京都の聖護院御殿荘で行われた、こども囲碁合宿に娘と一緒に参加した。
三年前に初めて参加し、去年に続いて3回目。合宿は8月17日(月)から20日(木)までの3泊4日で行われた。今回は8月16日(日)に京都に入り、娘と観光。それについては別の日記で。
はっきり数えたわけではないし確認してはいないが、100人以上の子供達が参加していたのではないか。お父さんやお母さんなどご家族で参加している方々のなかには、何度かお見かけした顔がいくつもあった。一度参加するとまた参加したくなるのは皆さん一緒なのかもしれない。一日中対局することができ、プロの指導碁も受けることができる。囲碁好きならたまらない。朝昼晩の三食つきで三時のおやつも出る。囲碁を打たずに京都観光をしてもよい。囲碁を知らなくても学びたい人には入門教室もある。
娘は13級でエントリーした。私はこれまで6段で参加してきたが、最近のネット碁の成績がさっぱりなので5段で申告した。過去の経験から、打てる子供達は実力より低めの段位でエントリーしているので、控えめにしておいた方がよいだろうという気持ちもあった。
合宿では、一日目の午後から三日目の夕食前までの対局で段級位が認定される。勝ち負けで持ち点が0.5点ずつ変動する。段または級のひとつの差が1点差なので、なかには大きく段位ないし級位を伸ばす子もいる。
娘は楽しみにしていただけあって、三日間で53局打ち、対局数3位で表彰された。級位はひとつ上がって12級の認定だった。対局数3位の賞品にクルリンボール(空中に投げ上げると、表面がひっくり返って色が変わるボール)を貰って喜んでいたが、11級になれるチャンスがあったらしく、12級の認定には不満そうだった。一番沢山打った子の対局数が56局だったので、私が「もう少しで一番だったね」と言うと、「だって打ちたくても打てなかったんだよ」とのことだった。対局組み合わせの待ち時間が多かったようだ。二桁級だから係の方も組み合わせが難しかったのではなかろうか。
私は指導碁5局を含めて全部で13局打った。三年前は29局、去年の2回目は16局。去年から合宿二日目は観光することにしたので、だんだん減ってきたが、体力的には今年の対局数くらいで丁度良い気がする。成績は7勝6敗、うち指導碁は2勝3敗だった。指導碁は負けても点数に変動はないが勝てば0.5点上がる。そのおかげで結果だけをみれば7段ということになるが、それはない。対局数が少なすぎる。一番最初に互先で打って楽に負かされた子が5段の認定だったし、指導碁は四子で2勝3敗であるからして、今の実力としてはせいぜい5段というところだろう。
今回も、観光を含めてとても楽しかった。娘ともども、良い思い出ができたと思う。特に、前回、前々回と打ってもらう機会が無かった羽根しげ子初段に指導してもらえたのが良かった。打ちながら、色々とお話しさせていただいた。
しげ子先生に「お子さん達は全国大会に出場したりお強いですね」と話をふると、「上には上がいますから」とのことだった。東京の中学生には強い子が大勢いるそうだ。小学生で院生を何年か経験した後、中学受験のためにいったん囲碁を離れ、中学に入ってから囲碁を再開する子が何人もいるらしい。しげ子先生のお子さんのように囲碁が強い子にも、何かと悩みがあるのだなと思った。(ちなみに、三年前に元気に走り回っていたしげ子さんの息子さんは、まだ小学校低学年だと思うが、今回の合宿で5段の認定だったようだ。強くなるお子さんは伸びが違うね。)
私の棋力について聞かれたので、「幽玄の間では6段です」と言うと、びっくりしたような顔をされ、「維持できていますか」と仰った(そりゃそうだ、指導碁の内容からして驚かれるのも無理はない)。下の方ではあるが一応6段にとどまっていること、幽玄の間が6段であるのに対しパンダネットは5段だったので、最近はパンダネットの段位を上げようと頑張っているが、負けが込んで4段に落ちてしまったことを話すと、「そういうことってありますよね」と微笑まれた。
合宿には娘と参加していることを話し、「うちの娘も、もう少し強くなってくれれば良いのですが」と言うと、「お父さんは娘さんと打つのですか」と聞かれた。時々打つけれど娘をぼろぼろに負かしてしまうと答えたら、しげ子先生のお子さん達は羽根泰正九段(お子さん達のお爺さん)や泰正九段の奥様に沢山打ってもらったが、泰正九段や奥様が勝ったことは一度もない、とのことだった。
強くなりたいなら道場に通うことが一番らしく、しげ子さんのお子さん達も道場に通っているそうだ。しげ子先生は、私が子供をどうしても強くしたいと考えている訳ではないと感じられたのか、「娘さんと碁を打つのは、(親子の)コミュニケーションとして最高じゃないですか」とも仰った。そんな話をした後、途中で席を外されたかと思うと、私の娘をわざわざ呼んできて一緒に指導碁を打っていただき、九子でうまく娘を勝たせてくれた。そしてまず娘を褒め、手直しは一点だけだった。まさに褒めて伸ばす指導法。しげ子先生は、娘に「お父さん強いね」とも言ってくれた。(娘はしげ子先生と打ち始めたとき泣いていたので、どうしたのか後から聞いたところ、「勝てば11級に上がれるところだったのに負けてしまい、悔しくて涙が出た」とのことだった。「でも、しげ子先生に勝つことができ、先生に褒めてもらって自信を取り戻せた」と言っていた。)
プロの先生方の指導の仕方は色々だと思った。羽根しげ子先生は褒めて伸ばすタイプ。しげ子先生の隣で打っていた男性棋士は、小さい子に対しても悪い手は厳しく叱っていた。森野節男九段は、子供に沢山碁を打たせるためか、ほぼノータイムで打ち、コメントは一言二言程度だった。
しげ子先生には、「強くなるにはどうすればよいか」という私のお悩み相談にも答えていただいた。「あまり言いたくはないですが」と前置きされ、少し間をおいて「詰碁です」と仰った。易しい問題を解くのが良いとのこと。「時々うっかりされるようですが、間違われるのは易しい詰碁と同じような場面です」とのこと。
しげ子先生の指導ぶりを見ていて、自分が娘を負かして泣かしてしまったことなどを思い出し、できることなら子育てをやり直したいと思った。
最終日に娘が打とうと言ってきたので九子で打った。10目程私が負けると、娘は「負けたかと思った」と言って、嬉しそうに笑った。
・初めて合宿に参加したときの日記⇒こちら
・去年の合宿の日記⇒その1、その2、その3
・今回の対局結果:7勝6敗
(1日目)3勝2敗
指導碁:1敗(奥村英夫八段・四子)
その他の対局:3勝1敗
(2日目)2敗
指導碁:1敗(影山敏之五段・四子)
その他の対局:1敗
観光のため、互先のリーグ戦には不参加。
(3日目)4勝2敗
指導碁:2勝1敗(羽根しげ子初段と闇雲翼アマには四子で勝ち、森野節夫九段との四子は負け)
その他の対局:2勝1敗
(トーナメント戦は一回戦負け。互先の白番で打った気がするが、今にして思うと、ハンデ戦でこちらが2子置くはずではなかったか?)
二日目の朝の聖護院門跡の正門。この奥に、聖護院御殿荘がある。
今年は雨の日が多かった気がする。
三年前に初めて参加し、去年に続いて3回目。合宿は8月17日(月)から20日(木)までの3泊4日で行われた。今回は8月16日(日)に京都に入り、娘と観光。それについては別の日記で。
はっきり数えたわけではないし確認してはいないが、100人以上の子供達が参加していたのではないか。お父さんやお母さんなどご家族で参加している方々のなかには、何度かお見かけした顔がいくつもあった。一度参加するとまた参加したくなるのは皆さん一緒なのかもしれない。一日中対局することができ、プロの指導碁も受けることができる。囲碁好きならたまらない。朝昼晩の三食つきで三時のおやつも出る。囲碁を打たずに京都観光をしてもよい。囲碁を知らなくても学びたい人には入門教室もある。
娘は13級でエントリーした。私はこれまで6段で参加してきたが、最近のネット碁の成績がさっぱりなので5段で申告した。過去の経験から、打てる子供達は実力より低めの段位でエントリーしているので、控えめにしておいた方がよいだろうという気持ちもあった。
合宿では、一日目の午後から三日目の夕食前までの対局で段級位が認定される。勝ち負けで持ち点が0.5点ずつ変動する。段または級のひとつの差が1点差なので、なかには大きく段位ないし級位を伸ばす子もいる。
娘は楽しみにしていただけあって、三日間で53局打ち、対局数3位で表彰された。級位はひとつ上がって12級の認定だった。対局数3位の賞品にクルリンボール(空中に投げ上げると、表面がひっくり返って色が変わるボール)を貰って喜んでいたが、11級になれるチャンスがあったらしく、12級の認定には不満そうだった。一番沢山打った子の対局数が56局だったので、私が「もう少しで一番だったね」と言うと、「だって打ちたくても打てなかったんだよ」とのことだった。対局組み合わせの待ち時間が多かったようだ。二桁級だから係の方も組み合わせが難しかったのではなかろうか。
私は指導碁5局を含めて全部で13局打った。三年前は29局、去年の2回目は16局。去年から合宿二日目は観光することにしたので、だんだん減ってきたが、体力的には今年の対局数くらいで丁度良い気がする。成績は7勝6敗、うち指導碁は2勝3敗だった。指導碁は負けても点数に変動はないが勝てば0.5点上がる。そのおかげで結果だけをみれば7段ということになるが、それはない。対局数が少なすぎる。一番最初に互先で打って楽に負かされた子が5段の認定だったし、指導碁は四子で2勝3敗であるからして、今の実力としてはせいぜい5段というところだろう。
今回も、観光を含めてとても楽しかった。娘ともども、良い思い出ができたと思う。特に、前回、前々回と打ってもらう機会が無かった羽根しげ子初段に指導してもらえたのが良かった。打ちながら、色々とお話しさせていただいた。
しげ子先生に「お子さん達は全国大会に出場したりお強いですね」と話をふると、「上には上がいますから」とのことだった。東京の中学生には強い子が大勢いるそうだ。小学生で院生を何年か経験した後、中学受験のためにいったん囲碁を離れ、中学に入ってから囲碁を再開する子が何人もいるらしい。しげ子先生のお子さんのように囲碁が強い子にも、何かと悩みがあるのだなと思った。(ちなみに、三年前に元気に走り回っていたしげ子さんの息子さんは、まだ小学校低学年だと思うが、今回の合宿で5段の認定だったようだ。強くなるお子さんは伸びが違うね。)
私の棋力について聞かれたので、「幽玄の間では6段です」と言うと、びっくりしたような顔をされ、「維持できていますか」と仰った(そりゃそうだ、指導碁の内容からして驚かれるのも無理はない)。下の方ではあるが一応6段にとどまっていること、幽玄の間が6段であるのに対しパンダネットは5段だったので、最近はパンダネットの段位を上げようと頑張っているが、負けが込んで4段に落ちてしまったことを話すと、「そういうことってありますよね」と微笑まれた。
合宿には娘と参加していることを話し、「うちの娘も、もう少し強くなってくれれば良いのですが」と言うと、「お父さんは娘さんと打つのですか」と聞かれた。時々打つけれど娘をぼろぼろに負かしてしまうと答えたら、しげ子先生のお子さん達は羽根泰正九段(お子さん達のお爺さん)や泰正九段の奥様に沢山打ってもらったが、泰正九段や奥様が勝ったことは一度もない、とのことだった。
強くなりたいなら道場に通うことが一番らしく、しげ子さんのお子さん達も道場に通っているそうだ。しげ子先生は、私が子供をどうしても強くしたいと考えている訳ではないと感じられたのか、「娘さんと碁を打つのは、(親子の)コミュニケーションとして最高じゃないですか」とも仰った。そんな話をした後、途中で席を外されたかと思うと、私の娘をわざわざ呼んできて一緒に指導碁を打っていただき、九子でうまく娘を勝たせてくれた。そしてまず娘を褒め、手直しは一点だけだった。まさに褒めて伸ばす指導法。しげ子先生は、娘に「お父さん強いね」とも言ってくれた。(娘はしげ子先生と打ち始めたとき泣いていたので、どうしたのか後から聞いたところ、「勝てば11級に上がれるところだったのに負けてしまい、悔しくて涙が出た」とのことだった。「でも、しげ子先生に勝つことができ、先生に褒めてもらって自信を取り戻せた」と言っていた。)
プロの先生方の指導の仕方は色々だと思った。羽根しげ子先生は褒めて伸ばすタイプ。しげ子先生の隣で打っていた男性棋士は、小さい子に対しても悪い手は厳しく叱っていた。森野節男九段は、子供に沢山碁を打たせるためか、ほぼノータイムで打ち、コメントは一言二言程度だった。
しげ子先生には、「強くなるにはどうすればよいか」という私のお悩み相談にも答えていただいた。「あまり言いたくはないですが」と前置きされ、少し間をおいて「詰碁です」と仰った。易しい問題を解くのが良いとのこと。「時々うっかりされるようですが、間違われるのは易しい詰碁と同じような場面です」とのこと。
しげ子先生の指導ぶりを見ていて、自分が娘を負かして泣かしてしまったことなどを思い出し、できることなら子育てをやり直したいと思った。
最終日に娘が打とうと言ってきたので九子で打った。10目程私が負けると、娘は「負けたかと思った」と言って、嬉しそうに笑った。
・初めて合宿に参加したときの日記⇒こちら
・去年の合宿の日記⇒その1、その2、その3
・今回の対局結果:7勝6敗
(1日目)3勝2敗
指導碁:1敗(奥村英夫八段・四子)
その他の対局:3勝1敗
(2日目)2敗
指導碁:1敗(影山敏之五段・四子)
その他の対局:1敗
観光のため、互先のリーグ戦には不参加。
(3日目)4勝2敗
指導碁:2勝1敗(羽根しげ子初段と闇雲翼アマには四子で勝ち、森野節夫九段との四子は負け)
その他の対局:2勝1敗
(トーナメント戦は一回戦負け。互先の白番で打った気がするが、今にして思うと、ハンデ戦でこちらが2子置くはずではなかったか?)
二日目の朝の聖護院門跡の正門。この奥に、聖護院御殿荘がある。
今年は雨の日が多かった気がする。
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