石ころ

フィナーレ



 玄関前に植えた朝顔が枯れてきて、伸び放題の荒れ果てた様子が嫌で「片付けたいから手伝ってほしい」と息子に話した。
彼は「いや、ちょっと待て。まだ沢山の蕾がついているから・・」と言う。

私は「せっかく綺麗に咲いたのに、最期をあんな状態にしておくことは無残なんだよ」
「それは自然なことだろう・・」と聞き入れて貰えなかった。
しかし少しして「でも、おかあさんが植えたものだから、おかあさんに権利があるね。手伝うよ。」と言ってくれた。

 pcのマウスの調子が悪いとすぐに買って来て取り替えてくれたし、ソファカバーの取り替えついでの大掃除を手伝ったり、エアコンの掃除も気軽にしてくれた。
いつも彼の休みは私の日頃の願いをかなえるために多くの時間が割かれる。今は10日間もあったのでずいぶん助けてもらった。

助けてくれる者があるから、老人でも安心して一人暮らしが出来るのだと思った。ブログも助けなしにはできないのだ。
気になったことや不都合なことがあっても、ちょっと待てばなんとかしてもらえる。その安心感があるから・・。

 朝顔の支柱を倒してネットごと始末しようとしたとき、「待て」と彼が蕾の付いた蔓を丁寧に切り取って「これは明日咲くよ」と言うから、蕾の付いた蔓を花瓶に挿した。
鉢はひっくり返して底石を取り除き、スコップでビニル袋に入れるまでを手伝ってくれた。これはありがたいのだ、結構力仕事だから・・。
その場所にコスモスのプランターを並べて、汗にまみれて終わった。

私が洗面所に落していた一個の蕾を、彼は小さな瓶に挿していた。
今朝、それらの花が開いてフィナーレを飾った。一個の蕾もきれいな紫色に開いていた。
みんな「ありがとう」と言っているようだった。私も心の中で「ありがとう」が言えた。

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コメント一覧

ムベ
Bluemomentさんコメント感謝します
実は当方では、カンカン照りの厳しい暑さが続いているのです。
テレビを見て、関東の様子を「涼しそうだな・・」と羨んでいました。

花の命・・というと儚げですが、どうしてどうして、どんな環境でも生きようと健気ですね。
夏の長雨と涼しさには、作物が被害を被るのですね。
我が家も、ミニミニトマトがまだ成っています。ちょっとサラダの色になるので・・重宝して置いています。
ムベ
電気屋さんコメントを感謝します
ほめていただいて嬉しいです。ありがとうございます。
喜びを持って、イエスさまに感謝のお祈りと致しました。
すべての平和は主からたまわるものですね。
Bluemoment
今年は雨の多い夏ですね。
私もいろいろ育てているので、「植物の片付け時」には迷いますし、心が痛みます。
終わりごろは虫もたくさん寄ってきてボロボロで、見た目も良くないのですが
私の都合で撤去するのも…などと考えてしまいます。
去年、片付けた後にこぼれたらしい朝顔の種が
秋にまた発芽しました。
寒くなってきたのにどうなるのだろう、と様子を見ていたら、ほとんど成長しないのに
しっかり小さい花を数輪付けていました。
プチトマトも、ボロボロで撤去するときにまだ残っている青い実を採って置いておいたら、
赤く熟していました。
次の世代を繋いでいく力のすごさに感動してしまいました。

花瓶で咲いた朝顔は、また違う美しさがあるだろうなと思いました。
電気屋
何気ない(?)ようなやり取りに

「いい息子さんだな」

って思いました。
そしていい息子さんを生んだ母は

「よきお母さん」
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