一本でも日本刀

日々思うことを垂れ流してみる

すいませんでした、また日本に帰りたいです

2004-11-02 | 時事
願い届かず、最悪の結末…両親や関係者ら言葉失う (読売新聞) - goo ニュース
本当に最悪の結末ですね。もの凄く後味が悪い。
香田君についての情報が入る度に、香田君が本物の馬鹿だと知れば知るほど何かシンパシーを感じた。
自分と同じホームラン級の馬鹿だと知って、他人事とは思えなくなった。
ここまで規模の大きいことはしてないけど、自分の行動振り返ってみても香田君を叩けない自分がいる。
しかも何気にいい奴っぽいし。いや、想像でしかないけども。

「小泉(首相)さん、彼らは自衛隊の撤退を求めています。
さもなくば僕の首をはねると言っています。
すみませんでした。また日本に帰りたいです」

素直にすいませんって言える奴に悪い奴はいない。
まず客観的に相手の要求を述べ、要求できる立場じゃないことを踏まえつつ自分の希望も控えめに伝える。
この時点ではこれ以上ない対応だったと思う。どこぞの国の人みたいに泣き叫ばれたら萎えてたし。
恐らく助からないであろうことも、自分の意思でイラクに入ったということも、しっかりわかってたんだろうね。
退避勧告が出てたのは前回のこともあって周知の事実だし、そこに関する落ち度もわかってての覚悟みたいなものを感じた。
本当に潔いと思う。前回の3人組みたいにちゃっかり自分の要求まで口にしてないし。
香田君の家族の対応も素晴らしいと思う。前回が最悪だっただけに。
望んで危険なイラクに入った家族が捕まって「自衛隊は撤退してほしい」とかドクロのTシャツ着て言われてもね。
まぁ3馬鹿(5馬鹿)とその周辺にはいろいろ言いたいこともあるけど、今はいいや。

前回と違ってザルカウィは民間のやつらじゃないと知った時点で半分絶望は感じてた。
基本的にあの手のテロリストの要求は注目されるためだけの手段であって、人質を生かすために交渉する気はさらさら無いからね。
あの人らに対して交渉の余地があると、要求を飲めば可能性があるという幻想を人々に抱かせてしまったところは3人組の罪だろうね。
だってプロのテロリストが、要求が通りましたはいどうぞって解放するわけないじゃない。
ペルーの大使館事件やロシアの学校立てこもりの事件でもそうだったけど、テロリストは基本的に一掃されてしまうもの。
特に今回は他の国からわざわざ注目を集めてるイラクに入ってきての犯行だし。アルカイダとの繋がりも報じられてたし。
それでも、「億単位の金を積んだら」とか「特殊チームが乗り込んだら」とかありもしない可能性にすらすがって助かることを祈ったんだけどさ。

今回の事件で政府叩きをするのはお門違いだと思う。小泉個人の対応には少々アレな部分があるのは確かだけどね。
3人組の一員である高遠さんなんかはチャンスだとばかりに「自衛隊は撤退すべきだ」とかコメントしてたけど。吐き気がする。
「募金に利用しないで」 香田証生さんの家族
 イラク日本人殺害事件で犠牲となった福岡県直方市の香田証生さん(24)の家族は2日、直方市を通じ、事件を政治活動に利用したり、募金活動などを行わないでほしいとの意向を明らかにした。
勝手に募金に利用って、ちゃっかりにもほどがある。
前回の事件を自民叩きに利用した民主党なんかは、寸前で釘を刺されたって感じなんですかね。

香田君の死を無駄にしないってことは、やっぱりイラクに行かないってことが一番だと思う。
自分探しの旅の行く末が、イラクでのあの結末。せめて教訓にしてあげたい。意味のあるものにしたい。
さすがにもういないだろうけど、現状のイラクに行くってことはそれを踏みにじることにあたるんじゃないかと。
マスコミ関係の人なんかはある程度しょうがない面もあるけども。
バックパッカーや活動家の皆さんにはしばらく控えていただきたい。

って、まだまだ青いな俺。

ご冥福を祈ります。