
【満足度***60%+α】
2000年/日本=シネロケット/84分
(監督)三池崇史
(出演)遠藤憲一/内田春菊/渡辺一志/中原翔子/不二子/他
日本映画界きっての鬼才三池崇史監督による爆弾級の問題作である。
崩壊した家族の再生を描いたものですが、エロにグロ、そして過激なバイオレンス描写にとなんでもござれな珍品。「愛」をテーマに掲げたラブシネマシリーズの一作として製作されたようですが、この作品だけ郡を抜いて異彩を放っている…、否やういている。たまたま知人がこの映画の仕事に関わっていたので、私は騙されたと思って拝見したのである。マジで蓋を開けたら超ビックリな作品でした。
出演者もキワモノぞろい?だ。まず、父親役にはあの遠藤憲一。(なんか変態役多いですよね・・・)TVキャスターを降板させられた彼は、実の息子がいじめにあっている様子をドキュメンタリーにして復帰をはかろうとしているとんでもない父親なのだが、これが見事にハマリ役。でもそれ以上に、度肝を抜かれたのが母親役の内田春菊だ。息子に虐待され全身アザだらけの体にクスリ付けの日々。最後は、乳が飛び出る始末でもはや手に負えない。完全お手上げ状態だ…。物語終盤では、遠藤憲一が大工道具もって飛び出し「ヨイショ!ヨイショ!」って息子を虐めていたクラスメートらを虐殺するシーンがあるのだが、逆にもう笑わずにはいられません。どうやったらあそこまでハイテンションになれるんだ!?よほど、異常な撮影現場だったんだろう。
とにかく画面を直視できないようなシーンのオンパレードでいったい何をこの映画は伝えたいのかって事。一見、気分を害するようなまでの作品だが、そこには「家族愛」という重要なテーマもきっちりと盛り込まれている。余談ですが、山本直樹の「ありがとう」という漫画もそうでしたね。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品で、人に薦める際は考え物ですね。