<FanFicNovel : Another Route 5-3 : No More Sudden Death QTE and LAME Romance in Games! : RE4>
※独自設定 ※オリキャラ ※特定のキャラの悪口
崩れた廃墟にて、レオンの疲労を感じ取った戦乙女クーラが彼から離れて実体化した。
「レオン、ここから西に壊れた自販機があるけど、行ってみる?」
レオンが答える間もなく、二人の背後で何かが素早く動いた。怪訝に思ったクーラが振り返る前に、背中に何かがぶつかってきてかっさらわれた。
「クーラ!」
その大きな影は野営地の段差の上に跳び上がった。レオンの予想通り、それは見慣れた軍人の姿だった。彼はゆっくりと振り向き、レオンを見下ろした。
「同僚……、こんな秘密兵器を隠していたとはな」
左腕に抱えた乙女の髪をなでるクラウザー。クーラはもがくが、鍛え上げられた鋼鉄の筋肉はびくともしない。それに中に寄生虫がいるのが分かる。雑魚とは違う強力な、硬い、既に宿主の血肉と融合し凶悪な兵器となった支配種プラーガが。怖い。
クーラはエナジー化して抜け出すことも考えたが、ある不安が脳裏をよぎった。ガナード(ゾンビと呼ぶとレオンは何度も違うと言い張った)は人間を襲う。食らいたがる。それはプラーガが食品よりも人間を欲するということだ。その方が栄養になる。エナジーになる。吸収したがっている? するとここでエナジー化するとクラウザーに取り込まれてしまう? 逡巡している間に下からレオンの声が飛んでくる。
「クラウザー! 彼女を放せ!」
「フン」
クラウザーの大きな手がクーラの耳と頬を意外に優しく包み込む。
「ヴァルキリーか。アカデミーが作り出した超生物、それがなぜ合衆国の犬に協力している?」
クラウザーはアカシックアカデミーと合衆国政府および軍のつながりを全く知らない訳ではなかった。重要な任務には(危険な、ではなく)協力を要請することもある。勿論、彼のような下端兵士がそんなサーヴィスを受けたことは無かったが。……レオンには付けられたのか。
「それが任務だからよ。おかしい?」
クーラはレオンに話していない裏目的の他に、自分にも明かされていないアカデミーの目的があると感づいてはいるが、今ここで疑念を挟みたくなかった。またレオンが口を挟む。
「クラウザー、女の子が嫌がっている時は放してやれ」
「お守りがいなくて寂しいか。今の状態がお前の本当の実力ということだな」
クラウザーの右手にナイフが光った直後、彼はクーラを抱えたまま跳躍し、レオンの目の前に降り立った。
Knife Fight! Go!
Leon can’t use his knife nor weapons.
(QTE + QTE + QTE) ×10~ !!!!!!!!!!
This fight turned out to be unpopular among players.
連続攻撃を避けつつ、じりじりと追い詰められるレオン。もう逃げ場が無いかと思ったところ、クラウザーのナイフが弾き飛ばされて地面に転がった。後方を仰ぎ見るクラウザーの目の先には、あの邪魔臭い中国婆の姿が。
「ドブネズミが……、やはりそういうことだったか」
いい女気取り厚化粧汚婆はライフルを収め、サンプルをクラウザーに見えるようにかざす。「これは私が回収したわ。報告するならすれば?」とでも言う風に。そして素早く消えた。
クーラはクラウザーが優遇枠過干渉婆に気を取られている隙に逃れ出てエナジー化し、レオンに吸収されるように同化した。レオンはクラウザーの口ぶりから、誰の助けなのか何となく察しがついた。クラウザーはレオンの優先順位を下げ、「命拾いしたな」と閃光弾を転がし、眩しい光とともに消えた。
「クーラ、大丈夫か」
「大丈夫。レオンの方が心配だった。あんた心臓にナイフ一撃で死ぬから」
「てことは、俺の身体ではご不満か?」
これでこのシーンは終わり。レオンはいつもカッコイイこと言ったつもりで滑る。彼女は零れ落ちた台詞と共に彼の中にいる。「レオン、あんた私をあいつに渡すのは平気なの?」