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ちょっと聞き耳を~今宵もモスコミュールてんこ盛り~

アニメ、漫画を中心にして東京一の日常文を提供していくブログ

灰羽が傑作の理由、その一つがこの中盤

2006-03-04 23:06:34 | アニメ


灰羽連盟  5~8話
公式HP   1~4話  9~12話  最終話


何故このアニメが傑作として語り継がれているのか。
その片鱗を垣間見ることが出来る灰羽連盟中盤の物語。

クウの巣立ちという一つの出来事を境に180度変わってしまう
作品の雰囲気に戸惑ってしまう人もいるかもしれません。
かくいう私もその一人。
クウの巣立ちが語られる6話を初めて見たとき
そのすごさに鳥肌が立ちっぱなしだったのを今でも覚えています。

これから先、終盤に向けて鬱々しい展開が多くなってしまう灰羽連盟ですが
忘れてほしくないのは「巣立ち」というのは決して哀しいことではないのだということ。
それさえ覚えていればきっと大丈夫です。


第5話 〝図書館・廃工場・世界のはじまり〟

ラッカのお手伝いシリーズ、今回の舞台はネムの働く図書館。
以前から壁の外を気にしていたラッカは
ここなら何かあるのではと意気揚々と探してみますが
結局手がかりはあまり見つからずにガッカリ。

それにしてもネムは睡魔の巣窟である図書館で働くとはチャレンジャーですね。

図書館に通ううちに壁の外という範囲を大きく超えて
世界のはじまりに興味を持ち始めるラッカ。

そして最後、スミカ宛を名目に視聴者へ向けて語られる世界の始まり。
灰羽とは?グリの街とは?そんな疑問に対する答えのようなこの話ですが
あくまで製作者はラッカとネム。
つまりこれは一つの解釈でしかないということです。

これを信じるもよし、これとは他に自分だけの解釈を作るもよし
そういう考察の楽しさを与えてくれるのもこの灰羽連盟の魅力です。


第6話 〝夏の終わり・雨・喪失〟

「う~んと深呼吸して、鼻がツーンとしたら、それが冬の始まり」
こういう季節の捉え方、大好きです。
いつまでもこういう感覚を忘れない人であろうと思わせてくれるいい台詞ですね。

順当に行けば今回はクウのお当番回ですが……まさかこうなるとは。
思えば5話での意味ありげな「さようなら」もこの伏線だったのか。

そう、ついに訪れます―――灰羽の巣立ちの瞬間が。
「発つ鳥跡を濁さず」の言葉通り身支度を整えていくクウ。
そんなクウの違和感に敏感に反応するラッカ。
夏の終わり、雨そんな寂しい雰囲気と相まって
ラッカの不安感が強烈に伝わってきます。

1話から5話にかけて、
まるで天国のような温かさを描き続けてきたグリの街での灰羽の生活。
そんな楽しさの終わりを告げるかのような衝撃を与えてくれたクウの巣立ち。
冬のように突然訪れた別れはラッカにも相当堪えたようです。


第7話 〝傷跡・病・冬の到来〟

あれから一月、ラッカはまだクウの別れを受け入れることができないでいます。

「よかった……」―――ヒョウコの台詞に怒りをあらわにするラッカ。
クウの部屋からベッドを運ぶことに抵抗を覚えるラッカ。
罪憑きの傾向が現れ、自ら羽を切り苦しむラッカ。

今までのほのぼのした展開からは想像できるはずもない
痛々しすぎるラッカの姿は、
思わず目を逸らしたくなるほどの鬱々しさがあります。

巣立ちの衝撃から病んでしまったラッカを嗜めるように語られるレキの過去。
今でこそリーダー格としてしっかり振舞っているレキも
過酷で壮絶な時を過ごしてきたのだということが知らされます。

そんなレキの話の中で特に印象に残ったのは壁の話。
外敵から守ってくれる頼もしい存在か、自らを閉じ込める哀しい檻か―――
前提の違いでここまで変わってしまう壁の存在、本当に奥深いです。


第8話 〝鳥〟

クウがいなくなり、
そして時を同じくして不完全な夢から来る罪憑きが発症してしまったラッカ。
周りの状況をしっかり認識できなくなるほどに病んでしまっているその姿、
前回のレキの話もあまり効果はなかったようです。

もうこうなると自分自身で答えを見つけるしかありません。
だけどどう見つけていいのかも分からない。
そんなもがき苦しむラッカを導いてくれたのはカラスたちでした。

カラスに導かれるまま進んだ先には枯れた井戸。
その底でラッカはついに夢の不完全だった部分を思い出します。

ところで気になるのは井戸に落ちたラッカの見た夢の最初の部分。
井戸から見上げたようなあの描写は?ドアの開閉する音、水の音はいったい?
灰羽死者説に立つならば前世のラッカの見た光景ともとることもできるし
あの夢の終わりからグリに落ちてきたラッカの見た光景とも受け取ることもできる。
上手い解釈をしているところがあれば知りたいです。



3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
またまた (通りすがりの灰羽好き)
2006-03-05 22:22:06
おじゃましにきました。

8話というのは他とは違った特別なタイトルだけに特別な話なんでしょうね。



想像なんですが、あの暗転してからのシーンは、

・キュッキュッという音は、病院や学校の濡れたリノリウム床を力なく歩く音。

・重いドアを開ける。

・外の雨音がより大きく聞こえてくる。

・そして、ためらい。

・ついにドアが閉じられる。

という感じで、灰羽になる前の最期の記憶なんだろうと妄想しています。



あと井戸か水にも特別な意味があるんだろうなあ。

本当のところは何かさっぱりわからないんですけどね。
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やはり (bachan-001)
2006-03-06 00:36:08
そう解釈するのが妥当ですかね。



井戸の場面は村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」に

似たような場面があります。



考察の参考になる部分もあるかと思うので

未読ならぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
返信する
うーむ (通りすがりの灰羽好き)
2006-03-06 19:45:22
やぱり、ねじまき鳥は読まなきゃだめっぽいですね。

と前にコメントを入れたままだったり…



今度、ぜひ探してみます。
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