NPO法人BIO de BIO (ビオ・デ・ビオ)  ~生物多様性のある循環の暮らしをめざして~

特定非営利活動法人BIO de BIO (ビオ・デ・ビオ)の活動レポートや情報をタイムリーに発信するためのブログです

「設楽ダムは要らない」

2009年02月10日 | ★代表理事 黒田より 
NPO BIO de BIO は、全市民の自立した取り組みによる、「ダムは要らない」水の解決を提案します。

ダム建設の10分の1の予算があればいい。
市民の日常の営為が、ライフスタイルが、水問題を解決する。

解決策の最初は、「山林」の持つ重要な機能である「保水力」を回復することです。同時にそれは、その機能の延長線上にある「大量に溜め込んで、ゆっくりと一定量の水を吐き出す機能と力」を回復することになります。
水量の確保だけでなく、集中的な豪雨のときの鉄砲水の防止もここに入ります。

二つ目は、「田んぼ」や「ため池」、「自然護岸の蛇行する河川や水路」の持っている「貯水力」と「地下浸透力」の回復再生です。
貯え、流速を緩やかにし、地表面上により多く長く貯えるだけでなく、田んぼやため池ばかりでなく、地表面を流れる水をも地下に誘導して、地下水として貯留する考え方です。
これらの田んぼやため池、河川や水路の周囲や縁に、小さな森や林(河畔林や水辺の森や林)があれば、もっとその効果を増すことができるでしょう。

三つ目は、雨水利用による中水活用です。年間2000mmもの雨水が屋根に降り注ぐ
のを最大限に活用して、トイレや庭や菜園の水やり、洗車などに利用しようというものです。
この問題提起はさらに「都市での節水」「水を汚さない」「必要以上に汚れていない水の再利用」というところに行き着くはずです。

この提案は、きわめて大きな意味のある提案です。
この二つ目と三つ目の提案は、設楽町のような過疎の中山間地にだけ「水問題」を押しつけるのではなく、中下流域でも、都市でも、水問題に一定の解決策を講じられる可能性があり、またそうすべきだという、とても重要な問題の提起になるはずです。
設楽ダム問題を解決するためにも、都市の生産性を回復して自律的で自立した都市づくりを進めるためにも、都市の中に縦横に自然護岸の水路や河川が走り、田んぼや畑があり、鎮守の森や河畔林やまとまった山林があることが、必要不可欠です。

私たちが今、子々孫々のために残せるかけがえのない宝物を、「かけがえのない ふるさと遺産」と呼んで大切にしましょう。

「悠久の千年を想起させる豊かな森」「その森からしみ出る、湧き出る豊かな清水」「山の間を縫うように流れる清流」「森や水が育む、無数の生きものたちの生命の営み」「鳥の鳴き声や飛び交う虫たちの姿」「豊かに実る田や畑」「点在する農家の静かなたたずまい」「ひとびとが土に生きる姿」「はじけるようなこどもたちの笑い声」「語り継がれ、伝えられてきた季節行事や祭り」・・・・これらの全てをひっくるめて、私たちは、「かけがえのないふるさと遺産」と呼びたいのです。

私たちは既に多くのものを失いましたが、少なくともまだ奥三河には、豊川水系、天竜川水系の上流には、私たちが「かけがえのない地域遺産」と呼ぶのにふさわしい、歴史と伝統に支えられた自然と人と生きものたちの世界が、今も息づいています。

豊川流域を世界遺産にという運動が始まりましたが、BIO de BIO は、風景や手つかずの自然だけでなく、もっと身近で、毎日の暮らしの営みとそのスタイルをも含む、自然と人と生きものたちが織りなしてきた生きて動いている情景そのものを、「かけがえのないふるさと遺産」と呼んで、「そっくりそのまま保全する」という提案をしたいのです。
保全には、何がしかの制約と、そのための努力がつきものですから、それに対して一定の対価を地元に支払うことが条件になると思います。

「設楽ダムは要らない」の意思を、私たちの具体的な行動で伝えましょう。

「設楽ダムは要らない」という私たちの意思表示として、地元負担金に相当する金額を、自分が直接納める市民税や県民税、国税の中から差し引いて納めるという提案を、私たちNPO BIO de BIO からします。
たとえ少数の人たちの意思表示の行動でも、社会的にインパクトのある方法が、今は必要だと思います。
ただし私たちは、ただ不払い運動を展開しようと呼びかけているのではありません。
不払い宣言をした人は、「設楽ダムが要らない」ならどうするか、に応えなくてはなりません。不払い宣言と同時に「節水を具体的に誓ったり」「雨水利用を実行したり」、自分にできる「ダムは要らない対策」を宣言して実行することが、不可欠の条件です。

それと最後になりましたが、私たちは設楽町議会と町長が、ダム建設を受け入れたことによって、設楽ダム問題はもはや設楽町民だけの問題ではなく、私たちの問題になった、全愛知県民の問題であり、全国民の問題でもある、と考えています。
自由に考え、自由に発言し、自由に行動することができるようになったという意味で、「設楽ダムは要らない」運動は、今始まりました。
これからです。

NPO法人 BIO de BIO 代表理事 黒田 武儀 

「世界が平和でなければ、
社会が安定していなければ、ひとは健康に生きられない」
「食糧、水、エネルギーの完全自給をめざす」
  
愛知県新城市作手黒瀬字下山37-30
☎ 0536-37-5000 
fax 0536-37-5115
 
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