BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説1-1「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-25 06:25:13 | ★ディスティニー1章
 時計が0時をまわった。

「俺達の魔法がとけちゃったね…」
 麻也(まや)がそう言うと、諒(りょう)は答えに困ったようだったが、シャンパンのグラスをガラスのテーブルの上に置くと、
「ああ、まあね。」
と彼らしくもない歯切れの悪い返事をした。
 イギリス系の血も流れている、研ぎ出されたような美貌と眼力がずば抜けた、カリスマボーカリストの諒。
 そしてその横に立ち、彼の恋人としてステージもプライベートも助け合ってきた中性的な美貌のギタリストの麻也…
 今夜はグラマラスな二人のロックバンド「ディスティニー・アンダーグラウンド」の東京ドームでの解散コンサートの夜だった。
 一次会だけの打ち上げもすませ、2人は今、すっかり疲れてしまって、スーツ姿のまま、ドームホテルのスイートルームのソファの上で脱力していた。
 麻也はぼんやりと諒の茶色の短い髪を眺め、諒は麻也の肩までかかるふわふわの黒髪を見ていた。