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インプロヴィゼイションスキルが向上する50の方法

2013年01月01日 | ドレミノート
インプロヴィゼイションスキルが向上する50の方法 アメイジング・フレイジング トランペット
by Dennis Taylor & Steve Herman

 僕は、この教則本を「インプロヴィゼイションスキルが向上する」という言葉に引かれて、2003年に購入した。あれから6年が過ぎた。僕のインプロヴィゼイションスキルは向上しただろうか。。。。そう、そんなに向上していない。答えは簡単。ロクにこの教則本を使っていないし、練習時間も短すぎるからだ。もし人生が60年だとして、その十分の一の6年間を棒に振ってしまったことになる。
 けれど、Ⅱm7-Ⅴ7のエチュードとディミニッシュ・スケールは練習した。以前ツー・ファイブのフレーズ集を購入したときは、キー・スケールでのみの3パターンほどを身に着けただけで、あとは練習のための練習に終始したため、結局本番ではワンパターンになってしまった。
 とにかく、教則本とは購入した瞬間には未来の夢が花開くが、本当に継続性を確保することが出来ない、悲しみの多い代物である。また、期待感を高めるためか高価なのである。ちなみに本書は¥3,000である。とはいえ、これをやりきることによって手にする自己実現に比べれば、実は大変お安いものなのだが。。。。。

 ところで、そんなことを書きっ放しながらあらためて説明するのもナンだが、この教則本はありがたい部分がたくさんある。まず、添付のCDでお手本になっているSteve Hermanのトランペットがジャズの音色なので安心して教わることが出来たり、本書内のフレーズが単なるメジャー・スケールではないので(当たり前か)吹きにくいフレーズがあっても理にかなったものと納得して練習できるのだ。
 また、フレーズを説明する際の注意書きが、ジャズとは気高いものなのだという気難しさと品格を漂わせ、媚びない所が何人も寄せ付けないウレシサがある。これを乗り越えた者だけが手にする快感、それは自分らしさに一歩近づくことであり、大人の緊張感であり、独りよがりではないエンターティメントへの入り口なのである。
 さあ、性根をすえてサラワナケレバならない。

-おまけ-
 本書の「はじめに」に記載されているエピソードを掲載させていただく、自分でも楽しめるお話だが、皆も面白いと感じるはずである。

---よいフレージングのキー・ポイントは、プレイするところとしないところを知ることです。あなた自身が編集者になることが重要なのです。Miles DavisとJohn Coltraneの有名な話に次のようなものがあります。1950年代後半、Kind of Blueというアルバムに代表されるモーダルな音楽を彼らが演奏していた頃、曲には終わりに向かうケーデンス(コード進行)がなかったためColtraneは常にソロをどのように終わらせるか苦労していました。MilesがColtraneにソロをもっと短くするよう要求すると、Coltraneは「どのように終わらせたらよいのかわからない」と言いました。それに対してMilesは「ホーンを口から離すだけだよ」と答えたのです。---(翻訳 佐藤研司)