「よかった君がいて」

　姿が見えなくても
君はいつでもそばにいるんだね

大きなあみだくじの上を
たどって行くような日々で
出会った君も
道の途中で一本でもずれたら
何もなくとおり過ぎていたんだね

　君のあとにも
あみだの糸はずっと先へ続いていて
お互いにまた別々の道を
進まなければいけない

　僕はときどきさびしくなって
いたずらにたどって来た糸を
ツンツンと2回引っ張ると
少し間があって
ツンツンと2回糸から返事がある

　姿が見えなくても
君はいつでもそばにいるんだね

　とても勇気づけられる
よかった君がいて
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作者：夢路

「消しゴム」

消しゴムは
すぐ　いなくなってしまう
使おうと思うとき
いつもどこかに雲がくれする

消しゴムは
恥ずかしがり屋？
だから　ふたつ用意する
ひとつだとすぐいなくなるけれど
ふたつ用意すると
ずっとそばにいてくれる

ぼくは夢も
ふたつ用意する
ひとつだとすぐ
消えてなくなるけれど
小さくてもふたつあると
どちらも消えずに
ずっとぼくを励ましてくれる
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作者：島　秀生さん

「ポケットのなか」

　ポケットのなかには
アイデアが詰まっている

　なのに
みんなポケットのなかを
出そうとしない

　布一枚のさきに
しあわせが詰まっているのなら
　勇気をだして
みんなにみせてみよう

　飛び出したしあわせは
ほかの人のポケットのなかにも
こえをかけて

　みんなのポケットの世界が、ほら
そとにあふれだして、笑顔になる
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夢路

「我が家の犬」

　我が家の犬は芋が好き
ドッグフードをあげてても
焼き芋見れば吠えだすよ

　わんわん、くれくれ
わんわん、くれくれ
　くれるまでは
　わんわん、くれくれ
わんわん、くれくれ

　しかたがないから
一片あげたら、すぐぺロり

　こんな量じゃ満足できぬと

　わんわん、くれくれ
わんわん、くれくれ
　くれるまでは
　わんわん、くれくれ
わんわん、くれくれ

　うるさいから
もうあげない！　わけにもいかないので
残りをはんぶんこして
ハイ終わり

「やま」

　君と僕の間には
本当は超えるべき山はない

　じゃあ目の前の山は？
と聞かれれば
それは想像が作り出した
まぼろしの山だと答える

　君と僕の間には
他の人にはたくさんの山があるように見える
でも、本当は山は存在しない

　常識と呼ばれるものが
勝手に山を作っていくけれども
越えるべき山はない

　山を越えなくても
僕は君の近くに行くことができる
それを君は知らない

　ただ、一つだけ山があるとすれば
僕がこれから君に伝えるための
”山場”だけだ