海外ドラマ

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長谷川和彦監督が語り尽くす「青春の殺人者」新事実 本邦初公開の資料も

2014-01-21 14:25:32 | 日記
長谷川和彦監督のデビュー作「青春の殺人者」(1976)が、2月12日にキングレコードから撮影監督・鈴木達夫氏の監修を経た史上最良のマスターでブルーレイ化&再DVD化され、発売される。特典映像は、相続者たち長谷川監督自らが本作製作時に直面した脚本家・田村孟氏との創造上の相克などを語り尽くした82分の貴重なインタビュー、題して「『青春の殺人者』という事件の現場」。映画.comは、総監督と聞き手をつとめた映画監督・映画評論家の樋口尚文氏に完成にいたるまでの奮闘の日々について独占取材した。

 「青春の殺人者」は、76年度のキネマ旬報ベスト・テン第1位に輝いた傑作。74年10月に千葉・市原で実際に起こった事件を取材した、中上健次氏の小説「蛇淫」が原作で、衝動的に両親を殺害した青年・順(水谷豊)の姿を通して、親が子に向けるゆがんだ愛や若者の心の葛藤を描いている。

 樋口氏は76年の封切り初日、ATG専門館・日劇文化劇場で鑑賞して大きな衝撃を受けたという。中学2年生だったそうで、「主人公の順が親を殺したのに自分を持て余している感じがリアルでした。当時は、ここまで無様なアンチヒーローを描いた映画ってなかった。感動を通過して衝撃を受けた」と述懐。さらに、「敗北的な感覚が僕らの世代の映画だなと思いました。ニヒルで優しいし。どんなシナリオなんだろうと思って読んでみたら、大事な箇所が本編と全然違う。2度目の衝撃を受けました」と話す。

 今作の脚本を手がけたのは、元創造社のメンバーで作家に転向以来5年ぶりに執筆した田村氏。樋口氏には、公開当時から長谷川監督に聞きたいことがあった。「脚本は、親というものを中心にした“家族帝国主義”を破壊するゲリラになるんだと宣言する若者を描いている。ただ、ゴジさん(長谷川監督の愛称)は撮影中に大幅に本を書き変え、自分の側、観客の側に引きずり寄せた作品に仕上げた。ということは、田村孟さんの脚本とゴジさんの演出の相克というか対立というか、よほどの格闘があったのではないかと感じたのです」。

 今回のインタビューに際しては、昨年8月から4カ月にわたる長期の交渉が続けられた。「当初インタビューを固辞するゴジさんからは『おまえが監督をするのなら、おまえなりの新しい視点を掘ってくれ』とずっと言われていたので、質問状がラブレターですよ(笑)。意外と聞かれていない孟さんとの作家的な格闘という部分をお聞きしたいと。直談判をするため、どこかのトークショーに現れると聞けば、新たな質問とワイルドターキーを持参して口説く……という日々でした」。その思いが結実し、インタビューは実に5時間近くに及んだという。

 特典映像内には、「長谷川和彦はトロツキストか?」を皮切りに、興味深い見出しが幾つも躍る。「『卓のチョンチョン』で監督デビュー?」「ATGらしくないATG映画を」「タイトルはこうして生まれた」「今村昌平とケンカする」「相米慎二は杉田二郎?」「ゴダイゴが現場で説得」などと続くなかで、「セットをまるごと燃やしたい」「無許可ゲリラ撮影が大好物」のくだりでは、今作と「太陽を盗んだ男」撮影時にプロデューサーや製作担当が何人も逮捕された様子を生き生きとした面持ちで語っている。また、水谷、ヒロイン・ケイ子役で撮影当時は17歳だった原田美枝子とのその後の交流にも触れている。

 そして、田村氏との創造的相克については、長谷川監督が本邦初公開となる資料を提供してくれたという。樋口氏は、「その資料というのは、孟さんからの激しい抗議文だったんです。私は読みながら感動と戦慄を覚えました」と語る。その内容とは、「『あなたは監督だからといって、現場に入ったら監督の自由だなんていう甘えた考え方は捨てなさい。観客を泣かせる映画を作ろうとしているようだが、私はそんなものを書いたつもりはない。これ以上改変するようなら、提訴して上映差し止めにすることもありうる』と書いてあったんです。怒っているのではなく、真摯なんです。作家的資質や世代的な違いを、それぞれの作家が譲らないという対決の跡。素晴らしく貴重な資料でした」と振り返った。

 長谷川監督は、「太陽を盗んだ男」以降、35年間も沈黙を貫いている。しかし、イニョン王妃の男 DVD本編内では「問題はこれからだな。これから、どうするんだ。昨日までダビングをしていた気分だ」と話しており、往年の長谷川ファンにとっては必見の映像といえる。樋口氏は、「当初のモチベーションは積年の質問をしたいということでしたが、話を聞いているうちに『この映画づくりをめぐる格闘は次代の観客に伝えなければいけない』と思いました。映画って本来は自由に作られるべきだし、スリリングでやばいものなんだよ、と。これだけやばい映画があるんだということを、伝承しなければならない。あのやばさを広めたいんです」と言葉に力を込めた。完成した映像を見た長谷川監督からは電話があったそうで、「『本当にどうもありがとう』とおっしゃってくださいました」と安堵の表情を浮かべた。

大海賊が残した財宝探しを描く「瀬戸内海賊物語」ポスター完成!

2014-01-21 14:25:04 | 日記
瀬戸内海国立公園選定80周年を記念して製作された「瀬戸内海賊物語」のポスタービジュアルが、相続者たちこのほどお披露目された。オーディションで1027人のなかから主人公・村上楓に選ばれた柴田杏花と、楓の祖先にあたる海賊大将軍・村上武吉に扮した内藤剛志が力強い眼差(まなざ)しを注ぎ、瀬戸内海に浮かぶ無数の船が冒険心を刺激するデザインに仕上がった。

 かつて実在した瀬戸内の海賊「村上水軍」の子孫にあたる子どもたちが、島の危機を救うため、伝説の財宝を探すアドベンチャー。史実を盛り込んだ脚本は、瀬戸内国際こども映画祭2011で「エンジェルロード脚本賞」グランプリを受賞し、受賞者である大森研一監督(「恐怖新聞」「ライトノベルの楽しい書き方」)が自らメガホンをとった。

 織田信長を撃退し、豊臣秀吉にも屈することなく、自由と海を愛した「村上水軍」。そんな海のサムライたちを束ねた海賊大将軍・村上武吉の子孫・楓は、12歳の誕生日に自宅の蔵で、戦国時代から村上家に伝わる1本の横笛を見つける。その頃、楓の住む島と本土を結ぶフェリーが、老朽化を理由に路線廃止の危機に直面。島と、島民にとって生命線ともいえるフェリーを救うため、楓は仲間とともに、見つけた笛を手がかりにして村上水軍の埋蔵金探しに乗り出す。

 瀬戸内最強と言われた海賊大将軍の末えいを演じる柴田のほか、その同級生役に伊澤柾樹、イニョン王妃の男 DVD葵わかな、大前喬一らキャスティングされている。フレッシュな顔ぶれを支える共演陣には内藤のほか、石田えり、小泉孝太郎、中村玉緒らが名を連ねた。