いつぞや山下達郎さんのネタを書いたが、実は達郎さんは今、海外に多数のファンを持っている。
達郎さんの音楽は70年代や80年代では日本ではニューミュージックというジャンルで呼ばれていた。
だが今は、海外のファンから「シティ・ポップ」というジャンルで呼ばれているらしい。
で、大人気で。
シティ・ポップ。
実は私は近年までその呼び名のジャンルを知らなかった。
私は個人的には達郎さんの音楽は「ポップス」として捉えていた。
「ニューミュージック」というジャンル名が一般的だった時代でも、私は達郎さんはポップスだとみなしていた。
達郎さんの音楽の素晴らしさは、今更私が言うまでもない。
私自身大ファンだし、私にとってはベーシックなミュージシャンの1人だ。
いつも心の根底にある。
その完成度の素晴らしさや、時代性に左右されない魅力は、海外にも通用する・・といつも私は思っていたが、なぜ最近「今更」のように海外のリスナーから愛されるようになったのだろう。
それは・・何かの記事で読んだのだが、ある時ネットで竹内まりやさんの曲が取り上げられ、たまたまそれを聴いた海外リスナーにほれ込まれた。
で、例えばユーチューブなどで、まりやさんの音楽が終わった後に、そのリスナーの関心をひきそうな動画が紹介・リンクされ、そのリンクの中に達郎さんの音楽もあった。
まあ、このへんは非常にうなづけるし、自然な流れだと思う。
まりやさんの音楽が好きなら達郎さんの音楽も好きなはず・・・そうユーチューブは判断したのだったろう。
これは私の憶測だが、海外リスナーにとってはこんな流れだったのでは?
まず・・
「なに?タケウチマリヤ?どれどれ、試しに聴いてみるか・・」
で、聴き終わって、
「え?何これ、いいじゃん。すげ~いい。好みだし~。もっと他にこういうのないのかな?ん?何々?ヤマシタタツロウとな?誰それ?まあ、さわりだけでも聴いてみるか。」
で、達郎音楽を聴いてみて
「おいおい、まじかよ。こっちも最高じゃないか。」
で・・その後、驚くべき情報をそのリスナーは知る。
「え??オーマイガッ!マリヤとタツロウは夫婦だと?なんてこったい!なんて夫婦だっ!」
で
「こういう系統の日本の楽曲、もっと他にないのか?探してみっか。」
という流れで(?)、その人は、達郎さんやまりやさんが最も華やかに活躍してた80年代あたりの日本の一連のミュージシャンの音楽を次々に知るようになったのでは。
松原みき、八神純子、吉田美奈子、大滝詠一、大貫妙子、細野晴臣、ユーミン、他多数。
やがてこれらの音楽は、気付けば海外ファンから「日本のシティ・ポップ」と呼ばれ、ネットで拡散し、世界各国にひそかにファンを増やしていくのであった・・。
今では、海外のシティポップファンの間では、達郎さんとまりやさんは「シティ・ポップのキングとクイーン」とみなされているそうな。
私がこうして書いていることが嘘だと思われる方がいたら(笑)、試しにユーチューブなどで達郎さんの楽曲を検索して聴いてみてほしい。そしてそれに寄せられたコメントを読んでほしい。
実に多数の海外ファンからの書き込みが多いのがわかるだろう。
それが何よりの証拠なのだ。
もちろん、日本人からの書き込みだけの動画もあるが、逆に海外のファンからの書き込みが大半を占める動画もあるのがわかるはず。
ちなみに私が達郎さんのことを全く知らない音楽ファンのひとりだとして、例えばある時いきなり達郎さんの、ある曲を聴いたら驚くと思う。
その曲とは、アルバム「SPACY」に収められたオープニング曲、「LOVE SPACE」。
元々初期から達郎さんのファンであった私でさえ、この曲を初めて聴いた時、そのボーカル力の凄さに衝撃を受けた覚えがある。
「いいなとは思ってたが、これは凄すぎる。」と思って。
当時もしもネットがあって、それらの音楽がリアルタイムでネットを通じて世界に発信されていたら、一体どういう評価を受けたのだろう。
まあ、リアルタイム時からはだいぶ年月があいてしまったが、当時ニューミュージックと呼ばれた音楽をリアルタイムで聴いてた立場としては、今更ではあっても、海外の音楽ファンに、その良さを感じてもらえて嬉しいものがある。
ちょっと、誇らしい思いもある。
そういえば・・・若いころ私はアメリカに旅行したことがあった。
その時は私の好きな曲を集めたオリジナルベストヒットソングみたいなカセットを自分で何本も作って、アメリカに持って行った。
その中には、達郎さんのオリジナルベストソングカセットもあった。
ウォークマンなどで聴いていた。
ところが、達郎さんのオリジナルベストソングカセットを、アメリカで泊ったホテルの一室に置き忘れてきてしまった。
確か・・・サンフランシスコのホテルだったと思う。
あのカセットはその後どうなったんだろう・・などと帰国してから思ったりした。
もしかしたら、誰にも聞かれずにホテルのスタッフに処分された可能性もあるが、「どんな音楽が入ってるんだ?」と興味を持たれて、アメリカ人に聴かれた可能性もある。
もし聴かれたのだとしたら、どんな感想を持たれたんだろう。
また、当時私がよく入り浸っていた東京のお店で、誰かが外国人客の女性に達郎さんの曲を聴かせたことがあり、その時のその外国人女性の反応は、こうだった。
「Very cute!」
かなり好評だったのを覚えている。
ということは、少なくても達郎さんの音楽は、80年代90年代当時にリアルタイムで海外に知られても、けっこう受けたのではないかと思う。
また、今「シティポップ」と呼ばれている「当時のニューミュージック」には、達郎さんの曲に匹敵するぐらい魅力的な曲は多かった。
なので、他のミュージシャンの曲も、当時海外にもっと知られる機会があれば、きっと多くの曲が、当時の段階でも海外でも受けたのではないかと思う。
とりあえず、日本でだけで埋もれないで、海外にも広く知られて絶賛されてる今の状況は、嬉しい。
シティポップ、たいしたジャンルだったのだね。
今「シティ・ポップ」と呼ばれてる音楽を、当時リアルタイムでクリエイトしていたミュージシャンたちは、大いに胸をはっていいと思う。
最後に、竹内まりやさんの動画を取り上げておこう。
こちら↓
まあ、ネットやユーチューブが大きなきっかけになったんだと思います。
以前「YOUは何しに日本へ」という番組の中で、日本のシティポップのレコードを買うために、わさわさわ日本に来た外国人さんがいました。
かなり詳しい人で、今のポップのファンでは知らないようなことをよく知ってて、番組を見てて私はビックリした覚えがあります。
まりやさんの歌は、まさに正当派のニューミュージック…いや、シティポップという感じで、聴きやすいですね。
「山下達郎&竹内まりや 夢のコラボ」だったか、そういうポスターが掲示されていましたよ。
リアルタイムで、お二人は「時の人々」なのですね。
現在、欧米にて山下達郎ブームが到来したのは、だんぞうさんがカセットテープ『ベストヒット・ソング』をサンフランシスコのホテルに忘れたからかもしれませんね(笑)
あれから何10年か経ったでしょうが、契機としては、そういう「偶然」から始まるものですよ。
附属されたYouTube拝見致しましたけど、まさに「正統派ミュージシャンによる正統派楽曲」ですね!
私にも新たな感動がありました。