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だいぶ過ぎてしまいましたが、春の交通安全週間に会社に最寄の警察署の警察官が来られて、安全講習会を開催されておりました、その際に配布された資料に”贖(アガナ)いの日々”という冊子があり、何気なく読んでみましたが、日ごろの自分の運転を見直すいい機会となりました、ご意見はいろいろあると思いますが、あらためてハンドルを持つ重さを感じました。冊子の一文から
◇「ゼロ」からのスタート
Y・K 元団体職員(40歳)
平成14年6月、道路交通法の改正により、飲酒運転等の悪質・危険運転に対する罰則が引き上げられた。
勤務先の朝礼にて、改正内容が記載されたコピーが全員に配布され、「車通勤者は交通ルールを遵守し、十分注意して運転するように」との忠告がありました。
私はそれまでは当然のことながら飲酒運転はいけないことと頭で理解していながら、一方で「自分だけは大丈夫」とか「飲んでも休んでいけば大丈夫」という甘えた考えを持っていたのです。
その結果、取り返しのつかない悲劇を起こすことになるのでした。
その日は月末だったので、いつものように仕事は忙しく昼食も取らずに慌ただしく仕事をしていると、他の支店の仲の良い上司から「たまには飲みに行こうよ」と誘いがありました。
ちょうどその日はいやなことがあったため、愚痴でも聞いてもらおうと久し振りに会うことになりました。
居酒屋で待ち合わせをし、そこでビール1本と焼酎のウーロン割り3~4杯飲みました。
昼食抜きだったので酔いが回り、気分もよくなっていました。
時間も10時を過ぎて明日も忙しいということで、その場で解散となりました。
いつもならそこで帰るのですが、その日に限って臨時収入があったので「たまにはスナックでも行ってみるか」と思い、車を走らせたのです。
そこでも焼酎の水割りを3~4杯ほど飲み、カラオケを数曲歌っているうちに時間は午前零時を回っていたのです。
車の中で休んで朝帰りをしようかと思ったのですが、明日も忙しいので家に帰って布団で寝た方が疲れは取れると思い、またもや車を走らせたのです。
そして、その帰り道の途中、信号機の見落としにより左方から直進してきた車と衝突してしまったのです。
一瞬「ドーン」という音と同時にエアバックが作動し目の前が真っ白になり「キーン」という耳鳴りがし、自分の車は惰性で100メートル位走った後、たまたまそこが分岐点だったので事故現場から見づらい場所に止まっていたのでした。
私はシートベルトを締めていたため幸いにも大した怪我もありませんでした。
そこで、「自分が大したことないのだから、相手の人も大したことはないだろう」と自分勝手な解釈をし、相手の車を確認せず相手の方を救護することなく自分の車を道端に置いて、その場から逃げてしまったのです。
現場から15分ほど歩き、タクシーで家に帰り妻に報告した後に、ふと我に返り「自分は何やっているんだ。相手の人が怪我をしているかもしれないのに」と思い、電話でタクシーを呼び、現場に出頭して現行犯逮捕となりました。
その場で相手の方が即死したことを警察官から聞き、目の前が真っ暗になり、その場で崩れ落ちてしまいました。
「自分だけは大丈夫だろう」という自分勝手な考えが尊い人の生命を奪い、幸福な家族を一瞬にして不幸のどん底に陥れてしまったのです。
今まで人を傷つけたこともなかった私が人殺しをしてしまったのです。
私は留置場に拘束されている間、「何と大変なことをしてしまったのだろうか」「何で私が生きていて相手が亡くなってしまったのか。自分が死ねばよかった」などと毎日後悔し、眠れない夜が続きました。
その間、妻と両親には通夜、告別式、初七日、四十九日と、私に代わって伺わせてもらいました。
遺族の方々からの憎しみは、私に代わって家族に向けられどんなにか辛い思いをしたのかと思うと、何もできない自分が情けなくなってきました。
拘束されて約1ヶ月を過ぎた頃、会社の人事課の人が見えて、懲戒解雇の告知を受けました。
約18年間勤務し、お客様、会社の人たちに挨拶もできないまま、解雇となってしまいました。
第1回目の公判にて懲役5年の求刑を受けた後、保釈申請により保釈が許され、直ちに被害者宅へ謝罪に行きました。
線香を上げさせてもらって「本当に申しわけございませんでした」と頭を畳にこすりながら何度も謝りました。
奥様に「家に帰って子供を抱っこしないでよね。うちの子供は一生抱っこしてもらえないんだから」と言われた私は、ただただ頭を深く下げるのが精一杯でした。
私の自分勝手な行動により、大切な夫、また大好きなお父さんを奪ってしまったのです。
頭の中で思っていた以上に現実は厳しいものでした。
第2回目の公判で懲役2年10月の判決を受け、現在市原刑務所にて反省の日々を送っています。
民事裁判にて、約9千万円支払うことで被害賠償金については一応解決しましたが、これからどのようなかたちで償いをすればよいのか、残された受刑生活の中で考え悩み続けるつもりです。
昨年の交通事故による死者は7702人と46年ぶりに8千人を下回ったということですが、まだまだ多いと思います。
私たち受刑者が悪い見本となり、1人でも交通事故による犠牲者が減ることを祈りながら、私の帰りを待っている家族のためにも、ゼロからのスタートとなりますが、初心に返って頑張って生きていくつもりです。
贖いの日々 ↓
http://www.geocities.jp/squat1948/kotujiko.html
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