ついにグローブを脱ぐことになった。

「４回戦」のように初心に帰ってやりたいと言う事で、
ボーイズという名前にしました。


これまでは、
水戸市にはプロのジムがありませんでしたから、
水戸の皆さんにもっとボクシングという
スポーツを知ってもらえるように頑張って行きたいと思います」


日立一高時代にボクシング部は無く、
３年間自己練習に明け暮れる日々、
「飽きっぽい性格」ながらボクシングだけは興味がうせることがなかった。

高校卒業後、
明治大学へ進学、
ボクシング部で本格的な練習を開始。



「ただ東京に出てプロボクサーになることだけを考えていた」



「初めてリングに立ち人間とスパーリングをしたが、ディフェンスがまるでなってない。
自分の鼻血で染まったリングを見ながらもますます魅力にとりつかれました」

大学１年の時、
アマチュア大会に初参戦したが、
加減がわからぬまま判定負け。
その悔しさをバネに練習した結果、
東京都で団体選手に選ばれるほど実力はついていた。



大学卒業後、
２３歳でプロ転向。
１９８８年３月、西川浩二（三迫）との王座決定戦に判定勝ちし、第１２代日本Ｊ・バンタム級王者に。
「嬉しかったが、それよりもほっしたというのが本音。
ようやく世界が見えてきたと言うのが実感だった」



２９歳の時、
夢の実現に王手をかけ、
９０年６月に世界戦に挑む、
しかし、
あの名王者カオサイ・ギャラクシーに阻まれた。
夢から一転「引退」の二文字が現実のものとなった。



その直後、
売り出し中の鬼塚勝也（のちに世界チャンピオン）に敗れ、
日本王座を手放し、
リマッチで再び鬼塚に敗れたのを最後に、
現役を退いた。




「鬼塚との２戦目が一番印象深いですね。
判定で敗れはしましたが、
準備万端で、
試合でも全てを出し切ることが出来ました。僕のベスト・ファイトでしょう」











ついにグローブを脱ぐことになった。






「完全燃焼だった。寂しかったけど、３０歳という年齢には勝てなかった」