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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

神奈川激闘記  いよいよ頂点が決まる!

2011年07月29日 | 高校野球

 

◇第93回全国高校野球選手権神奈川大会

【準決勝】

第1試合
横 浜      000 004 100   5
横浜創学館   000 001 120   4

第2試合
桐蔭学園    000 120 100   4
桐光学園    010 112 00×   5



両ゲームとも手に汗握る攻防の末、
5-4での決着となりました。
高校野球の面白さがギュッと詰まった、
素晴らしい準決勝でした。

第1試合の見どころは、
創学館のエース住吉が、
横浜打線にどう対峙するかということ。

この住吉、
最後の夏を迎えてその素質が開花。
5回戦のシード校横浜桜陽との対戦では、
延長15回引き分け再試合の24イニングを、
涼しい顔をして切り抜けました。

たぐいまれなタフネスを感じさせるこの横手投げエースは、
横浜にも臆することなく挑んでいきました。

均衡が破れない6回1死満塁。
ここでスクイズを警戒しながら次打者をPゴロに抑え2死。
依然満塁は変わりませんでしたが、
ここで少しホッとしてしまったのかもしれません。

俊足の9番・伊達には前の打席でもドラックバントを決められていたにもかかわらず、
ここではその”足”には無警戒でしたね。

そこをついた伊達の”まさかの”ドラックバント。
これがコロコロとセンターまで転がって、
2者がかえって均衡が破れました。

そしてそのすぐ後に、
『キーマン』乙坂が2者を返す弾丸ライナーの2ベース。
4-0となり、
横浜は完全に主導権を握りました。

それにしても伊達。
この場面でのドラックバントの選択は見事。
そして、
その前の打席では3塁側(ショート側)に転がしたバントを、
今度は1塁側に転がすという心憎さ。
バントの構えをした時、
すっとピッチャーの住吉が三塁側に動いたのを見透かすように、
誰もいない1塁側(セカンド側)に転がした、
芸術のようなバントでした。

今年の横浜の強さ、
ここに見たように思います。
足と小技を絡めて相手をじわじわと追い詰めていく。

横浜野球の真髄かもしれません。

しかし、
追い込まれながら横浜創学館は、
本当に最後までよく戦いました。

7,8回に横浜投手陣を攻めに攻め、
1点差まで追いついてあと一歩まで迫りました。

8回1点差の1死1・2塁。
カウント2-3の場面でかけたエンドラン。
妥当な作戦だったと思います。

しかし快音を残した打者の放った打球は、
惜しくもレフト正面。
ランナーも戻れずゲッツー。

ここで試合は決まりました。

あと1m打球がずれていれば、
創学館は初めての甲子園を自らの手に手繰り寄せていたかもしれません。

横浜出身の創学館・森田監督は、
またも師匠である渡辺監督越えはならず。

しかし、
挑戦し続ければいつかは、
甲子園への道は開かれると思います。
その時がもうすぐそこまでやってきていること、
今日は実感しました。


そして第1試合に勝るとも劣らない熱戦を繰り広げたのが第2試合。

12年ぶりの甲子園を狙い上げ潮ムードの名門・桐蔭学園。
対するは最後の夏にじわじわと実力を発揮してきた強豪・桐光学園。

久しぶりの夏対決となった桐・桐対決。
同じような学校のカラーを持つ両チームの、
激しいバトルでした。

戦前の予想は投手力に勝る桐蔭がわずかにリードというもの。

しかし試合は、
序盤から桐光がペースを握ります。

その原動力は、
この日先発のマウンドに上がった1年生左腕・松井でした。

入学時から期待されていたこの左腕。
準決勝の大舞台でも、
上がることなく自身の持ち味である強心臓と球のキレで勝負。
1-3回まで、
桐蔭打線を完ぺきに抑えきります。

対する桐蔭の、
大会屈指と言われるエース・内海は体が重そうで、
初回から桐光打線の洗礼を受けます。

何とか最少失点に抑えてはいるものの、
アップアップの状態は続き、
序盤は桐光ペースへ。

4回桐蔭は初めてのチャンスを小技で生かし同点に追いつきますが、
その裏またも桐光の伊東に勝ち越しタイムリーを許しまたもビハインド。
ここで桐蔭は、
早々と内海をあきらめ、
”もう一人のエース”であり”チームの守護神”藤岡を投入して、
何とか自分のペースに引き込もうとしてきました。

それに打線がこたえて5回2安打に四球、相手エラーなどが絡んで逆転。
そしてその裏の桐光の攻撃、
宇川の放った打球にキャプテンの2塁手・日比がダイビングして超ファインプレー!
ムードは一気に桐蔭へ・・・・・・と思われました。

しかし桐光は、
2死からしぶとく連打で同点。

中盤は試合の主導権がコロコロとあっちに行ってみたりこっちに来てみたり・・・・・
と激しい攻防が続き、
全く予断を許さない試合展開となりました。

序盤の拙攻で相手に逆転を許した桐光。
しかしエースとして5回から登場した柏原が徐々に立ち直ってくると、
打線がその好投に応えます。

6回1死2塁から、
この日4番に入っていた久保田の放った弾丸ライナーは横浜スタジアムのライトスタンドで弾み、
再度の逆転。

このリードを最後まで守り切った桐光が、
ライバル桐蔭の追撃を振り切り、
嬉しい5年ぶりの決勝切符を手にしました。

この日の桐光の戦いぶり。
5年前、7年前の【逆転の桐光】を彷彿とさせるようなもの。
いよいよチーム力はピークに近づいてきました。

今年は秋、春ともに県大会の序盤で横浜と対戦し、
行く手を阻まれていた桐光ナイン。
決勝に期するものは、大きいでしょう。

公式戦3大会ですべて対戦。
その最後は果たして【3度目の正直】なのか、それとも【2度あることは3度ある】なのか。
チーム力は互角だと思います。
ペースを握ったほうが勝つ。そんな予感もします。

横浜に挑み続けて跳ね返されてきた歴史。
それは、
この日の創学館や東海大相模だけではありません。
この桐光も、
98年、00年、01年と、
3度も決勝で横浜の軍門に下っています。

横浜を打倒する熱き思いは、
神奈川県のどの高校よりも強いかもしれません。

その熱い思いを、
ぜひグラウンドで発揮してください。

横浜高校。
今年も常勝軍団として、
神奈川の夏をぐいぐい引っ張りました。

その強さには、
もはや感服するしかないぐらいの畏敬の念を抱きます。
今日の決勝、
また”横浜らしさ”を発揮するのでしょうか。


個人的には、
自宅から徒歩の距離に学校があり、
暇さえあればしょっちゅう練習試合を観戦に行く桐光学園の、
5年ぶりの栄冠の瞬間が見たいですね。
(ワタシの3大ファンチーム桐光・日大三・東海大相模のうちの一つです)

いつもまったりとしている軍団が、
一つにまとまりプレー中に雄たけびを上げるようになれば、
『桐光ペース』と言えるでしょう。

2005年決勝の慶応戦で見せた驚異の追い上げ、
2007年決勝での、東海大相模・菅野からの大逆転、
そして敗れはしたものの甲子園の日南学園戦で見せた延長の気迫の同点劇。

そんな試合の再現、
祈っています。

頑張れ!桐光学園!
栄光はすぐそこだ!


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