途中で通り抜ける村々,さてはわたしたちを眺めている村人たちまでが,どんなにたまらなく厭だったことか!わたしたちがみんな貧民院をさす俗語,"ぶた箱"の住人であることを,みんなだれも知っていたのだ
つまり,この男というのは実に複雑な人間なんですね.浮浪者かと思えば紳士でもある.詩人,夢想家,そして淋しい孤独な男,それでいて,いつもロマンスと冒険ばかり求めている.…中略…そのくせやれることというのは,せいぜい煙草のすいがら拾い,子供のあめ玉をちょろまかす,それくらいのことしかないんです