21歳の嫁の手 1963年
第28回東川賞 飛彈野数右衛門賞 南 良和 受賞
~秩父出身の南氏は東京で写真の専門教育をうけるものの地元を離れず、高度成長期の秩父という山村の習俗、そしてその移り変わりを50年にわたり丹念に記録した。その写真は精妙にして洒脱である。すでに各種の賞を受賞されているが、「秩父30年」におけるグローブのように荒れた“21歳の嫁の手”は1963年という時期の山村を寡黙に表象する。この“嫁”も現在は71歳となったわけだが、全ての写真が古びず、さも昨日の事のように生き生きと語りかけてくるのは、南氏の写真の力にほかならない。~