広い空の奥深く、時空の広がりが見えます。
先日、文楽春公演を鑑賞しました。はるか300年以上の歴史を持つ独特の文化である人形浄瑠璃は今も国立文楽劇場を中心に展開されている。
録音機もない時代ただひたすら師匠の芸を必死で覚えて、稽古に稽古を重ねいかに観客に喜んでもらえるかを目指して独自の芸を磨き上げ築き上げた。それがまた代々伝わり創意工夫も加えられ今日に至るものである。語りの義太夫、三味線、三人で操る人形遣いと3役の協調も必要でその芸の深さは素晴らしい。長い年月浮き沈みもあったが、どんな時代にも芸の向上目指し貧乏にも打ち勝ち、守り続けてきた。
昨今も名人達の引退や逝去で急に若手の技芸員達が第一線に出てきて、その上達ぶりには涙が出るほどで、ついこの間まで目立つ存在でもなかったのに驚くばかりのパワーに感動している。まさに世代交代でこの難しい芸が引き継がれて安堵に胸を撫で下ろしている。
障子を開けた広い空を見ていると300年以上も前から今日に至る数々の芸人達が現れては消えてゆく、、時空を渡る一筋の芸、人形浄瑠璃。時空を想うひととき。
ここでひらめくことはアイディアを探す時、時間の流れをも入れてみる。平面だけではなく奥行きの深さにもチャレンジできる。