BanaLOG R  ばなログ:-)

~楽しい方に正直に~車椅子バスケのコーチ修行日記

ついていけていない・・・

2011年11月30日 | 今日のできごと
こんばんは。ばなです。


今日の新発見。

うちのテレビでもBSスカパーが映る。ということ。
知りませんでしたー



地デジ化したあたりから、いや、CS放送とかが始まったころからかもしれない。

テレビのチャンネル数の増加についていけてないー


スカパーのHPみたけれど、スカパーHD!とかe2とか光とか、いろいろあってよーわからん。
誰か教えてくださいー


今までは、テレビの配線なんて何の苦もなくできていたけれど、
やっぱりそろそろ限界が来ているのだろーか


でも、せっかく女子選手権決勝の再放送もありますので、
なんとかついていこうと思った次第であります。

皆さんも、是非スカパーをご覧ください。


スカパーのCMの黒沢は大好きなんだけどなぁ。


RooとROOTs

2011年11月29日 | 今日のできごと
おはようございます.

最近,ここではあまりROOTsのことを書いていませんでしたが,
るーが自分のブログでおめでとうコメントを書いてくれたので,
アンサーします.

ROOTsはうちの大学の学生が作っているチームです.
学生チームの中ではけっこう頑張っている方で,過去3年間の学生選手権は準優勝,準優勝,優勝.
ま,去年の優勝はぺーHC(当時)に指揮してもらったもので,
私自身は,実はまだROOTsと一緒に日本一(の瞬間を味わったこと)がありません.

今年,私の悩みは仕事やU-25の代表コーチなどで時間が割かれて,ROOTsの練習に出ることが難しくなってきたことでした.
学生たちは,今年はばなさんも一緒に日本一!と嬉しいことを言ってくれて,
毎日の練習をとても頑張ってくれているのに.


そういうジレンマの中,私たちにとっての救世主が現れました.
その名もRoo.

ROOTsにうってつけの名前じゃないか! (え?そこ?)

いやいや,名前が理由ではなく,
彼が今まで学んできたこと,経験してきたことのすべてを学生に伝えてもらえないだろうか.
そう考えて,Rooにヘッドコーチをお願いすることにしました.
6月のことです.


Rooはイリノイ大学であのマイク・フログリーから直接指導を受け,
その後,スペインのプロリーグで活躍し,
日本に帰ってきたばかりでした.

マイクは私の憧れのコーチ.
私の本当の意味での車椅子バスケットボール人生は,
2002年のJキャンプでマイクの指導を受けたことから始まった,といっても過言ではありません.
自称・Jキャンプの申し子コーチ,です(笑)


U-25遠征から帰った7月,ROOTsはすっかり生まれ変わっていました.

Rooを通して,私は目の前にマイクを見ているかのような錯覚を何度も感じました.
学生がどんどん,生き生きと変わっていく様を見て,
嫉妬すら覚えました.
なんて素晴らしい時間と空間を生み出すんだ,と.
マイクのバスケが体にしみこんでいるRooのコーチングから,学ぶことはたくさんありました.

残念ながら,10月の学生選手権では準決勝で敗れ,3位に終わりました.
でも,あの準決勝の戦いは,私の経験した中でもベスト3に入るゲームだったと思います.

RooとROOTsが見せてくれたもの.教えてくれたこと.
それらをすべてもって,今回の女子選手権に向かいました.

Roo,ありがとう.
日本に帰ってきたら,また来てね.


次はROOTsの新人戦でリベンジだ!!
しゃー!!!

SCRATCH!!

2011年11月28日 | 今日のできごと
SCRATCHというチーム名の由来は?と聞かれることがあります.
3年前にチームを結成したときに,チーム名を何にするか,みんなでアイディアを出し合いました.

「いつもはばらばらに離れて練習しているけれど,
いざ!という時にはみんなで一か所にがっと集まって,日本一を目指す.そんなチームになりたいです」

そう言って,「SCRATCH」という名前を提案してくれたのは,内海選手でした.
そしてその日から,私たちはSCRATCHという名前を胸に掲げて,日本一への挑戦を始めました.

あれから3シーズン目の女子選手権が終わりました.
いつもは自分が出ない試合を客観的に書いていますが,
今日は自分の試合について論じてみたいと思います(笑)

11月26・27日に神戸グリーンアリーナで開催された第22回全日本女子車椅子バスケットボール選手権大会.
今回は6チームの参加で日本一が争われました.
例年よりもチーム数は少ないのですが,予選リーグと決勝トーナメントという構成になったため,
試合数は逆に増えた今大会.
SCRATCHはベンチメンバー含めて7名(のうち1名は私なので,実質は6名)の選手で二日間で4試合というタフな戦いになりました.


予選AリーグはELFIN・九州ドルフィン,WINGの3チーム.
予選Bリーグはカクテル・ブリリアントキャッツ・SCRATCH,という組み合わせ.
しかも予選1回戦,いきなり強豪のカクテルとの対戦から大会は始まりました.

この試合,もちろんあわよくば勝っておきたい,そういう気持ちは満々でした.
そうすると,俄然,予選の2試合目の戦い方が楽になります.
でも,そんな淡い期待は粉々に打ち砕かれました.

32対50.敗戦.

チーム結成以来,こんなにシュート率が低い試合があっただろうか?というくらいの低いシュート率.
前半は30.0%,後半はさらに落ちて16.1%.
カクテル戦で勝てるとすれば55対49くらいのスコアだろうと読んでいたので,
ディフェンスは読み通りだったのですが….

カクテルはほぼ一試合を通してオールコートプレスで当たってきました.
一試合ずっとプレスブレークをさせられることに心が折れてしまったのと,
ブレークに集中するあまり,ブレークした後のシュートへの集中が切れてしまって,
ハーフコートオフェンスがばらばら.
当然ですが,ずるずると点差が離れていってしまいました.

試合が終わった後のみんなの表情.
もうここだけ一足先に冬が来たのではないか,というくらい,顔色真っ白.
おそらく私もそうだったでしょう.
試合直後,スカパーから決勝へ向けての抱負をインタビューされたのですが,
正直,何をしゃべったのか覚えていません.


というわけで,今大会はどん底からのスタートになりました.


次の相手はブリリアントキャッツ.
カクテル戦での大敗の心の傷も癒えないままに二試合目を迎えることになってしまいましたが,
とにかく,今の状態とまずしっかりと向き合い,ここから一つ一つ良くしていこう,と話しました.
そう,「Better than the best」です.

この試合,経験豊富な愛知のレジェンド,高林美香選手がスタートから出てきました.
キャッツは大島ヘッドコーチを始めとして,本当にゲームに勝つための策をあの手この手で展開してくる賢明なチームです.
今回も,こうやられたら嫌だなぁ,と思うことを,次々と繰り出してこられました.

でも,そういうゲームの流れの読み合いの中で,細かく細かく修正をしながらゲームを進めていく,という
コーチとしての醍醐味を一番味わえたゲームだったようにも思います.
おそらく,私は選手の誰よりも集中していたはずです.
終わってからのぐったり感は半端なかった.

キャッツ戦をなんとか65対42で勝利し,予選リーグの2位通過を決めました.
この試合,相手の1スレ・大砂選手には27得点とやられましたが,全体のシュート率を32.3%にまで抑えることができました.
逆にSCRATCHは井上選手の26得点8リバウンド3アシストに続き,増子選手が14得点,成毛選手が10得点,萩野選手が8得点,と
かなりバランスよく得点することができ,シュート率も46.9%まで上がってきました.
特に,増子選手の復調はかなりチームを安定させました.

しかし,この試合は内海選手をあまり出すことができず,得点も記録されませんでした.
準決勝以降は,内海選手の使い方がキーになるだろうな,と帰り道にぼんやり考えていたのを覚えています.


準決勝の相手は予選Aリーグを僅差で1位通過した九州ドルフィン.
これまたオールコートプレスが強いチームです.

宿舎に帰り,スタッツとビデオを見直しました.
カクテル戦のスタッツを見て,あれ,と思いました.
シュート率は悪かったものの,シュート数はほぼ互角.
つまり,ブレーク自体はできていた,ということ.

ふむ.

その日の夜は,寝ても覚めてもプレスブレークのイメージが頭を離れませんでした.
ブレークだけで終わらず,そこからどう展開していくか.
どうやってリズムをこちらに引き寄せていくか.
今のやり方はあっているのか,あっていないのか.流れはどちらにあるのか.
それらの読みを間違えないように,最大集中で準決勝に臨みました.

やはりドルフィンは立ち上がりからプレスを展開.
しかし,もう慌てません.
試合前に選手に伝えたゲームプランは,ばっちり合っていました.

企業秘密なので詳しくは言えませんが(笑),
プレスブレークでもクロスのタイミングとそのあとのホールドが非常によくなって,
さらにはクロスをもらったピッキーがしっかりとプッシュをしてスペースを作ったことで,
一気にレイアップまで行ける場面がぐっと増えました.
そして何より,レイアップを勇気を持ってしっかり打ち切ることに,みんながチャレンジしてくれました.
前半のシュート率46.4%から,後半は64.0%にまで上昇.トータルでも54.7%という高いアベレージを記録.
驚くべきことに,この試合でクラス1の萩野選手は20得点を記録!
井上選手の24得点に続くポイントゲッターになりました.素晴らしい!


決勝の相手は,再びカクテル.
昨日はあれだけ大敗したのに,なぜか決勝はもう一度カクテルと戦いたい,と思っていました.
ここを解決しなければ,この大会で大きな忘れ物をしてしまうのではないか.
そんな気持ちでした.

強い相手と戦う時にまずすべきことは,相手が強いと認めること.
そこから始めなければ,解決策は見えてきません.

今,自分の手にあるカードは何なのかを一つ一つ整理しながら,
それを出すべきタイミングのシミュレーション.
アップをしながらも,ずっとイメージングを繰り返しました.

Victory loves preparation.

確かブッシ―がFBで書いていたような….
この言葉が,ストンと胸に落ちてきました.

これまで,これほどの準備をして試合に臨んだことがあっただろうか.
いや,準備をさぼっていたのではなく,準備をする,ということがどういうことかを本当にわかっていなかったんだ.
そう気づきました.
それを教えてくれたのは,ROOTs with Roo.
間違いなく,この夏の彼らと過ごした時間が,今私の力になっている.そう感じました.


決勝戦.
SCRATCHが勝てるとすれば,接戦でついて行って最後にひっくり返すしかないだろう,と読んでいましたが,
試合はこちらが望んだとおり,最初から最後まで接戦の展開でした.

相手の1スレは日本の1スレでもある網本麻里選手.
この超強力シューターに全力でプレッシャーをかけにいく.
それをどこまでやり抜くことができるか.
プレスブレークは丁寧に丁寧にピックをかけて,みんなでゴールアタックをかける.
それを最後まで集中してやり続けることができるか.


あれだけプレッシャーをかけたにもかかわらず,網本選手は26得点をマーク.
カクテルのトータルのシュート率は,41.4%と勝利のレベルまで来ていました.
やはり,一試合51得点という世界記録を持っている選手だけあって,その能力は半端なく高いものでした.

しかし,この日のSCRATCHは,本当に神懸かり的な集中力を持っていました.

網本選手との日本代表対決として注目を集めた井上選手の得点は15得点.
しかし,この井上選手が相手ディフェンスをがっつりひきつけ,
そして的確に,パスをよりシュート確率が高いポジションにいる選手に供給し続けた結果,
増子選手は14得点,成毛選手と萩野選手は12得点を記録.
さらに,井上選手に代わりにコートに入った内海選手は,
わずか11分弱のプレータイムで11得点と,実に5人の選手が二けた得点を挙げたのです.

まさに,attack together.
ローポインターだからシュート確率が低い,ということではなく,
ローポインターでもシュートが入るシチュエーションを生み出し続けた結果,
前半のシュート率は54.2%,後半はさらに上がって60.7%,トータルではなんと57.7%まで上がり,
今大会で最も良い数字を残したのです.


…こう書くと,楽勝したかのように聞こえますが,
しかし,試合は最後の最後までもつれました.

第3Qの残り2分,カクテルが42対40とリードしている場面で,井上選手が4つ目のファール.
ちょっと早いな….
でも,残り時間を考えると,井上選手をベンチに下げざるを得ません.

内海選手を振り返ると,彼女は待ってましたとばかりに,ものすごいオーラを持ってコートに入っていきました.
少なくとも,私にはそう見えました.

1試合目から確実によくなっている彼女のプレーに,ここは一つ懸けるしかない.
ベンチから,こんな場面で井上選手と一緒に戦況を眺めることになるとは…とも思いましたが,
不思議と,焦りは全くありませんでした.

第3Qを44対44の同点で終えた時,
井上選手をコートに戻すかどうするか,考えました.
でも,流れは悪くない.ディフェンスは崩れていない.
もし相手に先行されたとしても,ぎりぎりまで内海選手で勝負しよう.
あとはいつ,井上選手というカードを切るか,そこを見極めよう.
井上選手を見ると,彼女もそれでいい,と目で答えてくれました.

そして第4Q.
もうここまでくれば何も言うことはありません.
みんなは一試合ごと,1クォーターごとに成長してきたよね.
だから,最後のクォーターは,この大会で一番いいゲームをしよう.
そうすれば必ず,結果はついてくるから.
確か,そんなことを話したように思います.

それにこたえるかのように,本当に一番いい時間を選手たちは見せてくれました.
内海選手と萩野選手のオフサイドシールは,とても強かった.
24秒ぎりぎりで放った増子選手のシュートは,スローモーションのようにきれいにゴールに吸い込まれた.
スローインからの一瞬のひらめきで,成毛選手はゴール下のシュートをするするっと決めた.

それを見ていた井上選手がベンチで一言.
「これでいけるんじゃん.大丈夫だよ.」

そうだよね.いけるよね.
つかず離れずの展開でしたが,気づけば逆に6点のリードを奪っていました.

時間は過ぎていき,残り3分を切って,相手はファールゲームをしかけてきました.

ここだ.

内海out,井上in.


ここからの井上選手は圧巻でした.
緊張感高まる場面でも動じることなく,
エンドゲームのフリースローを5/6という確率で沈め,
勝利を確実なものにしてくれました.

そして,タイムアップ.
66対58.勝利.


もっと大騒ぎして,もっと号泣する予定だったのに,
なぜだかホッとして,そして嬉しくなって,ケタケタと笑っていました.

そんなこんなで,日本一になりました.
応援していただいたみなさん,ありがとうございました!
東北のみなさん,やりましたよ!!







パラパンアメリカ2011

2011年11月17日 | 今日のできごと
こんにちは.ばなです.
すっかり冬らしくなってきましたね.

さて,現在メキシコではアメリカ地区のロンドンパラリンピック予選にあたる,パラパンアメリカ2011という大会が開催されています.
この大会では,男女とも3位までに入った国が,ロンドンへの出場権を獲得する,とアナウンスされています.

今日までで予選リーグが終了しましたので,ざっと状況をみてみましょう.

男女ともアメリカ地区では,アメリカ・カナダの2強の優位は依然として揺るがないようで,
それぞれの予選プールで1位の座を占めています.
注目すべきは予選プールの2位に入っているチームです.

男子
プールA1位:カナダ  同2位:メキシコ
プールB1位:アメリカ 同2位:アルゼンチン

女子
プールA1位:カナダ  同2位:ブラジル
プールB1位:アメリカ 同2位:メキシコ

メキシコは世界選手権・パラリンピックとも,順位は下位になってしまうことがほとんどではありますが,
でも実は大きな大会の参加常連国でもあります.
特に女子は伸びてきている印象があります.
(以下,女子の話になりますが,ごめんなさい)


この大会はスタッツの情報アップが速く,かつ,細かいデータを公式HPから拾うことができます.
チームごとのこれまでのスタッツをみていて目を引くのは,ブラジルです.

FG%のトップ3がアメリカ(48%),メキシコ(47.8%),ブラジル(41.3%)で,
その中でもブラジルは打った本数が252本と出場8チームの中でも群を抜いて多いのです.
それなのにこの高確率をキープしているとは….
かつ,スティール数が85本と,これまた2位のメキシコの58本に大きく差をつけています.
アシスト数もアメリカ・カナダ・メキシコに引けをとらない一試合平均14.0個を記録.
そしてそして,ブラジルのターンオーバー数は最も少ない20個.
一試合平均,なんと6.7個です.

あれ…こんなチームだったっけ?と,正直思うくらい,スタッツ上は強豪チームのそれに引けをとりません.
実は日本は2010年の世界選手権バーミンガム大会でブラジルと対戦しており,
その時のスコアは69-22と日本女子代表の圧勝でした.

…ですが,よーくよくボックススコアを見てみると…,ん?
ブラジルのメンバーの名前が,今回のアメリカ予選の名前とだいぶ違っているような…?

そこで,2010年のブラジル女子代表と今回のアメリカ予選に出ているブラジル代表のメンバーを見比べてみました.
すると!なんと!
2010年の代表メンバーで残っているのはわずか2名のみで,あとはすっかり入れ替わっているではありませんか!

たった2年でこれだけのメンバーを入れ替え,そしてスタッツ上で見る限り,すっかりイメージが変わるなんて,
いったい何が起こっているのだブラジル!?

でも,2016年のパラリンピックはリオデジャネイロ.そう,ブラジルは無条件で参加できるのです.
それに向けての強化を既に始めている,ということなのでしょう.
今大会に出てきている選手も半数以上が20代と,若い選手が増えています.
うーむ,侮れない.


ブラジルだけでなく,メキシコも今後伸びてくることが期待される国の一つです.
U-25女子ジュニア世界選手権でも日本はメキシコと対戦しましたが,
ビッグマンの高さはどうやっても日本が届かないくらいですし,
加えてアウトサイドのシュート確率もなかなかのものがありました.

おそらく,アメリカ・カナダに続く3枠目はメキシコとブラジルの争いになると思いますが,
ここはかなり注目ですね.
準決勝は日本時間で明日の朝7時からアメリカ対ブラジル,同じく日本時間の明日朝9時15分からカナダ対メキシコです.
ライブ映像の映りはあまりよくないこともありますが,ちょっと早起きして観てみようと思います.

AOZ女子は3強時代へ -ロンドンAOZ予選‐

2011年11月07日 | 今日のできごと
おはようございます.ばなです.

現在,韓国において来年のロンドンパラリンピックへの出場権をかけたAOZ(アジア・オセアニアゾーン)地区予選大会が開催されています.
結果は日本車いすバスケットボール連盟のHPにも速報されていますのでご覧ください.
http://www.jwbf.gr.jp/national_team/info/paralympic/game/2012.php

また,大会公式HPではライブ映像ならびにライブスタッツも見ることができます.
日中の試合なので見れないよー,という方も大丈夫.
VODで後からでも見ることができます.

さて,男子は初日にイラクと対戦したのち2日のオフを経て,本日からまた試合が始まります.
女子は4か国(オーストラリア,中国,韓国,日本)のみの出場ですので,2回ずつ対戦するリーグ戦形式です.
最終日に決勝と3位決定戦がありますが,
アジアからのパラリンピック出場枠は男女とも「2」なので,
決勝進出が決まった時点で,パラリンピック出場権も獲得,となります.
そういう意味では「予選」となるリーグ戦の戦い方は非常に重要です.

ここからは,既にリーグ戦での対戦が一巡した女子の部について考えてみましょう.


今大会,国際大会には初出場(?私の知る限りでは初めてです)の韓国は,
やはり他の3か国とは大きく差がひらいてしまっています.
でも,もともと韓国は健常のバスケットボールでも強い国なので,
本気で強化に取り組めば,いつかはいい試合ができるようになると思います.

そう,中国のように.

2005年に開催された世界選手権AOZ地区予選に,それまでこうした国際大会への参加がなかった中国代表が初めて出場しました.
その時の日本対中国のゲームスコアをはっきりとは覚えていませんが,
日本はたしか100点近くとり,中国は20点にも届かなかったと記憶しています.

あれから6年.
昨年12月のアジア大会でも日本と接戦を演じた中国は,
これまでアジアの2強と呼ばれてきたオーストラリアと日本と肩を並べる強豪国に成長したことが,
今大会の戦いぶりでいよいよ明らかになったと言えるでしょう.

オーストラリア対中国の1戦目は,最終スコアだけ見るとオーストラリアが68対49と圧勝しているように思われますが,
この点差は中国の主力選手がファールアウトしてからついたもので,
実は中盤までは結構競っていました.
そして昨日の日本対中国では,序盤から中国が主導権を握り,結局そのままタイムアップを迎えました.
(前半はかなり中国寄りの審判の笛があったのも事実ですが,それは置いておいて).

中国がもつ絶対的アドバンテージは,その「高さ」と「力強さ」です.
オーストラリアにも背の高い選手はいますが,線が細く,接触には弱い部分が否めません.
日本においては,中国選手と並ぶとハイポインターですら小さく見えてしまいます.
実際,あれだけ大きい選手が目の前に立ってしまうと,シュートに対するプレッシャーは相当なものと思われます.

また,力強さについてはハイポインターに限ったことではありません.
中国のクラス1やクラス1.5の選手を見ると,胸までくる体幹ベルトをがっちり巻いているのが目を引きます(背番号が見えません).
日本では苦しいから,という理由であまり体幹ベルトを巻きたがらない選手も多いように思いますが,
このベルトを巻くことによって体幹のブレを抑え,手の力を余すところなく車いすに伝えることができ,レイアップシュートもしっかり打てています.
そしておそらくかなりの練習をしているのでしょう.
日本のハイポインターとマッチアップしても,簡単に抜かれるようなことがなくなっています.

オフェンスについても,これまで数年間にわたって取り組んできたピックやシールといった
チームプレーの精度を一段階上げてきています.
ミスマッチを作ってその上から打つシュート率も高くなっています.

まだファールが多く,プレーに粗さが見られることは否めませんが,
高さ,強さを手に入れた中国が賢くプレーしだすと,オーストラリアや日本にとってもかなりの脅威になってきます.

日本だってよくないわけではありません.
実際,一昨日のオーストラリア戦では59対56で接戦をものにするなど,着実に走力・スピード・決定力を上げていることは間違いありません.
ただ,これまでのようにオーストラリアだけをみて大会を戦っていくことは,もはやできなくなっているということを
しっかりと認識する必要がある,ということです.
その上で,どうやってこのゲームに勝つか,を考え,それを最後までやり続けることが大切になってきます.


さて,今日から二巡目が始まります.
これまでのところ,オーストラリア,中国,日本は1勝1敗でならび,三つ巴の戦いとなっています.
注目すべきは今日10時からのオーストラリア対中国戦ですね!
日本は今日の韓国戦の後,明日・明後日が勝負になります.
女子の熱い戦いに注目しましょう!