ふきの指定席

男の中の男

姉の唯一愛した男性が旅立ってしまった
男性は既婚者であったから 姉の片思いだったのだが
男は勿論姉の想いは知っていたし 姉をいいように可愛がっていた
罪な男だ
私の最も嫌いなタイプの男だったが
この男
男性からも 女性からも とても愛されていた
男が愛人の家に入り浸っていたことも知っている
当時偶然にも 愛人の家の近所に 私と姉が住んでいたことがある
男の車がいつも近所のマンションに横づけにされていることを不思議に思った姉が
そのことを突き止めたのだ
魅力的な男だから仕方が無いと姉は涙していた
バカか 若い私はそう思ったが
それでも 男に呼ばれれば 姉は何をおいても いそいそと出かけてしまった
彼以上の想い男(ビト)は姉の前に現れず
未だに姉は独身のままである
実は帰省した時 男の訃報が 新聞の芸能欄に小さく載っていた
男はちょっとその道では名の知れた人間であった
青春時代の 絵空事とはいえ 姉の心中はいかばかりであったろう

さきほど
ネットニュースでも 男の訃報が載っており 
やはり40年以上も前の事に思いが行き 私の心はとても複雑である
でも改めて 男の存在の大きさを思い知った気がする
私も何回か会った事があり 酒もご馳走になった
姉の気持を翻弄する男が憎くて ツンケンしていたが
何なんだろう
かっこよく 逝ってしまったね

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