雇われの悲しみを君に

スピード

明細書を作成するスピードは、経験を積めば積むほど速くなる…

一見、当たり前のようだが、実はそうではないだろう。

たしかに、経験3-5年ぐらいまでは、経験年数に比例してスピードが向上する。

しかしそれ以降は、スピードはある上限に近づくだけで、飛躍的なスピードアップは期待できない。

ある上限とは、「人間としての処理能力の限界」を意味する。

要は、明細書を1ヶ月で20件こなせるようなモンスターなど存在しないのだ。

わたしが知っている限りで最高のスピードスター(X氏)は、13件/月のスピードを維持していた。

あまりの速さに、事務所では、X氏に発明者原稿を渡すと、

「もうできてます」と事務員に明細書を手渡したことがある、などという怪談めいた伝説が存在していた。

ただし、その人の明細書はあまり評判が良くなかったらしい(真実は確かめようもないのだが…)。

それならば、経験5年以降、一体何が向上するのかと言えば、間違いなく「品質」だろう。

ところが、事務所が完全歩合制ならば、給料に反映されるのは「処理件数」であり、「品質」ではない。

すると、10年以上の経験を積んだ者と経験3年程度の者とで、給料に差がつかない場合もあり得る。

むしろ、経験が浅ければ明細書の品質を深く考えることができず、

内容の薄い明細書を量産することにためらいがない。

その結果、新人の年収がベテランの年収を越えるという逆転現象もあるだろう。

そういった不公平感を払拭するためには、「品質」を給料に反映させるしかない。

しかし、「品質」など、個人個人で見方も違うので難しい。

結局のところ、雇われは大変なのだ…

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