goo blog サービス終了のお知らせ 

日高雅恵(亜麻)

2012年01月04日 21時39分02秒 | 2012年・素材展 出展者

 亜麻は、小アジアから中央アジア原産の、一年生の植物です。1m位に成長し、
茎から強靭な繊維がとれます。 リネンという表現をしたほうが分かりやすいでしょうか。
2年ほど前の新聞報道で驚いたのは、3万年前のグルジアの遺跡から亜麻の繊維が発見された、というものでした。
それほど繊維としての歴史は古く、人々の暮らしの中に根付く繊維です。日本での栽培暦は比較的新しく、明治時代に入ってから北海道に導入されました。
軍需産業に多用されたという歴史を持ちます。

 

 十年ほど前、亜麻の栽培を始めたいと真剣に考え、「亜麻といえば北海道」と短絡的に、北海道十勝の農業試験場に一本の電話を入れました。(実際に繊維用の亜麻の栽培は行われておりませんでした。)
この電話が、私の亜麻への取り組みの始まりになりました。
ご親切な紹介の電話を繋げながら、めぐりめぐって、帯広のとある高齢の男性から保存のために栽培を続けているという種をわずかに分けていただくことになりました。
春に蒔き、真夏に収穫して種を増やす、を2年ほど繰り返し、種を増量。
本格的な栽培は ‘05年から始まりました。
繊維を取り出す方法は英語とスウェーデン語の資料。ほぼ独学で、師も持たず、ひたすら亜麻を扱って今に至ります。
実際に扱い、触れることで、時間は掛かったものの繊維が見えてきました。
糸を作る行程は、単純で、とても素朴です。

 

春に畑を耕して蒔く、発芽後の草むしり、夏の朝 青い花の美しさ、
暑いさなかの収穫を経て、糸にする作業が始まります。
砕き、叩き、梳いて紡ぐ。ほこりの中で、輝く糸が生まれます。
畑の調子、天候に左右され泣き、7割がた百姓としての日々です。

 

「羊は土に 亜麻は金に」 ヨーロッパにはこういう言葉があります。
羊毛の布は100年経ったら現役ではいられない。土に返ります。
亜麻布は100年経っても金色に輝き現役でいるという意味があるそうです。
強靭で、しなやかな布、亜麻の布。

 

8月は、亜麻の花が見ごろの季節。
亜麻の青い花を見てください。
亜麻の繊維が取り出される工程を見てください。
新潟でお目にかかりましょう。

 

    日高雅恵


Rimg0125_3
Rimg0477

Rimg0474_2


最新の画像もっと見る