沖縄市あゆみ保育園ブログ

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貧困の実態・改善訴えシンポジウム

2010年06月30日 | 保育
シンポジウム「沖縄の保育から見た子どもの貧困」(主催・沖縄弁護士会)が26日、
那覇市内で開かれ、親や保育者、研究者ら4人が登壇し、
それぞれの立場から見た沖縄の保育の現状をかたった。
弁護士や保育関係者ら約120人が集まり、
将来の担い手である子どもたちへの公的なサポートの必要性を確認した。

保育現場の立場から発言したあゆみ保育園の川上忠正施設長は、
県の統計に漏れている無届けの園が多く存在することを指摘した。

行事の日に、弁当の代わりにカップラーメンを持たせる親がいたと話し、
一人親世帯など苦しい家計への支援が必要だと強調。政府が進める保育制度改革については、
利用料を園が独自で設定すると値下げ競争が始まり、
子どもへの充実したサービスが行き届かなくなることを懸念し「改革は国家による児童虐待だ」と訴えた。

琉球大学の吉葉研司准教授は、待機児童数の統計が始まった1995年の時点で、
待機児童数がすでに2510人いたと説明。
待機率は11.9%で全国の1.9%を大きく上回る結果で、現在も依然として課題が残っていると指摘した。

吉葉准教授は「沖縄の保育は私的な努力で支えられてきた。
社会的な問題を置き去りにして、親の養育放棄の問題にすり替えられている」と主張。
核家族化が急速に進む中、若年出産や一人親世帯の子育てをサポートする重要性を語った。

「沖縄市子育て勉強会」の鈴木裕一郎さんは、親から見た保育の大切さを話した。園生活を通して日々成長していく息子を紹介し
「同世代のことの関わり合いの中で子どもは変化していく。家庭だけでは得られない経験が保育園にはある」
と集団生活の意義を強調した。

進行を務めた大井琢弁護士は「保育と子どもの貧困という課題に、子どもの権利を守る専門家として今後取り組んでいきたい」と話した。

                        2010年6月29日付 沖縄タイムスより