フラリと立ち寄った古書店で目にとまったマンガがあった。辰巳ヨシヒロの「地獄の軍団」である。マンサンコミックスで全6巻であった。全巻揃いできっちりビニールに掛けてあるので中身は確認出来ない。辰巳ヨシヒロと言えば、言わずとしれた劇画という言葉を提唱した作家の一人である。そして今や劇画という言葉も定着し、ひとつのジャンルとして確立した。そんな辰巳の作品だ、どうにも気になる、よし買おうなワケだ。そしてこれが予想以上の怪作だったのである。
始めに断っておく。ワタシはこのマンガは別にオススメではない。(笑)
しかし、こんなマンガが生まれるのも劇画の世界に身を投じた作家ならでは、じゃないと描けない作品だった。基本的にあり得ない話なのだ。
少年マンガでも昔から突飛な内容のマンガは多い。今ではカルト的な人気もある「アストロ球団」や、それこそ見開きドーン!と噛ませば否応なく納得させる勢いの車田作品なんかもそうである。もう無茶苦茶である。今読めばそれはもうギャグである。
そんなアリエネー設定が青年マンガ、なおかつ劇画の世界で行われたらどうなるかというのが本作の地獄の軍団である。少年マンガでは描けない陰惨な描写がこれでもかと現れる。
導入がいきなりスゴイ。赤ん坊を身ごもった美人のご婦人が、いきなりトイレで産み捨てる。信じられないが現実にも起こった事件もあり、バカ女には激怒するばかりだが、このマンガはここからがスゴイ。なぜか、その赤ん坊にわらわらとネズミが群がり、赤ん坊を背に乗せて、地下下水道へと運び去るのである。そして、赤ん坊を育てるのだ。もうビックリである。どこからかミルクが入ったほ乳瓶を見つけてきては赤ん坊に飲ませ、残飯の残り物などを見つけてきては、赤ん坊に食べさせ、信じられないが、赤ん坊は地下下水道でスクスクと育つのである。…恐ろしい。
そして2年後、この赤ん坊=主人公はすっかりネズミたちとも会話が出来るようになっており、超音波でネズミたちを操ることも出来るようになっていた。そしてさらに1年後、ついに、地下下水道から人間の世界、地上へと返るときが訪れる…。
その後の話はもはや奇想天外なのだが、ネズミに育てられたという事象がすでに頂点に達しているため、その後の話は逆に受け入れることも出来るから不思議だ。最初はとても気持ち悪かったが、物語の後半になるにつれ、次第にヒューマン的な赴きも盛り込まれ、ラストに至るまで突っ走っていく。最後の最後にはこれまた死者蘇生などと言うアリエネー展開もあるのだが、作者の入魂のまま稀代の怪作はこうして世に放たれたのだった。
内容からしてまず復刊なんてあり得ないので、どこかで奇跡的に見かけたときには話のタネに読んでみるのも一興です。よい子は読んじゃいけません。(笑)
始めに断っておく。ワタシはこのマンガは別にオススメではない。(笑)
しかし、こんなマンガが生まれるのも劇画の世界に身を投じた作家ならでは、じゃないと描けない作品だった。基本的にあり得ない話なのだ。
少年マンガでも昔から突飛な内容のマンガは多い。今ではカルト的な人気もある「アストロ球団」や、それこそ見開きドーン!と噛ませば否応なく納得させる勢いの車田作品なんかもそうである。もう無茶苦茶である。今読めばそれはもうギャグである。
そんなアリエネー設定が青年マンガ、なおかつ劇画の世界で行われたらどうなるかというのが本作の地獄の軍団である。少年マンガでは描けない陰惨な描写がこれでもかと現れる。
導入がいきなりスゴイ。赤ん坊を身ごもった美人のご婦人が、いきなりトイレで産み捨てる。信じられないが現実にも起こった事件もあり、バカ女には激怒するばかりだが、このマンガはここからがスゴイ。なぜか、その赤ん坊にわらわらとネズミが群がり、赤ん坊を背に乗せて、地下下水道へと運び去るのである。そして、赤ん坊を育てるのだ。もうビックリである。どこからかミルクが入ったほ乳瓶を見つけてきては赤ん坊に飲ませ、残飯の残り物などを見つけてきては、赤ん坊に食べさせ、信じられないが、赤ん坊は地下下水道でスクスクと育つのである。…恐ろしい。
そして2年後、この赤ん坊=主人公はすっかりネズミたちとも会話が出来るようになっており、超音波でネズミたちを操ることも出来るようになっていた。そしてさらに1年後、ついに、地下下水道から人間の世界、地上へと返るときが訪れる…。
その後の話はもはや奇想天外なのだが、ネズミに育てられたという事象がすでに頂点に達しているため、その後の話は逆に受け入れることも出来るから不思議だ。最初はとても気持ち悪かったが、物語の後半になるにつれ、次第にヒューマン的な赴きも盛り込まれ、ラストに至るまで突っ走っていく。最後の最後にはこれまた死者蘇生などと言うアリエネー展開もあるのだが、作者の入魂のまま稀代の怪作はこうして世に放たれたのだった。
内容からしてまず復刊なんてあり得ないので、どこかで奇跡的に見かけたときには話のタネに読んでみるのも一興です。よい子は読んじゃいけません。(笑)