、『素材』のことで、とりわけこの質感がすきだとかいうものもないわけですから、まずそこからあれこれと探すことになるのです。
ミノムシというのは、たとえば人間が折り紙を与えればそれでみのをつくるし、生息環境の周辺になにが落ちているかによって姿かたちが変わってゆきます。
どういうことかというと、つまりそれって、制作する上での初歩的な考え方と似ていて、あーいいなと思った素材をとりあえず使ってみよということです。
自分は、あまり頭がよくないんで、あれやこれやとゴールを設定し、それに至るまでの道筋を計算してなにかをつくるのが心底苦手です。いつもどこかしらで偶然の奇跡みたいなものが起こり、「これいいじゃん」となって進路が二転三転もするわけですね。
もちろん、おおまかな完成予想的なものはするのですけど、偶然性や、素材の性質にまかせ、半ばそれに流されるようなものづくりは、けっこう楽しいんじゃあないか。
・・・というようなことを思考しながらつくりました。
よければ、見ていってくださいね。
お気に召しましたら、ぜひ、お手元に置いてやってください。