M時計店のお話です。
前編からの続きです。
帰宅後、すぐに母に報告しました。
ね〜ぇ、聞いてきいて!
………
ここから…2時間ほど時計の針を逆戻し。
なんたって時計屋さんの話ですから、
そんなことは、お手の物です。
………

そのとき時計店の奥には職人さん風のご主人ひとり…70代くらいでしょうか、
なにやら細かい作業をしていました。
他には客はいない。
思い切って母のことを話した。
手を休めて、、こちらをのぞくように、
なにかご用ですかと言わんばかりの視線
話しだすと、、地名でピンときたのか、
急に表情が明るくなって、しまいには、店奥の座敷に案内されたのでした。
母の実家は魚屋さんだったけど、、
確かに昔のお店って、こんな造りでした。
どうも、店主は息子さんのようでした。
奥の畳の間は、まるでお芝居の舞台みたいでした。
きちんと背筋を伸ばして正座したおばあさんが笑顔で迎えてくれました。
「Sちゃんの…そう、Sちゃんの息子さんですか…懐かしいですわぁ〜」
おそらく、母よりも、年上のはずですが、若く見えます。気品もあります。
とても90歳過ぎとは…信じらないです。
当然の訪問でしたから畳には上がらず、帰ってから母の方からお電話しますね…
と言って…おいとま、しました。
………
その2時間後、、、
70〜80年ぶりの会話(電話)が弾んだことは言うまでもありません。
そばで聞いていると…
当時のお友達の名前(愛称、あだ名)がポンポン飛び出して…
ほんと懐かそうです。
母も子供に戻ったみたいでした。
はじめてみましたね。
やっぱり、昔は子どもだったんだ!
当たり前のことなのですが。。。
私も懐かく嬉しい想いを、少しだけ分けてもらいました。
母とは、年季が…違いますけどね。
おしまい。。
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