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L.A.アートのシンボル的存在、クールなエド・ルシェが語る

2009年10月19日 | 日記
Ed Ruscha at Crown Point Press

エド(エドワード)・ルシェは、2009年、雑誌『GQ』で、全米で最もスタイリッシュな10人に選ばれた。その時、ルシェは71歳。動画を見れば分かるように俳優なのかアーチストなのか分からないほどだ。実際、ルシェがオクラホマの片田舎からアートスクールに通うためにL.A.に出てきて、かなり初期に長い友人になったのが、あのデニス・ホッパーで、1964年にホッパーは、ルシェが路上のネオンサインを背景に立っている写真を撮っている。当時からハンサムでチェット・ベイカーに似ていたようだ(ルシェ自身チット・ファンだ)。ルシェはイースト・ハリウッドに長く住んでいたが、1988年にベニス・ビーチの隅に引っ越したが、そのすぐそばにニス・ホッパーもスタジオを構えた。デニス・ホッパーも1960年代から写真を撮っていたわけだから、ほんとうに気心がしれた古い仲間だ。ルシェは東海岸のウォホールやリキテンシュタイン、ローゼンクイストらPOP Artistたちに加えられてきていたが、ハリウッド映画が中心にあり(シネマ・シティー)、車社会-ガス・ステーション、ハイウェイの巨大ビルボード(ベンダースの映画『パリ・テキサス』に登場するような)、様々なサイン広告が無限にひろがっているL.A.は、そしてL.A.アートは、同じようにくくることがきない-さらにクールなアートを制作していったのが、ルシェらL.A.アートだった。
Ed Ruscha: Photographer

Steidl

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Ed Ruscha

Phaidon Press

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グレゴリー・クルードソンの撮影現場

2009年10月18日 | 日記
Crewdson Shoot

ニューヨーク・ブルックリンの都会育ちのクリュードソンにとって郊外の光景は、奇妙な魅力に満ち満ちていた。この動画でもクリュードソンはまたしても郊外に出撃している。これだけのスタッフをみれば、これは映画の撮影なのかとおもわせるが、実際スタッフたちはインディペンデント映画の一流どころを集めたクルーだ。若い頃はパンクロックに明け暮れていたクリュードソンが、たった一枚の写真を撮るのに何日もあるいは何週刊もかけロケハンして準備しスタッフをあつめ、道路に水を撒いて、車を走らせてといった手間をかけるようになったのは何故だろう。そうしたイメージは泳いでいるときに突如あらわれるというのだ。そのイメージを捕獲するために20年以上もその一点に向かってエネルギーを投入してきた。写真が、「メイク」と「テイク」とに分けられるのは、クリュードソンのように自身の内に浮かんできたイメージを「メイク」する、フォトグラファー(アーチスト)がかなり多くいるからだろう。私自身は「タイク」派なのだが、フレーミングや様々な選択においては「メイク」の要素が入り込む。逆もまた真で、クリュードソンも「タイク」しなくては追い求める「メイク」が成就しないわけだから。映画もまたその次元では類似している。
Beneath the Roses

Harry N. Abrams

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Gregory Crewdson: 1985-2005

Hatje Cantz Pub

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G.クリュードソンの詳細は、Art Bird Booksへ

ヘルムート・ニュートンの強いモデルの立ちポーズのイメージは、ガン・ファイターだった

2009年10月11日 | 日記
Helmut by June part 4

ヘルムート・ニュートンの動画映像の中でも、その日常のお茶目ぶりが遺憾なく発揮されているのがこの映像で、60、70歳を越えてもなおエネルギッシュさを持続できたのも、エロスの探求と同時にそうした少年のような遊び心をつねに発揮していたからだろう。ホテルのベッドルームで、ガン・ファイターとしてのゲイリー・クーパーが好きで(ニュートンは少年の頃、アメリカンスクールに通っていた)とくに映画『ハイヌーン』のクーパーがピストルを手にし両脇にたらし、殺気を感じたらいつでも瞬時に撃てるようなのポーズをモデルたちにとらせていたと語っている。後半は映画監督ビリー・ワイルダーのポートレイト撮影のシーンやSMチックなオールヌードの女性をTVの中の男が見下ろしているといった妄想ゲーム的なシーンが見物だ。
ヘルムート・ニュートンの詳細や写真集はArt Bird Books Websiteへ
Autobiography

Nan A. Talese

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カルティエ-ブレッソンにとって「光」は香水だった

2009年10月09日 | 日記
Henri Cartier-Bresson Part2

このブレッソンの動画はなかなかに興味深いことを教えてくれます。カルティエ-ブレッソンの写真を語る際、よく黄金比率のことが言われますが(またそれも真実、この動画の中で彼も語っています)、あの有名なサンラザール駅の前の水たまりの上を男がジャンプしている写真を撮影した時、ブレッソンはカメラを滑らせてしまって男がジャンプしているのをまったく知らずにおもわずシャッターを切ってしまっていたといいます。決定的瞬間を狙って撮った、というのはよく言われるようにブレッソンの写真の本質、真実とは異なります。ブレッソンは「It's a matter of CHANCE. If you want it, you get NOTHING. Just be receptive and it HAPPEN」と語ります。感受性を豊かに高めておくと、突然、偶然に思わぬことが起こる、といいます。まさに「シンクロニシティー」が起こるのです。その写真の場合、現像した写真を見たブレッソンは、駅・水たまり・影・飛ぶ男の空間的配置に黄金比率を見つけてしまった、というわけです。映画『ファニーフェイス』の中で、フレッド・アステア扮する写真家が、オードリー・ヘップバーン扮する古書店の売り子の顔と表情に、その時代を予感し象徴させる「黄金比率」を感じ取って彼女をモデルにしたてようと懸命になったのも、現像して写真をもう一度見てからのことでした。そしてブレッソンは空間の中の「フォルム」を重視します。これは動画の後半部分で語られます。少し長いのですがぜひご覧になられるといいと思います。ブレッソンにとって「光」は香水のようなもの、という真意が分かります。

アンリ・カルティエ-ブレッソンの写真のことはArt Bird Booksでもう少し見るとさらに興味深く

スティーブ・マカリー2:トラベリング・フォトグラファー

2009年10月08日 | 日記
Steve Mccurry: Arts and Minds


前の動画にはスティーブ・マカリー氏本人は登場していなかったのでもう1本ピックアップします。この動画はカンボジアのアンコールワット撮影時のこと、「National Geographic」誌のカバー写真に掲載され、スティーブ・マカリーの名を決定的にしたアフガニスタンの目を煌煌と輝かせ訴えかけている若い女の子の写真も登場します。ほとんど考古人類学者のような感性で惹き付けられた場所に潜りこんでいきます。とにかくそのエネルギッシュさは凄い。撮影旅行中では、世界各国の空港での手続きや乗り換えが一番大変だと語っています。そうだそうだ。
スティーブ・マカリーの詳細は、Art Bird Booksへ(日本にも仕事で何度か来る機会もあって撮影もしているが、写真集「Looking East」に日本でのポートレイト撮影が一枚もない。その理由を語ります)
Steve McCurry: Looking East: Portraits by Steve McCurry

Phaidon Press

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Portraits

Phaidon Press

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マグナム・フォトグラファーSteve McCurry、仏教徒を撮る

2009年10月08日 | 日記
Steve McCurry - Photography that sounds good

マグナム所属の写真家は今やかつてのマグナム・フォトグラファー(CapaのようなWar Photographer)の仕事や活動からはイメージしずらい写真家が続出しここ10年程活況づいている。創立者の大御所カルティエ=ブレッソンがマーチン・パーの写真はマグナムには合わないといったマーチン・パーをも取り込んで、硬直化していたマグナム写真を、ジャーナリズムを越え、もっと身近に、暮らしや生活の次元でとらえはじめている。多くの国を訪れたスティーブ・マカリーは文化に横たわる大きな相違は、「仏教」と他の宗教の間にある宗教的な隔たりから起こるとみてとっている。そして「もし私が敬服する宗教は何かと言われれば、それは’仏教’だ」と打ち明け、「私が遭遇した仏教徒たちには、’コンパッション-同情、憐れみの気持ち’があった。すべての生命に対する尊敬があった。そして多くの平和と平穏さがあった」と語った。とにかくマカリーの仏教徒のポートレイト写真は本当に美しい。まだ見てない人はぜひこの機会にみられたい。
Monsoon

Thames & Hudson Ltd

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The Path to Buddha: A Tibetan Pilgrimage

Phaidon Press

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リチャード・アヴェドン&ナスターシャ・キンスキーの大蛇ポートレイト

2009年10月06日 | 日記
Richard Avedon - Kinski\'s photo session

この動画はアヴェドンもののなかでもつい見入ってしまう類のもの(日本語のテロップ付きなので内容もよく分かるとおもいます)。99%の人は一度みたら絶対に最後まで見てしまうはずだ。あのナスターシャ・キンスキーが全裸となり、そこに大蛇が足元からナスターシャの肉体を這いあがり、最後にナスターシャの耳に舌を一度だけだしキスをした、というその瞬間をアヴェドンが見逃さずにシャッターを切った、というその写真の事の次第を現場にいた人とアヴェドン自身が語る。アベドンはすでにその頃、従来のファッション写真に嫌気がさしてしまっていて、ポートレイトに夢中になっていた頃だ。その話も動画にはいっています。裸体の女優(すでに衣装の広告になりませんが、90年代以降のヌーディーなファッション写真を予告しています)に大蛇が身をくねらせ舌をだす。キリスト教が文化に浸透している国では相当ディープなところまで意識・無意識がむかうだろう。私はじつはヘビが最も苦手な者なのであれこれ想像する前に逃げ出したくなってしまうのだが...リチャード・アヴェドンの詳細はArt Bird Books Websiteへ
リチャード・アヴェドンを詳しく知る

ブラジルを母国とする写真家セバスチャン・サルガドの訴え

2009年10月06日 | 日記
dropping knowledge QUESTION: Sebasti�o Salgado, Paris

この動画に説明はいらないだろう。サルガドはサンパウロ大学でエコノミストとしての教育を受け、インターナショナル・コーヒー・オーガニゼーションでエコノミストとして活動したが、現地アフリカで目撃した惨状と悪化し続ける社会・経済環境をより直接に訴えるために29歳の時に写真家に転身した。その活動の背景には、母国ブラジルの状況の改善というおもいがつねにあったという。現在はユニセフの特別代表としてブラジルのおおがかりな植林プロジェクトにとりくむとともに、2007年には母国ブラジルやグアテマラ、エチオピアなどのコーヒー農園労働者の写真を広く知らしめ、コーヒー愛好家たちにコーヒーというものへの意識を高める活動をさらにすすめていった。とにかくサルガドは日本人が現在イメージしているような写真家ではなく(つまり写真のことだけをしゃにむに勉強してもダメということだ)、世界を、人々の意識を、労働の現状を、おおきく動かす影響力のある人間である。

サルガドのことを詳しく知る

アンディ・ウィホールの鏡割り!Andy Warhol Interview in Japan 1974

2009年10月03日 | 日記
Andy Warhol Interview in Japan 1974

1974年の日本での展覧会のオープニングパーティーに姿をあらわしたウォホール。パーティでの鏡割り神事は主宰者サイドからのサプライズなプレゼント、ショーづくりなのだろうか。ウォホールもインタビューで「TVは古い映画とニュースを見るんだ。ニュースは最もドラマチックなショーだからね」とアンドリュー・ヴァーコラ(Andrew Varchola。ウォホールの本名)は、すっかりウォホールになっている。ウォホールも気をつかってか日本の菊は美しくフラワープリンティングにぜひ使ってみたい。華道の道具や作法もぜひ導入してみたいと語っている。1分半の映像なので、ぜひ見られるといいとおもいます!


女優カトリーヌ・ドヌーブと結婚したデビッド・ベイリーの若かりし頃

2009年10月03日 | 日記
David Bailey marries Catherine Deneuve,1965

映像埋め込み無効なのですが、画像の次の「Toutubeで見る」をクリック! すぐに映像確認できます。 
カメラ・写真が時代のマジックだったのが、ある意味、写真家がポピュラーカルチャー時代のマジック(ヒーロー)になった最初の一人がこのデビッド・ベイリーだろう。ベイリーはピュラーカルチャー時代のスーパーヒーロー、ビートルズやマリアンヌ・フェイスフル、ツウィギー、ジェーン・シュリンプトンらを撮り自身もまた時代に写される側になった。世紀の女優カトリーヌ・ドヌーブもあれよあれよという間に写真家と写真の時代のマジックにかかったわけだ。Rosemary Bramble、2番目にドヌーブで7年間続いた、Marie Helvin(後に前妻は結婚生活を暴露気味に告白)、Catherine Dyerと4度も結婚している。日本でも篠山氏が南沙織、最近では藤代冥砂氏らもモデル田辺あゆみと結婚したが、ここにきて写真界の環境・状勢も、他と同じくかなりヘコンできているので、時代の花形のようなスターフォトグラファーとスター女優やスター歌手が電撃結婚でもちきりになる時代はもう来ないのかもしれない、ということでなんとも懐かしき時代の映像をアップしてみた、というわけです。

http://artbirdbook.comベイリーをモデルにした映画『欲望』を今一度チェックしてみると、なかなか興味深い