最初に。
この日記では、公開前の映画に関する若干のネタバレがあります。
火曜日に映画の試写会に行ってきました。
10月1日公開の映画
「DOG×POLICE 純白の絆」です。
市原隼人主演、戸田恵梨香、時任三郎、カンニング竹山らが脇を固める
この映画は、警察のもう一つの犬が活躍する部署「装備第四係」と
警備犬を題材にした物語です。
既に「海猿」で小説・ドラマや映画にと大ヒットを飛ばした小森陽一が
警備犬を徹底取材し、作り上げたもので、
わたしたちが今まで知らなかった警備犬やその実態を
エンターテイメントに魅せてくれる映画になっています。
【あらすじ】
検挙率はいいけど、単独行動が多く仲間との信頼関係に難ありと判断され、
装備第四係(通称:イヌ屋)に配属となった主人公、早川勇作。
そこは警備犬とそれを訓練し、苦楽を共にするハンドラーが所属する部隊だった。
人材救助やテロにおける爆発物の捜索、犯人の制圧を目的とした部署だが
そこは30年以上も実績のないとされる部署。
それを知ると士気を失っていく勇作。
そんな彼にシロというアルピノ(劣性遺伝)を持つバディが与えられた。
やがて彼はシロと心を通わせていくのだが…。
この映画の前半は、主人公の勇作が自分の欠点
(単独行動ばかりで信頼関係が無い)を指摘されたり、
自分のバディであるシロとの交流を深めていったり、
周囲の懸命な努力を見て猛省し、仲間との交流も深めていくなどの過程が
とても丹念に描かれています。
連続爆破事件を受けて主人公にとっての最初の出動要請が出るのですが、
そこで自らの行動の為に
装備第四係は警察内での信頼を失墜してしまうのです。
そこで彼はこのイヌ屋への仲間たちの熱意と情熱に触れたり
警備犬の現実を知る辺りまで、
じっくりと警備犬やハンドラーの実情が描かれ
十分な見ごたえでスクリーンに見入ってしまいました。
そして、物語は大詰めになり、今度はこの映画の別の側面が出てきます。
限られた時間の中での爆発物の捜索、
犯人を追い求める勇作とシロ
そこで起きるアクシデント
迫力のある映像とスピードとスリルとアクション。
もちろん前半にも緊張の場面が描かれてはいましたが
この後半はドキドキの連続で
さっきまでとは打って変った展開になるのです。
そう。
この映画には、実録的な部分と映画としてのエンターテイナーな部分の
両方を味わえる魅力があるのです。
実際この後半で驚きの声や女性のすすり泣く声も聞こえてきました。
そういった意味でも見ごたえのある映画だと思います。
ただ惜しむらくは、前半に丹念に描いた主人公の成長過程。
ここがアクション性などを追求するあまりおざなりになってしまった事。
熱いがゆえに単独行動に走る事が欠点であり、
仲間を信頼していく事の大切さを描こうとしてきたのに
最後の事件の時にはあっさりとまた単独行動をかましてしまう勇作。
仲間=バディという事にするにしても、矛盾を感じずにはいられない。
おまけにその仲間たちにほとんど見せ場がないというのはもったいなかった。
主要キャストは主人公・ヒロイン・上司の3人であと犯人いればいいんじゃね?的な
そんな事を感じさせてしまった後半戦は残念な点でした。
しかし、これほどまでに丹念に警備犬とハンドラーの事を描きつつ、
観る者の心をあらゆる方向に動かしていくストーリーと
映像の迫力、そして登場人物たちの熱さには素直に感動しました。
ぜひスクリーンで、と言いたい映画です。