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侏儒のつれづれ

箱根周辺や鎌倉辺りを逍遙しています

ベルナール・ビュフェ美術館へ

2012-05-24 08:19:20 | 趣味

     
    キリストの笞刑

 若いときからファンだった画家のベルナール・ビュフェの美術館が、5月9日から新築のために一年間休館と言うことで、行こう行こうと思いつつその機会が無くて、とうとう休館前日の8日の日にようやく駆け込みで行ってきました。
 この美術館はビュフェの画風に心をうたれたスルガ銀行頭取(当時)の岡野喜一郎氏が1973年にオープンした美術館で、現在では所蔵作品も1000点を超える世界最多の規模でビュフェ愛好家にはたまらない美術館となっています。
 黒と白を基調とした翳りを感じさせるモノトーンと、対象を縦、横、斜めに走る直線で切り取る鋭い感覚が私には魅力となっています。
 私が始めてここを訪れたのはオープン間もない時で、その頃はこの美術館と隣の井上靖文学館とがポツンと建っていただけのように覚えています。が、今ではクレマチスの丘と名付けられた広大な自然公園となっていて、園内巡回のシャトルバスとか、JRの三島駅からの無料シャトルバスも出ているほどです。
 ただ、私もたびたび訪れてはいても、園内を散策したことはまだ一度もありません。いつも今度こそとは思っても美術館を一回りするとグッタリと疲れてしまい、傍らの喫茶室で「京都の玉屋さんの」とメニュウに書いてあるコーヒーでひと休み、で終わっています。従って、お隣の井上靖文学館も最初の時に訪ねたきりで、それから40年近い月日が経っているのに申し訳ありませんが一度もリピートしていません。

 来年の今頃にどんな姿で新装オープンして呉れるのか楽しみです。その上、私がよく行く箱根の小湧谷温泉にも来春民営では国内最大と称する「岡田美術館」も誕生予定ですし、来年は絵の鑑賞で至福の時に恵まれそうです。

 

      
    ボゥリューの眺め

                   
                   バラ色の帽子の女

      
       サン=ジェルマン=デ=プレ

 

 

 


映画 「アーティスト」を観て

2012-04-18 10:17:01 | 趣味



 先日、アカデミー賞受賞の「アーティスト」を観てきました。久しぶりに本場もののハリウッド映画の楽しさを味わった感じです。ただし、映画そのものはフランスの作品ですが…。最近のワイヤー吊りやCG、3Dに辟易している方々には必見だと思います。
 オールドファンは「ライムライト」や「サンセット大通り」などをチョット思い浮かべながらでしょうし、時にはジーン・ケリーやフレッド・アステアのタップも思い起こしたりのひと時にもなるのではないでしょうか。私としては、上から階段を降りてくる過去の時代の男優と下から階段を上がって来た新人女優との行き違う階段の場面が素晴らしく印象に残っています。あの階段のシーンは二人の立ち位置を象徴するに相応しい良いシーンだと思います。
 それと、とかく重苦しく、やり切れない気持ちになりがちな場面に現れるワンちゃんのアギーの活躍はまさに一服の清涼剤で、観ていてホットさせられます。CM用に訓練されたワンちゃんとのことですがまさに名演技を見せてくれます。
 ところで、この映画の本当の主役は私は「描きホクロ(beauty spot)」ではなかろうかと観ていて思いました。ジョン・ヴァレンタインが口元に描いてくれたホクロをペピー・ミラーが有名になってもずーと描き続けたあのホクロにはヴァレンタインへのミラーの心情がしっかりと表れているように思われました。いかにも無声映画らしい表現だなと思えました。

 そのうえ、白黒で無声映画なので一つ一つの場面で私の想像力がフル回転させられて、そう言う意味でも大変楽しい映画でした。
 何はともあれ映画ファンにはお薦めの一編です。