いつからだって演劇三昧

50歳で早期退職して演劇生活を始めてしまいました。

無事(!?)千秋楽を迎えました。

2007-11-27 05:38:46 | Weblog
「タイタス・アンドロニカス」は一昨日で10日間15公演をすべて終了いたしました。
ご来場くださいましたみなさま、本当にありがとうございました。

後半慣れないビデオ撮影をいたしましたが、上演中のお客様の反応を感じて胸が熱くなりました。
もっとも今回は中二階も使っていましたので、カメラを上下左右に動かすのに必死で余裕はありませんでしたが。
しかも「もっと存在を消せ。存在が邪魔だ。(芝居の)」と言われます。
はあ。
稽古場では「存在を消すな。」
うぅむ、「存在感のコントロール」を身につけねば。

とにもかくにも今回の公演ではご覧いただいた方はおわかりでしょうが、
終演直後はすごいことになっていますので、
舞台裏はてんやわんやです。特に生首になった二人の息子とタモーラはもう即シャワーを浴びないととんでもないことに。
そして総手で赤いパスタやスープの片づけ、
料理の始末、衣装の洗濯・・・
さらに終演後は交流会。
とまあ、なんとも濃い10日間でございました。

もちろん芝居はさらに濃く、エネルギー全開でした。
今回は客演の男優陣が大活躍。
惜しげもなく肉体美をさらし、
(ハードな演出に傷とアザだらけ・・・)
芝居にかける情熱は熱く、
食い入るように演出家を見つめる目、目、目。
みなさんそれぞれに魅力的な方ばかり。
自分たちも十分ハードなのに、
スタッフ仕事をしている私たちにもさりげなく優しい言葉をかけてくださいます。
準備や片づけにも全力投球でした。
本当にありがたいことでした。
彼らから多くの刺激を得、多くを学びました。

自分はと言えば、
ダメだなあ、
ということだけはよくわかりました。
問題はここからどうしていくか、しかありません。
厳しいお言葉もたくさんいただきました。
はっきりと言っていただけたのも財産にしようと思います。

さあ、どうしよう。


とはいえ、今からエジンバラへ出かけます。
行けるかしら?こんなに頭が切り替わっていないのに。
とても不安・・・
えっと、パスポートは、と・・・



「森は生きている」

2007-11-12 00:05:56 | Weblog
アマチュアの時の昔の仲間の公演を見に行きました。

3年前まで1年に1回一緒に参加していました。
みんな楽しそうに生き生きと舞台で輝いていました。
舞台装置も照明も素敵でした。


演出はプロの俳優で、ずっと私たちと一緒に芝居作りをしてくれています。
私が演劇の世界に入る時にはとても心配してくれました。
終演後は彼とちょっと飲みながら話したのですが、
今回はこの道の大先輩としていろいろと親身にアドバイスしてくれました。
この世界に入ってアマチュアとプロの違いを痛感している身にしみました。





「残虐記」 桐野夏生

2007-11-06 00:32:29 | Weblog
次回公演「タイタス・アンドロニカス」の稽古中なので、
ついこの本のタイトルに惹かれて読み始めました。
2000年に報道された新潟の少女監禁事件に触発された部分を含んでいるとのことですが、かなり不思議な作品です。
実際の事件は思い出しただけで身震いするほどショッキングなことでしたが、この作品では文字通りの「残虐」行為というよりは「想像力」の怖さ(?)のようなものを感じました。
「想像力」は人間だけが持っている力と言われていますが、この力によって人間はどんなに悲惨な状況でも生きていけるし、逆に怖ろしいところに自分を追い込むこともあるのだと思います。


「私を監禁したケンジと真実に死を。作家は事件を巡る衝撃の手記を残して消えた。柴田錬三郎賞受賞作品!

自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。」


新潮文庫
420円(定価)


作者のインタビューはこちらです。

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「野鴨」 イプセン

2007-11-03 23:38:26 | Weblog
その後は北千住で「野鴨」を。
イプセンの作品とあって気になっていたのですが、
やはり思い切って行ってみました。

90人くらいのミニシアターに森が現出しています。
その幻想的な森がお屋敷になったり、
家庭の一室になったりします。

人間の奥底にある心理をていねいに描き出す
芝居らしい芝居でした。

静かな中に底知れない
人の心の不可思議さや
残酷性や純粋性や
複雑な人間心理や
生きることや死ぬことや
日常生活の危うさや・・・

考えさせられる芝居でした。

■出演
石田えり 高汐巴 手塚とおる 保村大和 
石橋正次 
藤井びん マメ山田 鎌田沙由美 
津嘉山正種

■スタッフ
演出・上演台本/タニノクロウ
企画・上演台本/笹部博司
作/ヘンドリック・イプセン
製作/メジャーリーグ 庭劇団ペニノ
提携/シアター1010

■日時:2007年11月1日(木)ー30日(金)



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