[パク・ジュンヒのミュージックコラム]思春期を抜け出した少年、イム・ジェボム

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ボーカルだったキム・ジョンソがグループ(シナウィ)から脱退して、ギターリスト シン・テチョルはすでに捕えられていた公演のために控室に一人で座ってその他トンを点検していた。 ところで誰か控室ドアを開けて入ってきてシン・テチョルの演奏に合わせて歌を歌い始めた。

歌声にびくっと驚いたシン・テチョルは演奏を継続したし、歌が終わってしまってからはじめて見慣れない異議の顔を眺めることができた。

“どなたでしょう？”

“私は.イム・ジェボム。”

事実シン・テチョルとイム・ジェボムは同じソウル高等学校出身だ。二人は天才的なギターリストとボーカルで学校内で 有名だったが、本来学校であったことはなかったという。ところで噂にだけ聞いたお互いの存在を公演会場控室で向き合うことになったのだ。

歌手イム・ジェボムの幼い時期はそれほど幸せでなかった。MBC看板アナウンサーであったイム・テククンが彼の親父であり、俳優ソン・ジチャンが異母兄弟という事実はあまりにも良く知られた事実だ。お父さんの愛を受けられないまま孤児院でチャラングは 後ほどおばあさんの手にまかせることになったし家族の温みを分からない孤独な子供に成長した。

何か常に不安に思って時々は気難しい指向も表わした。突然腹が立ったり心がよじれることが起これば直ちに‘野獣（野手）’に変わってしまうことが常だった。初めからそうしたのではない。大きい顔、体格のために‘コムテンが’というニックネームがあった程にイェリコ優しい性格を持つ子供であった。幼かった時は皮膚が白くて名前に‘虎’自家入ったために‘白虎’というニックネームを得ることもした。

学生時代には平凡でない家庭問題によってますます曲げられていった。 孤独だということの時間を音楽でなだめ始めた。 何か一つにさされば最後まで暴いてこそ気がすむ性格もその時できたことだった。 一人でいる時間に何かにささってこそ難しいことをしばらく忘れることができたのではないだろうか。

二十才を今しがた渡したイム・ジェボムがシン・テチョルの控室にいきなり現れたのは一つの‘事件’だった。音楽に対する喉が渇いた情熱をこれ以上隠して生きられなかったイム・ジェボムが自らシン・テチョルを訪ねて行ったためだ。 そんなにキム・ジョンソの空席をボーカル イム・ジェボムが埋めたまま1986年シナウィ1集‘Heavy Metal Sinawe’が発売されたし、当時イム・ジェボムが呼んだタイトル曲‘大きくラジオをつけて’というロック マニアらと評壇をひきつけて常勝疾走した。

しかし人気を後にしたままイム・ジェボムは英国にあったキム・トギュンのハガキ一通を受けて飛行機に上がった。 本格的にロック音楽をするための選択だった。 英国での生活は思わしくなかった。 金がなくてまともに食べることができなくて一ヶ月ぶりに体重が15kgや陥った。 だが、極度の緊張感の中に押し切った現地公演は毎度良い反応を得たし、アーティストとしての自信も生じた。

再び韓国に帰ってきてからは状況が180度変わった。命のように愛して渇望したロックをあきらめたままバラード音楽で‘ソロ デビュー’をすることになったこと。イム・ジェボムは大きい混乱に陥った。

当時ロック ミュージシャンはグループサウンドを作らなければならないという認識が広まったし、昔も今も大衆とは距離があった。多くの悩みの末にイム・ジェボムは‘この夜が過ぎれば’という（のは）曲でソロ デビューをするに至る。ロッカーの象徴とも同じだった長い髪を切ってシャープな男歌手の姿でカメラ前に立った。人気はそれこそ爆発的だった。 だが、イム・ジェボムの胸どの隅には挫折感が席を占めていた。

ロック音楽をする同僚はイム・ジェボムに非難の矢を撃ちまくったし、ある熱狂ファンは破損させたイム・ジェボム1集レコードと裂けたイム・ジェボムの写真を小包に送ってくることもした 。

当時60万枚というものすごいレコード販売高を上げたが、イム・ジェボムには人気がかえって‘可視座布団’同じだった。

結局苦しさをこらえることができなかったイム・ジェボムは江原道（カンウォンド）、五台山（オデサン）に行った。そちらに居住中だったした知人が家を空けて1年の間一人でちっ居に入ったこと。人々の関心と視線から抜け出して音楽的アイデンティティに対して真剣に悩み始めた。

その後イム・ジェボムは山であり海を飛び交って帰ってきて、また離れて帰ってくることを繰り返した。 ロッカーとしての自尊心をたたむことができなくてさまよった時、ミュージカル俳優であった美貌の妻に会って結婚を約束した。 ところで奇異なことが広がった。

結婚3日前、済州道（チェジュド）約天使ヘイン僧侶に四美界を受けて突然中耳なることに決心したこと。 複雑な心を治めることができなくて苦しがる彼にヘイン僧侶が髪を刈るかと尋ねたし、イム・ジェボムはすぐにそうすると返事をしたのだ。

彼に似合わないようだった結婚が彼の人生にいかなる影響を及ぼすのか恐ろしかったためなのか。 でなければ新しく生まれるという意志の表現であったか。 資料画面に登場する断髪したイム・ジェボムの結婚式場面は長らく印象（引き上げ、人相）に残った。

結婚生活が順調ではなかった。愛する妻が甲状腺癌を始め胃癌、肝臓癌、子宮癌まで移転になって手術まで難しい状況に置かれた。うつ病とチョウルツンエシダルリミョ 家庭に無関心だったイム・ジェボムは妻の闘病に罪悪感を感じ始めた。ひょっとしてさまよって中腐らせる自身のために妻が痛いことではないかという考えが頭の中にぐるぐる回ったという。

イム・ジェボムはそのような間OSTに時々参加したこと他には収入（輸入）があまりなかった。 夜9時になれば電気の明かりを消して、水惜しむのに洗うのも自制したという。 ロック スピリットが生活まで保障してくれるのではなかった。

妻の癌宣告の前で自尊心は何でもなかった。イム・ジェボムは自ら歌手のサバイバル芸能番組であるMBC ‘日夜-私は歌手だ’に出演することに決心した。結果は再び爆発的だった。このプログラム一つでイム・ジェボムは‘第2の全盛期’を享受することになった。

その間そのエネルギーをどのように隠して生きたのかいぶかしいほどであった。 舞台の上で絶叫するように歌う彼の姿は視聴者たちの胸をほじくって掘った。 あたかも彼が生きてきた話がそっくりマイクを通じて世の中に吹き出てくる感じすらした。 妻のための、家族のための心が大衆に伝えられて認められながらイム・ジェボムははじめてパッと笑うことができるようになった。 妻の健康やはり良くなったという。

もう焼酎一杯傾ける同い年の友人一つないことが惜しいと話すイム・ジェボム.いくらたわごとをぺちゃぺちゃしゃべっても自身に向かって“しっかりして”と助言する友人がなかったという彼の話が骨の中まで深く一杯になっている孤独だということの重さを感じさせてくれる。その孤独だということを耐え抜こうと音楽、宗教、本、さらには外界の本質まで食い込んだ彼だ。

人々は彼を暴行や物議、あるいは ‘起因’で記憶するけれども、結局彼は自らに忠実な歌手としての生活を送ってきた。人気、名誉、お金、権力を望むがわざわざ‘違うように’といいながら暮らしてみてこそ何の意味合いがあるだろうか。 歳月にもう少し正直になることにしたという彼の微笑で今や思春期を抜け出した少年の姿が浮び上がった。 むやみにさまよって家を出ることだけが万事解決策ではない。 歌いたい時歌って、愛したい時思い切り愛することができることぐらい大きい容器はない。 イム・ジェボムはそれで現在進行形の歌手だ。