佐藤文音制作日記

NEWS、日々のこと。

版画日誌 5/31 キッチンリトグラフ練習②

2024-05-31 23:30:00 | Weblog
第五金曜日は工房休み。
かわりにレンタルスペースを借りて、友人たちにキッチンリトグラフ付き合ってもらった。









あと1回同僚と練習する予定。

版画日誌 5/24 キッチンリトグラフ練習①

2024-05-24 23:00:00 | Weblog
先週、今日(24日)作品を刷ると宣言したが全然間に合わなかった。
かわりにキッチンリトグラフの練習をすることに。

◾️キッチンリトグラフとは何か
コーラ、オイル、チョコレートなどキッチンにあるものだけでリトグラフを行う。
リトグラフは化学反応を必要とする複雑なものだけど、それが身近なもので出来る。
2011年にフランスの版画家が始めたらしい。
長所→台所まわりのもので出来るのが面白い、ワークショップ向き。
短所→簡易的なものなので「販売/展示可能な作品」になるかといえば微妙。
繊細な描写は出ない。(※個人の意見)



そろえた材料。
ここで早速失敗したのだけど、シリコンが混ざったアルミホイルを購入していた…
表面が滑って描けなかった。

◾️注意点①
アルミホイルはスタンダードなもの。
◾️注意点②
最初ダンボールに巻きつけたのだけど失敗。
インクをのせたときにダンボールの凸凹が出てしまう。
プラスチックなどのツルツルした固いものにすべき。エンビ板、プラ板など。
◾️注意点③
紙はかなり湿した他が良い。
ただそれが乾いたあとシワになるのが嫌。
水張りするか…?ここら辺はもう少し考える。
今回はアルシュ、アトラスモアの版画紙を使用した。個人的意見では薄い紙の方が良い。
◾️注意点④
コーラにレモン汁を入れて酸性を強めていい。というかかなり強めた方が安心。
インク盛る前にSK液を塗布したら版が安定した。
◾️注意点⑤
机がびしゃびしゃになるのを考えたい。
アルミ内にコーラ・水が入ってしまう…


コーラに浸してるところ。



上 刷れたもの
下 アルミホイル板


右 アルミホイル板
左 刷れたもの




右上 アルミホイル板
右下 左から1枚目、2枚目。
2枚目はインクを少なめに盛ってみた。

来週は工房が休みだけど、大学時代の友人が上京するというのでレンタルオフィス借りて一緒に実験します。




版画日誌 5/17

2024-05-17 23:30:00 | Weblog
来週は自分メインで自分の版の製版、ウェットウォッシュをしなくてはいけない…ということで、今日はOさんの版で製版を経験させてもらった。
緊張してテンパったけど、教えてもらいつつなんとか出来た。感謝しかない。

しかしOさんの製版、
Uさんの刷り補助、
自分の版の転写をして疲れ果て、夜中に熱が出てしまった。
体力が無さすぎて情けない。
ダイエットとかじゃなく生き抜くために身体を鍛えるべきだと思った。

来週刷ります宣言をしたため、一週間で版を完成させる予定。

しかも来週は刷り→キッチンリト練習→そのまま長野に移動→公開制作、という無茶スケジュールだ。
昔は体力に自信があったのに、最近はちょっと無茶をすると熱が出る。

今回、展示の準備と会社の多忙スケジュールが重なり、同僚たちにかなり迷惑をかけてしまった。
会社員作家はどう両立してるんだろう、やっぱ正社員で続けるのは無理なのかな。
絵本制作の時も一時期に多忙な部署に移動してしまい、しばらく生理が止まってしまった&不眠症になったので、次に大きな仕事をもらったら会社を辞めてもいいかもと思い始めている。
しかしこの年で、今の景気で、場所代材料費がかかるリトグラフをしながらフリーターになるのは怖くもある…
制作を続けるのって、精神的なものもそうだけど環境的にも難しい、と思った日だった。
(結婚して旦那に養ってもらったらいいじゃんなどは言わないで欲しい。
散々言われてきて腹いっぱいだ。
私は自分が稼いだお金で誰にも文句言われず好き勝手に生きたい。)






Uさんの版の透明インク、とても良かった。
バッチリ決まると本当に美しくて嬉しくなる。




版画日誌5/10

2024-05-10 19:40:00 | Weblog
今日刷るスタッフの版が特殊だったため、別曜日から再びWさんが指導に来てくださった。9年前に先生の元から独立された刷り師さんも様子を見に来て、結局最後まで指導してくださった。
申し訳なさと、色々質問できて嬉しい気持ち。今の工房は善意で支えられている。

ローラーブレンド(グラデーション)、とても綺麗。感動した。いつかやりたい。





私はスポンジを担当。


しかし、改めてリトグラフの難しさを実感している。あまりに職人の世界すぎる。
私の細かい描画とベタを、一人で刷るイメージが全くわかない。人は失敗を重ねて成長するものだが、私は工房に入ってから(先生のおかげで)失敗したことが無かったので…

そもそも、学生時代は細かい絵を描く人ではなかった。






↑学生時代の作品。若さを感じる。
ダーマトグラフも解墨も使ってない。
下手くそだったので版が壊れにくいとされたトナーを使用していた。版も潰れている、美しさも繊細さもない。

私が病的に細かく描くと、先生が「佐藤さんの版、細かすぎて難しいんだよ。困っちゃうよ俺…全くしょうがねぇな〜」と言いながらも、美しく刷ってくれるのが好きだった。完璧な刷りに息を飲む私に「綺麗だろ?」とニヤリとするのも好きだった。
学生時代では絶対無理な表現も、先生の手にかかれば描画した通りに刷れる。それが面白くて、先生に困られるのも嬉しくて、どんどん細かい作業になっていった。先生は間違いなくリトグラフの神様だった。

まあそんなわけで、神様がいない今、残されたのは「刷れないのに細かい描画をする私」…
そもそも自分の版を作って練習しないと、失敗すら経験できない状態。
工房がいつまで存続出来るかわからないけど、自分で刷れるようにならないと。まだ私だけ製版もウエットウォッシュも未経験。
スランプとか言ってる場合ではない。とにかく、何かを刷らねば。


版画日誌5/3

2024-05-03 17:14:00 | Weblog
14年通っていたリトグラフ版画工房の師が亡くなった。

先生についてはまだ感情が落ち着いてない。もう2か月が経とうとしているのに毎日新鮮に悲しくて恋しい。言葉にするには時間がかかる。

今日久しぶりに日記を書こうと思ったのは、シンプルな版画日誌をつけたかったから。
私は毎週金曜日に工房に通ってるんだけど、先生がいなくなった今、工房閉鎖の危機もあって自分のために記録した方が良いと思った。
またX(Twitter)で全世界に発信したいわけじゃない、本当にただの殴り書きの日記とします。


4/12
グループ展が終わりほっとしつつ、何もせずに一日がすぎてしまった。

4/19
アルミ版を一枚洗った。
グループ展で流れていた、先生の製版とウェットウォッシュのビデオが美しかった。流れるように無駄のない動き。
…で、自分の所作はどうなんだと撮影してみたら、版一枚洗うにしてもバタバタしてて見てられなかった。



4/26
金曜日メンバーOさんの刷りを見ながら学ぶ。
私達はずっと先生の指導のもと刷りをしており、一人でイチから刷れる人が少ない。
でもこれから先生無しで刷らなくちゃいけないんだ、あんな細かくて複雑な私の版を…と考えると不安でしかない。
でも、この日の刷りはとても安定してて美しかった。私ももっと学びたいと思った。

5/3
金曜日メンバーUさんの製版。
ベテランOさんがお休みで、次に(金曜日で)歴が長いのが私だ。
それはつまり、私がリードすべきでは…(一人でできないのに!?)と、かなり不安だったが、なんと別の曜日のWさんが心配だから…と教えにきてくれた。情け無い話だけど顔を見て本当にほっとした。同時に心配かけて申し訳なかった。
製版は無事に成功して、私も沢山学べて良かった。

毎週金曜日、工房が終わってから電車で帰るまでの中で簡単にでも更新できたら良いな。
ちなみになぜgooブログなのかといえば、実は本ブログは2008年からある。昔の日記なんて痛くて寒くて見れたもんじゃなく、全部下書きに移動させてる。