すいかの記録

けんきゅー関係のメモ(学術書籍、覚え書きなど)。

kirikiri

2009-08-11 00:50:16 | books read
『吉里吉里人(全3巻)』(井上ひさし著、新潮社文庫)

実家の本棚で上巻を見つけて読み始めたら、止まらなくなった。50ページ目あたりに92年のレシートがはさんであったのだけど、おそらく当時はそこで断念したんだろうと思う。今回、こんなに面白いと思えたのは、なぜなんだろう。ひとつには、自分の読書力みたいのが上がったことがあると思う(読むときの緩急の付け方、というか、コツのようなもの)。あとは、作品のバックグラウンドが理解できた…とまではいかなくても、社会とか国家のあり方みたいなものへの関心が当時よりも強くなっていることがあるかもしれない。

キテレツな発想と、「あ~、本人もきっとくどいんだろうなあ」と思わせるほどに、くどいまでの修辞の羅列(これがこの人の作品のおもしろさ、というか魅力のひとつなんだけど)で、一気に読ませたものの、最後にあと2ひねりくらいできたんじゃないかと、ちとエラそーな感想(っていつもだけど)。