アリゾナマニアの知ったか発言集

QB

コッブ 1,955ヤード 9TD 8INT
スケルトン 1,913ヤード 11TD 14INT
バーテル 86ヤード 1TD 1INT
ホール 0


ようやく2011シーズン振り返りを書きます。

 ◎ … スターター
 ○ … 出場
 △ … 出場登録されたけど出番なし
 イ … インアクティブ
 R … IR入り
 - … PS、契約外、他チーム所属

■QB

QBについてそれぞれ一言ずつでまとめると
 コッブ … 優れた二流QBである
 スケルトン … すでに超えたかもしれない・・・スコット・ミッチェルを
 バーテル … プレシーズンゲームでは良いんだけど
 ホール … 軽率さがなかなか抜けないけど肩はよく抜ける


昨年からの人事:
 ドラフト指名なし。ロックアウト終了後にPHIとのトレードでケビン・コッブを獲得。トレーニングキャンプ開始前に去年先発だったデレク・アンダーソンを解雇。ホールが開幕前にIR入りしてコッブ、スケルトン、バーテルの3人が開幕ロースターに入った。プレシーズンゲーム中に負傷者が複数いたのでブロディ・クロイル(前KC)と契約したけど開幕前に解雇してます。


□ケビン・コッブ
 新加入(2007年PHIのドラフト2巡) 27歳 ヒューストン大
 出場9 先発9
 ◎◎◎◎・◎◎◎イ・イイイ◎・◎イイイ
 パス 146/253(成功率57.7%) 1,955ヤード 9TD 8INT 30被サック Rat 81.1
 ラン 17回 65ヤード(平均3.8ヤード) 8ファンブル 3ロスト
 5年契約の1年終了(総額63M)

 先発CBドミニク・ロジャース=クロマティと2012年のドラフト2巡指名権を放出してのトレード加入で、しかも5年総額63ミリオンの大型契約を結んだがそれに見合うだけの成績は残せなかった。それだけの対価を出す価値がないことはわかっていたけどすぐ使えるベテランQBが必要だったため大きな代償を出す必要はあった。

 7月中旬の加入でシステムに馴れる時間もレシーバー陣とコンビネーションを高める時間も少なかったこともありなかなか実力を発揮できなかった。そして第9週BAL戦の試合途中にturf toeを痛めその試合は最後まで出たけど回復に時間がかかって4試合欠場を余儀なくされた。第13週DAL戦で復帰してオーバータイムでTDパスを通して勝利したものの、翌第14週SF戦の試合開始早々に相手選手に頭を蹴られてしまい脳震盪を起こして負傷退場、そのまま復帰できずシーズン終了した。先発試合は開幕週CAR戦で勝ったあと6連敗だったので負傷退場したSF戦を除いて2勝6敗。

 強肩でパスの精度はスケルトンよりはっきり上で、ある程度の走力もある。システムにようやく馴れてきた頃に負傷で出場できなくなったのは不運だけど加入2年目の上積みは確実にありそう。試合中のサイドラインでの振る舞いを見る限りではエースQB待遇だからといって王様気取りしてる感じもなく味方のリターンTDに喜んだりミスした選手に声を掛けたりしてる姿に好感を持った。先発の座を守れさえすれば次シーズンに成績が良くなることは間違いないと思う。

http://www.nfl.com/player/kevinkolb/2507169/gamelogs


□ジョン・スケルトン
 2年目(2010年ドラフト5巡) 23歳 フォーダム大(D1-AA)
 出場8 先発7
 イイイイ・イ△△◎・◎◎◎△・○◎◎◎
 パス 151/275(成功率54.9%) 1,913ヤード 11TD 14INT 23被サック Rat 68.9
 ラン 28回 128ヤード(平均4.6ヤード) 4ファンブル 1ロスト
 4年契約の2年終了(総額2M弱)

 プレシーズンゲーム中に足首を捻挫した影響で開幕から5試合は3番手扱いでインアクティブだったけど第7週から2番手復帰。コッブの負傷により第9週STL戦でシーズン初出場初先発するとちょうど上昇気配だったチームの流れにも上手く乗って勝利を重ねた。ほぼフル出場した第14週SF戦も含めると先発試合でチームは6勝2敗。ホームでは4勝0敗で2010年も含めて6試合すべて勝っている。

 パサーレイティングでコッブを下回っているようにプレー内容は不安定。特に試合序盤はパスが高く浮いてインコンプリートやINTが多い。しかし4Qになると別人のように集中力と勝負強さを出しうっとりするようなパスを通して勝利を呼び込んでいる。良くも悪くも「アリゾナ的な」QBと言える。見ていて面白いというのは確かである。

 身長6-6という超大型で頑強なだけでなく精神的にもタフで、ミスをしても堂々としているのは大したもの。立ち上がりの不安定さとパス精度の向上ができればかなりのQBになれそうな予感がする。コッブとの先発QB争いが楽しみ。

http://www.nfl.com/player/johnskelton/497129/gamelogs


□リチャード・バーテル
 加入2年目(2007年DALのルーキーFA) 29歳 タールトン州立大(D2)
 出場2 先発なし
 △△△△・○イイ△・△○△イ・△△△△
 パス 10/22(成功率45.5%) 86ヤード 1TD 1INT 1被サック Rat 52.5
 ラン 1回 9ヤード
 2年契約満了(総額0.8M)→RFA

 2010年のシーズン終盤に加入してた選手。プレシーズンゲーム4試合でパス成功率68.5%、5TD、2INT、Rat 115.5という好成績で3番手QBの座を射止め、スケルトンとコッブの負傷もあって結局13試合で第2QBとして出場登録された。起用されたのは第5週MIN戦と第11週SF戦の2試合でともに大差がついた4Qでの出番。SF戦では初のTDパスをWRフィッツジェラルドへ通した。

 強肩ながらどちらかというと丁寧にショートパスを投げるポケットパサーという印象で、プレシーズンゲームでは本当に良くてスケルトンから2番手を奪ってもおかしくないくらいの内容だった。でもレギュラーシーズンの2試合ではときどきレシーバーとまったくかみ合わず誰もいないところへボールを投げたりしてて能力の限界を感じた。チームは一応残留させる意向みたい。新QBコーチの指導でどれだけ進歩できるか。

http://www.nfl.com/player/richardbartel/2507299/gamelogs

□マックス・ホール
 2年目(2010年ルーキーFA) 26歳 ブリガムヤング大
 出場なし
 RRRR・RRRR・RRRR・RRRR
 2年契約満了(総額0.7M強)→ER-FA

 2010年はルーキーFAの新人ながら開幕時に2番手QBになり3先発を含む6試合に出場したけど、シーズン終盤に左肩脱臼でIR入りしている間に同期のスケルトンが試合でそれなりの結果を出した。2011年のトレーニングキャンプではスケルトンの後塵を拝しバーテルと3番手を争うという位置付け。劣勢だったので開幕前に解雇になりそうな気配だったのがプレシーズンゲーム2試合終了のあと練習中に左肩を再び脱臼、手術が必要となったためIR入りした。

 IR入りしたあと解雇しなかったということはコーチ陣はまだ期待をしているということだと思う。良いときのリズムよくポンポンとパスを通していく姿は確かに魅力がある。でもポケット内で無駄な足の運びが多いしあっさりINT投げてしまうような軽率さは解消してほしい。

http://www.nfl.com/player/maxhall/497112/gamelogs


QB3人のパス獲得ヤード合計は3,954ヤードでわずかに4,000の大台に届かず。

OCが前年までラス・グリム(ラン担当)とマイク・ミラー(パス担当)の分担制だったのがミラーが正OCになった1年目なのにロックアウトの影響でミニキャンプやOTAができずシステムの浸透が遅れ、しかも先発QBコッブは7月に加入が決まった選手、さらにOLのパスプロテクションもシーズン前半はザルに近かったのがスケルトンが出るようになったシーズン後半はだいぶ安定してきたということはコッブとスケルトンの比較の材料に加えるべきだと思う。

出場プレー数は同じくらいで被サックはコッブの方が多いのに、パサーレイティングの数字の高さとINT率の低さを考えるとコッブの能力もきちんと評価すべきかなと。ただ試合を通じて1Qだろうが4Qだろうがスタッツに波がないコッブよりも、4Qに急激に優秀なパサーになるスケルトンのほうが面白みがある。

どちらを次シーズンのエースQBに選ぶかは本当に興味深い。


オフの補強についてはペイトン・マニングがINDを解雇されたら獲得に動くつもりのようだけど、解雇になるかどうかわからない、首の負傷から復帰できるかわからない、争奪戦になったときアリゾナを選んでくれるかわからない、と不確定要素が多すぎるので無いものと考えるほうがいいでしょう。

ドラフトでは基本的には指名する必要はなさそうですが、下位で指名する可能性はあります。


今年は短めにまとめるつもりだったのにいざ書き始めたらこんなに長くなってしまいました。ほかのポジションは書くことも減るだろうからもうちょっとコンパクトにします。

最近の「アリゾナ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事