帰ってきた常時リソース不足

センセイ(べ・一文字)の日々是アキバ系ヲタ生活 あーかいぶ

日本一偏差値の低い『この青空に約束を―』評

2006-04-07 04:00:19 | えろげ
と言う訳で戯画 「この青空に約束を―」 (Amazon)について。昨日のコンプ直後の妄言を「FiRSTRoN」Faxiaさま(いっっもお世話になっております。感謝多謝)に補足されて((((゜д゜;)))))ガクブルなセンセイです。Webでの発言に責任を持てとはこの事か(違う)。
 
でもホントに良い作品でした。システムは良くまとまっておりストレスを感じさせる事はなし。何よりもだれる事無く次へ次へと読み進める丸戸シナリオの良さを抜きにして語れないでしょう。と言う訳で古くからのえろげヲタとして昨日の妄言に色々と追加というか補足と言うか蛇足をば。

(以下「この青空に約束を―」のネタバレがかなりの高確率でありますので自己責任で読み進めてください。おまけにかなり信者補正入ってますのでご容赦の程)

 
今回の「この青空に約束を―」もこれまでの丸戸シナリオと同じで、「仲間達の絆と愛の物語」だと思うのです。主人公は何よりも仲間を第一に考え、仲間はそれに応えて困難を正面突破する。そのシナリオのカタルシスは他に類を見ないもので、過去の作品と比較してもデビュー作「Ripple」、地位を不動のものにした「ショコラ」、ツンデレの大傑作「パルフェ」、ストーリーテーリングの妙「FOLKLORE JAM」にも顕著なこのシナリオ手法はコンシューマ含めたギャルゲー・エロゲーよりも一昔前の「トレンディ・ドラマ」のそれに近いのは周知の事実(確か「ツンデレ大全」、「パルフェ・ショコラビジュアルファンブック」あたりのインタビューにもあった気が)。
それと反比例するように、短い各イベントに必ず「オチ」をつける笑いへの傾倒っぷりもまた良し。この笑い・パロディへの傾きぶり具合を肌に合わない人も多かろうが、アメリカンコメディを昇華した「ままらぶ」で判るようにむしろこっち(笑い)が丸戸シナリオの芸風なのではと。
それでもシナリオ全般に破綻が無く、伏線と思わしきものも殆ど回収している(後に明確な回答を提示している)のが凄い。何人かキャラをクリアしてから最初からプレイするとこんなところでこう言う台詞があったんだ!的なサプライズに溢れているの要複数回プレイ。たとえばラストエピソードの茜END、じいちゃんを町長選に出すくだりはさえちゃんルートで「対学園長の策」として既に話されているのには改めて見てビックリした。


各キャラクターもこれらのシナリオに耐え得るべく生み出された個性的な連中揃い。前にも言ったけど、古いえろげヲタとして陸上選手でツンデレでひまわり声のヒロインにえらく魂揺さぶられたのは無論の事、各キャラの何気ない日常シーンの掛け合いがこの上なく良い。普通のゲームなら流すかスキップするただの会話シーンも丁丁発止のやり取りと掛け合いの上手さにスキップをする事が出来ない。何度でも見たいと思ってしまう各キャラのリアクションは見事の一言。さらにそれを際立たせているのが、突如現れる「誰にも聞こえない独り言」。さえちゃんが「セカンドキス」の後部屋でひとり悶えたり、会長が人払いをした後に「一回につき五万よりは安く済ませてあげるから・・・」と本音を吐露するシーンは個人的にお気に入り。

各キャラに関しては他の方々が既に色々書いているみたいなので今更センセイが言うまでもありませんが、うん、やっぱ古いえろげヲタとして陸上選手でツンデレでひまわり声のヒロインはよく耳になじむ。と言う訳で凛奈の「20年以上前の学園ドラマでさぁ・・・再放送だからねっ!」と言う台詞もわざと喋らせたとしか思えなくなってしまいます。
男性キャラの声がイマヒトツ張ってなかったのが気にかかりましたが、バランス考えるとこのくらいでいいかも(何しろ戯画ゲーが男性声優に本気になるとPS2版「バルド」でのデュアルボイス、大林隆之介・千葉繁・大塚明夫と何処の押井アニメだと言うラインナップになってしまうもんなぁ・・・)。
それ以上に茜のラストのラストでの「7人目の妻」への昇格ぶりにはマジ驚いた。体験版冒頭での登場直後からコンシューマ移植時の正ヒロイン昇格キャラだと思っていたんですが・・・。最もコレはそう簡単にコンシューマなんかに移植させないんだもんねと言う意趣返しと考えるのが正しいかも。

曲も名曲。文字通り「アレグレット」なKOTOKOの主題歌、「Allegretto ~そらときみ~」は前へ前へと進ませる曲。それ以上に「約束の日」ED曲、「つぐみ寮寮生会合唱団」の歌、冒頭からキャラの涙声で始まり、次第にその涙声の割合が大きくなってゆく、そして挿入されるラフ画での各キャラの泣き姿。もうセンセイももらい泣きですよ。EDの演出としては久しぶりの極上モノでした。
最初から最後まで全くもって ヤ ラ レ タ と言うに相応しい作品。えろげヲタであればヲタであるほどそう感じるに違いないであろう、と言う事で初めての人も超ベテランの人も殺レやれ。大丈夫、普段ネタばかり言っているセンセイが真面目に ヤ ラ レ タ と呟いて泣いてしまったから。
 
 
普段長い文を書くということに慣れないモンだからいつも以上にグダグダですが、タイトル通り「日本一偏差値の低い『この青空に約束を―』評」と言う事でヒトツ。

「春が大好きっ」springさま(300万HITおめでとう御座います)の所でファンページ作成済みです)

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