La loge au mascaron doré(1893)
『ロートレック』
彼はこのころキャバレーやミュージックホールでの仕事ばかりではなく、
演劇などの仕事を手がけるようになり、『コメディー・フランセーズ』
などにも頻繁に入りびたるようになります。
特に、バルコニー席の観察は彼のお気に入りでした。
バルコニー席には様々な人生模様がありそれを観察するのが面白かったようです。
この作品は、上演された作品のパンフレットの挿画です。
作品の三分の二を占めるバルコニー席その上部に黒い衣装を着て、
オペラグラスを覗いている女性、どこを見ているのでしょうか。
赤の濃淡で描き分けられている背景により、黒い衣装の女性が浮き上がります。
また、その表情は、写楽が描く歌舞伎役者に何となく似ています。