素直になることの大切さを、めぐに諭されて、電話をかけることにした。
あのこの電話番号を、こんなにも早く見つけてしまう指先が、何だか悔しかった。
…でも、こんなときに、出ないなんて。
実は、自分で、自分のへるぷに気付くぐらいのとこまで、きちゃってるのになあ。
こんなとき、やっぱり聞きたいのは、あのこの声なんだよね。
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先週の金曜は、あたしにとって、おっきな山場で。
妙にどきどきして、怖くなって…そんな木曜日、わざわざ電話で相手してくれて…
自分だって、日曜に大事な試験あるのに、何でそんなに優しいかなあ。
「お前、受かるらしいで。運命で決まってるねん。俺、聞いてきてやったで。」
「明日どーやったか聞いたる。そのとき、頑張った!!てゆえるよう頑張ってこい。」
その言葉が、すごくあったかく感じて、心地よくて、嬉しかった。
金曜の夜、ほんとに電話してきてくれるし。
なかなか来ないから、どーせ忘れてるんだーって凹んだときに、水色に光る携帯。
何だろう、あのこがゆう「大丈夫」は、ほんとに魔法の言葉のよう。
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でも、ごめんね。あんなに応援してくれたのに、だめだったみたい。
就活って、ほんと恋愛に似てるよね。自分だけがすきでも全然だめ。難しいなあ。
ちゃんと頑張るよ。納得いくまで、やりきるから。
でも、ちょっとだけ、今日だけ、でいいから、弱音はかせてほしかった、なあ。
…まあ、いつも弱音はいてばっかの、あたしだけど。
明日、顔あわせたときは、少し無理してでも、笑顔で、話しかけちゃう気がする。