家族計画 ~心の絆~
家族を探す者、逃げ出した者、捨てた者、弾かれた者―――
そんな家族から外れ、そして社会から外れた人たちが
世を欺くために、またお互いの利益を求めて互助しあうために立案された「家族計画」。
そんな家族を演じていくことになるのは
いずれも深い心の傷や忌まわしい過去を背負った個性的な七人の人たちです。
このゲームのテーマは言うまでもなく「家族」。
特に終盤の各キャラ専用シナリオは内容は全く違うけど
この家族を求めるという点では共通しています。
だけど先にも書いたようにこの「家族計画」に参加している人たちは
家族に対して少なからずトラウマを抱えた人たちばかり。
そんな人たちがもがき苦しみ、そして助け合いながら家族を求めていく姿は
専用シナリオの内容の重さと相まって
ときに見るのが辛くなるほどの切なさを覚えます。
では家族の影の部分にしか触れていない欝ゲーかというと
そうじゃないのがこの「家族計画」が名作として語り継がれている所以。
たしかに専用シナリオは一時間やる毎に
五分休憩を入れたくなるほど重かったりしますが、
共通シナリオは終盤の重たい展開が信じられないほどのギャグ満載の明るい話。
家族から外れた者同士が一つ屋根の下で生活する
「家族計画」はいわば偽りの家族生活。
にも関わらず、喧嘩したりふざけたりお互いを気遣ったりする姿は
本物の家族以上に家族らしく見てくるから不思議。
家族の陰と陽、二つの側面を実に上手く描いている『家族計画~心の絆~』。
この手のジャンルのゲームにあらぬ先入観を持ち
中々手が出せないでいる人にこそ遊んでもらいたい作品。
きっとこういうジャンルの対する見る目が変わることだと思います。
私がそうだったように。