「僕の好きな人が、よく眠れますように」

恋をしたくなる小説に，はじめて出会いました。
１時間で読めます。最高に遅い人でも多分３時間で読めます。
もし１日かかるとしても、読んだ方がいいです。


「僕の好きな人が、よく眠れますように」中村航、2008年
角川文庫

『「こんなに人を好きになったのは生まれて初めて。」東京の理系大学で研
　究を続ける大学院生の僕の前に、運命の人が現れた。春、北海道からゲス
　ト研究員でやって来た斉藤恵ーめぐ。だが直後の懇親会で、彼女はある事
　情から誰ともつきあえないことを知る。やがて日夜研究を続けて一緒に過
　ごすうちに、僕はめぐへの思いを募らせ、遂に許されない関係に踏み出し
　てしまった。お互いに幸福と不安を噛みしめる２人の恋の行方は？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文庫裏表紙より）』

と、あらすじでは思わせぶりに隠してありますが、別に言ってもいいと思うので言いますが、
彼女には北海道でお留守番しているだんなさんがいるのです。
そんな，ほぼ叶わぬ恋なのに，こんなに可愛くてこんなに幸せでこんなにピュアな小説って・・
・・ああ，中村さんは神なんですかね・・。笑


本屋さんで平積みしてあって、恋愛小説か～たまにはいいよね。って感じで、
なんとなく（「あ、成宮くんが帯のコメントしてる」とかそんな。）手にとり開いて、
そのまま数ページ読んでしまいまして。
最初から二人の軽快な学生らしい会話が始まって楽しくて、彼女の秘密が出てきたあたりまで立ち読んでしまいました。
彼女が人妻ってとこで「そうきたかー」と思ったのですけど、これは続きの会話も聞きたいな～って思って買いました。
そのぐらい、二人の会話や僕(山田くん)の独り言がカワイくて楽しくてちょっぴり切ないのです。

でもさ、最初は面白くてもさ、どーせ薄っぺらいんだろうな。
500円の価値も感じられないつまんない話なんでしょどーせ。←

と、私はどうも現代恋愛小説に若干偏見を持っているようで、期待は全くしていませんでした。
しないようにしていたって言った方がいいかもしれませんね。
本が薄かったから買うに至ったのです。


でもすごくよかった。読んでよかったです。
一点の穢れもない。ほんとそんな感じ。

なんでしょうね。あかぬけきった北川悦○子とか、やらしくない山○詠美とかみたいな？笑

「好き」って言いあうラリー，せつなかわいいっっ

表面上は、ほんとにただのバカップルなんです。幸せいっぱい。二人の世界。
でも表には出て来ないけれど、彼女にだんなさんがいるという大きな障害があるため、ちょうどよい深さが生まれる。
二人ともとっても純粋に恋をしていて、物語もとっても純粋にそれを写してくれています。
全部がすごくシンプルなんですが、それがとてもいい。
山田くんの悩み相談相手である木戸さんも、山田くんの妹もいい出方をする。

最後まで、とてもいい。

続編が読みたい気もするけど、続編があったら私は怒ります。笑
妹ちゃんver.の話があったら読んでみたいな。



↓ブログラムに参加してます。
　応援クリックいただけると嬉しいですっ。
　+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜


＊恐れ入りますが，コメントいただける際には，
"＞"と"＜"の半角は使われないようお願いいたします。
(途中で切れてしまいます！全角なら大丈夫です。)




＞画像　　山田くんなイメージ
　　　　　gooツール。