存在価値③

携帯もつながらないメールも無視。

かなり怒っている確率が高いと思われる。

時計を見ると午後1時。
起きてから約3時間もたっていた。

それだけ時間がたつとかなり頭の回転も戻ってくるらしい


せや　もしかしたら小泉　実家に帰ってるかもしれん
オレは意を決して小泉の実家に電話をした。


『もしもし　小泉さんのお宅ですか?大谷です…』
『あっ大谷さん。隆人です　今日何時に来れますか?』

『えっと…あ…隆人くん』
『はい』

『小泉…そっちにおらん?』
『いませんよってどうしたんですか?』

『朝起きたらおらんくて…』
『えー　喧嘩でもしたんですか?』

『いやーそのような…』

隆人君は小泉の弟というより兄ちゃんのような貫録があると思う
オレから小泉行方不明という情報を聞いても

『今日の事忘れて買いものでも行ったんちゃいますか?』

なんて余裕のコメントできるんやで
とにかく今日は　そっちの家に行けそうではないことと
もし連絡あったらすぐに教えてほしいと伝えて電話を切った。

『はぁ…』

ため息ついても小泉が出てくるわけもなく
オレはただ部屋の真ん中で愛を叫べず座り込んでいた。