奥日光で夏のウソに出会う

7月に入ってから、標高の高いところでしか鳥を見ていない。
お世話になっているLINEグループでは、諸先輩方が日中の田んぼでシギチを観察していたり、出会った虫や花の写真を投稿しあっていたり、酷暑をものともせず楽しんでいて頭が下がる。
こちとら筋金入りのインドアをこじらせて長年リモートワークをやっているくらいなので、とてもとてもマネができない。

ということで、また標高を上げて奥日光・戦場ヶ原へ。少しずつ日の出の時刻も遅くなっている。
いろは坂の途中で東の方角を見ると、雲海っぽくなっていた。

赤沼駐車場には5時着。前回はド平日だったこともあって駐車場一番乗りだったけど、さすがにお盆休みだけあって数台の車が先に停まっていた。

4月から有料になったんだけど、駐車料金を支払う機械のまわりにシジュウカラが飛び交っている。
その上の電線にキセキレイ。まだ子どもかな。

夏はやはり幼鳥が目立つ。おなじみシジュウカラ。

台風が近づいているせいか、さすがの戦場ヶ原も湿度が高い。
ワタスゲデッキから見ると、霧の向こうはほぼあの世（笑）
あちこちからホオアカの声がするけれど、見つけられたのは遠い遠い1羽だけ。でもよかった。

お目々まん丸なのでコサメビタキ？と思ったけれど、どうやらキビタキの幼鳥みたい。

前回に続いて多かったのがビンズイ。
やっぱりどの個体もあまり人を怖がらない様子で、1〜2ｍ先の木道の上を平気でスタスタ歩いている。
追いかけっこ状態で飛び回り、枝にとまって休憩する様子もよく見られた。

湯川には繁殖羽がなくなってしまったマガモとオシドリ。
オシドリは水面からジャンプして、とまっているトンボを食べようとしていた。
アキアカネがたくさん飛んでいたけど、他の小鳥たちも結構食べているし、何パーセントかはエサになってるのかもね。

いい調子でシラカバをつついているアカゲラ

そういえばノビタキがいないな、と思っていたら、展望デッキを通り過ぎたあたりにまとまって出てきた。

その先にはホザキシモツケが群生している場所があって、カメラを構えている男性が立っていたので様子を見てみると、花の上にとまる小鳥が。
花が終わりつつあるのは残念だけど、いいところにとまるノビタキ。

これはホオアカの幼鳥なのかなあ。にしては一回り大きい気もするし、ちょっとわからない。

泉門池を越えて北戦場へ行くと、モズのこれも幼鳥が1人前に尾羽をブンブン振り回してとまっていた。

泉門池に戻って休憩。
また小田代ヶ原経由の遠回りルートで戻ろうかと思ったけれど、なにせ湿度が高い！もちろん水分は多めに持ってきてはいたけれど、体力ゲージの減り方が早い気がしたので、来た道を折り返すことにした。

結果としてこれが大正解。ここまで声しか聞けてなかったコガラをじっくり観察。

コサメビタキに囲まれるという幸せタイムも発生。

遠くから…

近くまで！

ほくほくしながら木道を歩いていると、目の端に鳥が動く気配。
葉が茂った木の枝を双眼鏡で覗いてみると、ウソ。え？なんで？
すれ違う人に振り返って見られる程度には大きめの声が出てしまった。

にしても、この鳥はだいたいクチバシの周りになんかついてるよな（笑）

考えてみれば歩き始めたときから「なんか聞いたことあるな、なんだっけな」という鳴き声はしていたんだけど全然思い出せず、双眼鏡でこの姿をとらえた瞬間に全部合致。最初から鳴いてたよ、ウソ！
標高が高い奥日光ではウソは留鳥なのでいても全然おかしくないんだけど、冬鳥のイメージにとらわれていた。
写真はないけど、メスもいました。いやー、びっくり。

12時近くなっていたので、人もどんどん増えてくる。
ワタスゲデッキで背中に赤ちゃんをおんぶしたお父さんとお母さん、たぶんお母さんのごきょうだいに撮影を頼まれ、ばあばの気持ちで撮りまくる。赤ちゃんはいいな。おとなたちも楽しそうでこちらも幸せ。

朝は霧の向こうだったホオアカにも会えた。

大学生くらいの男の子たちが双眼鏡を首からさげていたので「ホオアカ見えましたか？」と声をかけると、「え、ホオアカ見たいです！！」とのことなので、ほらあそこ…と言おうとしたら飛んでしまうあるある。
ちょっと彼らの持っている双眼鏡では見えない距離に行ってしまった。
まだ近くで鳴き声がしていたので、「おにいさんたちならきっと探せる、がんばって！」と励まして去る。見つけられたかな。

赤沼分岐からちょっとだけ竜頭の滝方面を歩いてみると、キセキレイが2羽並んで歩いていた。
飛んだら全然別の方向に行ってしまったけど（笑）