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アトリエダイズ

アトリエダイズの活動報告

ハチミツとクローバー

2007-12-14 | movie/TV
 期待はずれとはこのことを言うのだろう。漫画は絶大な人気。映画もまずまずの出来と聞き、予告編を見た限りでは「ボクは初めて人が恋に落ちる瞬間を見てしまった。」というコピーがすばらしく、加えて蒼井優の笑顔に惹かれ、思わず必見!と思い込んで見てしまった。
 結果は・・・。これから書くことはファンには申し訳ない。申し訳ないので断っておくが、おそらく漫画はすばらしく面白いのだろう。だったら、テレビドラマにすればよかったのだ。「のだめカンタービレ」しかり、「働きマン」しかり・・・。(追記:と思ったら来年ドラマ化!)しかしこの作品、あまりにも漫画の内容のあれもこれも詰め込んで、さらにジャニーズのアイドルも使って、見るからに遊び人のちゃらい伊勢谷友介(広末涼子と付き合っていたはず・・・。)も使って・・・、それじゃ食傷おこすって!一方蒼井優といえば、予告編ではしゃべっていなかったのでだまされた!明らかにしゃべり方が変!本人でさえ、あの演出には不満だったはずだ。もともとあれだけの女優である。「フラガール」を待つまでも無く、この映画でブレイクしても良かったのだ。大きなキャンバスに無造作に筆を走らせる、大食いの彼女の演技はやはり光っていた。しゃべらせなければ良いのに・・・。
 むしろこの映画で発見したことは、既に加瀬亮が独自の雰囲気を持っていたことだ。しぶい・・・。正面からのカメラにあれだけ耐えられる、一見ひ弱そうだがしんの強いめがね君はそういない。そう、「めがね」のヨモギ君である。彼に恋する山田さんを演じる関谷めぐみも良い。まっすぐだ。あの二人が主演でも良かったくらいだ。しかし!脇を固めるはずの堺雅人の演技があまりにも気持ち悪い。漫画に忠実なのでしょうが・・・。
 さらに気になることがある。芸大・美大といえども、あんなにタバコを吸うシーンが出てきては、軽薄さばかりが鼻につく。「おしゃれ」と「ええかっこし」の違いくらい、本物の芸大生・美大生のほうがわかっているのではないか?はっきり言って演出ミスであり、本当に伝えたいことを曇らせてしまう。巨大な木彫作品をジッポで燃やす場面など寒気がした。あれで良いはずが無い。堺雅人と西田尚美、それに田辺誠一の関係も消化不良に終わっている。あきれたシーンは三葉のクローバーさえ生えていない土手で四葉のクローバーをさがそう!というあたり・・・。
 さらにもうひとつ。この作品、カメラワークに問題が無いか?蒼井優だけ特別のカメラマンが特別のカメラを使って撮ったような気がする。ピントが人物の背後に合ってしまい、演技はOKなのでしかたなく遠めの構図でごまかしたシーンがあった。そこは大事なシーンだから寄った構図でしょ?揺れる画面も多用していたがイマイチ効果が薄かったような気がする。
 「NANA」あたりを見習ってはどうか?きちんとキリのいいところまでにして、無理して詰め込まず、きちんと本格的な音楽なら音楽、建築なら建築、絵画なら絵画、木彫なら木彫に取り組む若者を描き、映画としてまとめるべきである。そんな「NANA」も、どうしても「NANA2」は見る気になれない。理由は○川○衣ファンに悪いので言えない。(D)

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